一番きれいにしたい場所は?
▼本日限定!ブログスタンプ
海宝君×濱田さんの歌声は至宝でした。
愛希さんのスタイルは驚異的でした。
成河さんの歌、芝居は徹底していた。
栗原さんの存在感は素晴らしかった。
ネタバレないとこれくらいしか書けなかったので、みた時の感想を思い出に以下に記録用に残そうと思います。ということでネタバレはある。再演があった際には、知らない方が楽しめるところもある、と思うので画像であけます。
4回見る予定でいたが、体調など事情で2回に減ったけど、個人的には堪能した。
舞台は19世紀末、ウィーン。 栄華を極めたハプスブルク帝国の斜陽。
イリュージョニスト・アイゼンハイム(海宝直人)は、興行主ジーガ(濱田めぐみ)と共に世界中を巡業していた。
ウィーンでの公演中、偶然にもアイゼンハイムは幼い頃恋心を寄せ合った公爵令嬢、ソフィ(愛希れいか)と再会する。
だが、ソフィはオーストリア皇太子レオポルド(成河)の婚約者となっていた。
傾国の危機を救うために、過激な思想に傾倒する皇太子に対し、ソフィは心の内では疑念を抱く。ひそかに逢瀬を重ね、変わらぬ愛を確かめ合うアイゼンハイムとソフィ。皇太子は二人の間柄を疑い、ウール警部(栗原英雄)に偵察させる。ついに密会を知った皇太子は、怒りのあまり剣を手にソフィの後を追い…。
目の前に見えているものは果たして真実か? それとも虚偽なのか?
結局、ネタバレしたらいけないのって「薬で仮死状態であり、ソフィー死んでませんでした」ってことかな。現代社会ではなく19世紀末とかだとそれもできるか…
1回目、ネタバレ禁止です!と言われるとミステリ読書本気で取り組むタイプなので、
「逃げても生きてる限り皇太子に見つかる」とセリフや、わざと皇太子が見える位置にロケットペンダントつけるソフィ―とか、剣を触るときにハンカチを取り出して触ってポケットにしまい込む手とか、酒場で飲み物渡すウェイターがアイゼンハイムに近いお花を耳から出される俳優さんだからグルだな、酒場で時計を思いっきり何度も見てるとかで、うーん、これは、偽装してるのでは死んでないってやつかなと思った。前方センターブロックで上手寄りだったので、実はあの時、回想シーンで、「殿下」!とええ声で叫ぶ海宝君みながら、あの衛兵もやっぱり海宝君だったか、と。
ってわかった上で、2回目を見ると、皇太子が自決したシーン、成河皇太子が、打つ直前に視線を周囲に走らせて、上手の海宝衛生兵を見て一瞬で絶望と憎しみにこもった目を送るのがすごかったです。
2回目は、酒場のウェイターさんだけじゃなく、群衆とか宮殿で「皇太子が不利になるように煽る」セリフをしゃべるアンサンブルさんたちはグルな人がいるっぽいなあとか、交霊のシーンはサクラの人はどれくらいいるんだろうか。と思いながら見てました。アイゼンハイムは別に何も具体的には言っていなくて、皇太子も嘘はついていないのだけれど、現代社会のSNSと同じく、事象に対して、一つ二つ呟いて、拡散して騒ぎになる、っていうのが風刺利いてるなあって思いました。
あと、濱田ジーガを巻き込まないように、あえて、反抗期の息子のような言葉を投げつけて遠ざけるアイゼンハイムとジーガの家族っぽい愛の関係性は好き。逆に、絶対生活力ない嬢ちゃんがフワフワ逃げるのは幸せにならんだろうな、とか、恋愛要素の愛のお話は全く没入できず。でも、この二人、たまたま好感度の高い俳優さんたちがやってるだけで、やってることは最悪だから、まあ幸せになってもならんでもいいか、と納得しました。
しっかりわかってから見ると、1幕目の終わりのアイゼンハイムの悲嘆っぷり、わざわざ野次馬がいるところで「アイゼンハイムがなんであそこで泣いてるのか」と民衆(たぶんサクラもいる)に特別な関係をにおわせながらおいおい泣いてるのとか役者すぎて、こわ!。あと、終わってから気づいたけど、1幕終わりの濱田さんが賭け事かなかのトラブルでナイフ男に追い回される騒動と令嬢がいないの騒ぎが並行して行われているが、あれも濱田さんが襲われるようにアイゼンハイムが仕組んだことなんかな…とか思うと結構恐ろしい男ですよ、海宝アイゼンハイム。
成河皇太子もちょっとモラハラ気味な演技で、見事に「こいつ悪いやつだな」とミスリードさせていて、最後の最後、皇太子は別に嘘はついていなかった!という落差にこっちも偏見の目で見て申し訳ない…と思わせる。
いっても書いてもせんないことですが、幻のキャスト。
海宝君が皇太子やってたらどんな感じだったのかな?こっちが勝手にほかの人より好印象すぎるので、よっぽどじゃないと、これほど悪いやつを体感させてくれただろうかというのをみたかった(ちなみに成河さんは、帝劇で観劇したときに、客席が近かったようで、出口の扉を後方の私のために微笑んであけたまま手で押さえてくれた人なので中身はいいひとぽいと勝手に思っているのだけど、海宝君は特別推しなので)
三浦春馬君のアイゼンハイムだったらどう感じただろうか。たぶん4回とも必死で見たんではないかと想像します。
再演って、お話的にどうなんだろう?ネタバレ知った上で見るってやはり細かいところをみたいっていう作品は再演されても毎度みちゃうけども。
アイゼンハイムは中の人の好感度高い人かつ、素敵ビジュアルがやらないと、話が全然、ラブネバーダイのファントムになってしまいます。初恋の人のことを思い続けて、芸を磨いて、上流階級の世界に近づくチャンスをうかがいつつ、壮大なトリックを描き続ける見た目の悪い人じゃあねえ。とはいえ、もう一回あるのかな?あったとしても、初演が一番いい、と思ってしまう頭がちがちなので…見納めでしょう、堪能しました。