電車やバスでの時間つぶし方法

本を読む

紙の本をたまには読みたいけど持ち運びがやはり面倒

 

朝井リョウの「イン ザ メガチャーチ」

私的には今年のベスト3に入るなあ ネタバレありかも

 

久保田慶彦(47)レコード会社勤務。とある能力を買われ、アイドルグループ運営に参画することに。武藤澄香(19)留学を志す大学生。内向的な気質に悩むうち、一人のアイドルに出会う。隈川絢子(35)契約社員。舞台俳優を熱烈に応援中だが、ある報道で状況が一変する。ファンダム経済を築く者、のめり込む者、のめり込んでいた者…三者三様の視点で浮かび上がる、人間の心を動かす“物語”の功罪。

昨日半分読んで、今日仕事終わったらこれが読める~と楽しみにしてました。

「神がいないこの国で人を操るには物語を使うのが一番いいんですよ」

帯にあるこの言葉が中盤に出てくるのですけれど、これ以外にも、ぶっささる言葉が多かった。珍しくハイライト機能使ってしまった。

物語は「推し活」について音楽業界側の人が出てきて解説する番組を見る3人の視点から始まる

久保田(47)離婚して、妻と娘遠くで一人暮らし、その解説番組にでていた音楽業界人はかつての同僚、そんな同僚から、オーディション番組からのアイドルグループの「物語」作りの一員にオファーされる。

「物語」を作る仕掛け人が「我を忘れて夢中になっている方が楽だから」「ずっと我に返ったまま生きるには殺伐としすぎていて人間の寿命は長すぎる」「差し出された物語に自ら乗り込み没入していける気質と自分との境界線があいまいになるほど共感能力が高いひと、没入感がたかく、自ら視野を狭めて行ける人、ひいては自ら拡散や布教に励んでくれる人」

澄香(19)留学志すが、ほかの留学希望者との熱量の差を感じている、そんなとき、このアイドルグループのぎりぎり通過の一人にはまる。そして「布教活動」

絢子(35)ある舞台俳優を応援中、オタク仲間との楽しい会話を楽しんでいるなか、その舞台俳優の訃報。自殺じゃない、陰謀だと活動しているうちに、「陰謀論」を主張する別の思想団体に取り込まれそうに。

印象的な言葉

「人生の本題なんてすぐにおわる。育児も仕事も手を離れてからが長いのだ」

「戦争を起こすことはそれほどむずかしくない。国民に対し我々は攻撃されかけているのだと危機感をあおり、平和主義者には愛国心が欠如しているのだと非難すればいい」

「わたしたちはこれまでもこれからもずっと花道から何も搾り取ってはいません。花道に自分自身を使い切らせてあげてるんです」

CDの大量購入、ランダムグッズ商法に問題提起されてるが「それらがなくなったところで別の何かで自分を過剰に消費するしかありません、一番のタブーは自分が余ること、自分を使い切ることが今の時代に手に入れられる唯一の正解であり幸せなので」

 

孤独、幸せの正解、推し活、陰謀論、いろんな要素がぐっと詰まっていて、朝井リョウ、その時代を書くのが上手いなあって思いました。あとから読んだら何だっけ?だけれど、今の時代、読むと大変面白いと思います。

 

お嬢さん、十八かそこらで、なんでそんなに悲しく笑う?暴力を唯一の趣味とする新道依子は、関東有数規模の暴力団・内樹會にその喧嘩の腕を買われる。会長が溺愛する一人娘の運転手兼護衛を任されるが、彼女を苛酷な運命に縛りつける数々の秘密を知り―。血が逆流するような描写と大胆な仕掛けで魅せる不世出のシスター・バイオレンスアクション!

これは、暴力的描写が苦手な人は読まない方がいいかも、ですが、シスターフッドの世界観は大変、爽快でした。あっという間に読めました。

 

 

 

 

 

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