藤本ひとみのマリナシリーズを10冊連続で読んでいたら、最後の方は苦行のようになってなんか頭が悪くなってきたような気がして、さすが、中学生の時に読んでいた本だな…と。

 

一旦中断し、買っていた本を読み始めたら、甘いもので口がおかしくなってきたとこに、だしの効いた上品なものや、スパイスの効いたうまいものを食べた気持ちになった2冊。

 

五十年前に書いた『罪の声』って小説について聞かせて―。偏屈で人嫌いな私を、あるとき孫が訪ねてきた(「起点」)。著書が次々と映像化される人気作家が、笑いと涙、秘めた思いがつまった人生を謳い上げる。何者でもなかった出発点から、エンタメの最前線へ。著者初の作品集、すべて単行本未収録の文庫オリジナル!

塩田さんの作品は元新聞記者らしく、きっちり取材している作品が多い印象です。

今回短編集で、3つ毛色の違う作品と、ラストが作家さん自身の将来の姿「祖父」になったところに、孫が訪ねてきて、という「起点」表題作のお話。短編集のうちでは「仮縫い」が良かったです。結構ハートフル作品。高校時代の仲良し5人組で、一番さえなかった子がマドンナとの恋を実らせるお話です。「起点」は、孫の時代には「直接人に話を聞く」なんてことがない時代になっていることを回顧する、という、そうなりそうだな、っていうお話でもあり、作家本人の「取材」への矜持を感じる作品でした。結構この本、文庫にしてもお安めの550円で楽しめます。

 

十四年前に起きた産院放火殺人事件。その被害者遺族三名を誘拐したのは、加害者の息子・湊川潤だった。取り調べを担当する警視庁の羽山圭司と高尾署の森垣里穂子に対し、湊川は加害者家族として歩んだ過酷な日々を一方的に語ったうえで問う。「殺人事件の加害者家族と被害者遺族―一つ選べと言われたら、あなたはどちらになりたいですか?」二人が湊川の真意を掴めぬうち、管内で新たな凶悪事件が起きてしまい…。『トリカゴ』の刑事たちが辿り着いた慟哭の真相とは。辻堂ミステリの新たなる到達点!

加害者の息子で捕まった湊川潤が、「爆弾」のタゴサクみたいなぶっ飛んだ人物かと思ったら…違ってました。事実の事実、真相の真相はけっこうやるせなく。加害者家族と被害者家族。

辻堂さんの本は結構好きで読んでいるので、予想の範疇の出来栄えで、まあ、文庫まちでも良かったかな?と思ったりもして