クリスマスツリーもう飾った?
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みんなの恋愛をわたしは知らない。
芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。
あなたはどこまで共感できますか?
ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。
雷のような逆毛を背負った、美しい犬。運命の相棒を裏切った、幼い私の「罪と罰」。
南アフリカと思われる国に、幼いころ家族で駐在した少女が、その豪華なおうちで、数匹の子犬を番犬としてもらって飼っていた。子犬の時、弱弱しかった一匹を「虎」と名付けた。その国から、日本に帰るときに、犬たちを連れて帰るか?という決断で、「犬を裏切った」気持ちを抱えたまま、大人になった女性のお話。
子犬たちが、大きくなり、その家の主人たちに従い、守ることを身に着けていく。そこには日本で飼っている犬とは違う、野生の猛々しさがあって、主人の「敵」とみなすものには、激しく、家族の中でも序列。
日本では、室内で飼われた犬が、自宅の前で足を止めた他人に吠えないようにしつけられていたり、「おとなしいし、今、人がいないので」と早朝リード無しで散歩したりする犬ですが、自然のなかで、生き抜くためには、野生の本能が必要。い平和な日本に今暮らす主人公女性は、自分の「女性」という性を自分でコントロールするために、ピルを飲み、毎朝、パトロールのように、ランニングを欠かさない、そんな強い凛とした女性の現在と、南アフリカでの生活が交互に書かれ、短い小説だったのであっという間に読めてしまいました。
誰もが平等に迎え、一つずつ年を取るお誕生日。喜びに溢れ、生まれたことに感謝する楽しいお誕生会。大事な人たちに祝ってもらう特別な一日。でも、そんな理想の誕生日は、現実にあるの―?昭和、平成、令和。現代を惑いながら生きる様々な世代の人々が、大切な誰かの、自らの、誕生日を迎えて新しい一歩を踏み出していく感動の連作短編集。
連作短編集。第1章で、とある小学校で、「お誕生日会禁止令」が出る。誘われたり、誘われなかったり、いろいろな不平等感があるのを排除するための学校の対策なのだけれど、そこから、各章、登場人物が重なって、「誕生日会」というテーマで物語が展開する。東京ハイダウェイがよかった作家さんですが、この作品も、着眼点がよい、と思いました。昭和のじぶんのお誕生日会も思いだすし、令和の現在のお誕生日会主催するのは大変だろうなあと、思いも馳せられるし、誕生日会と言いながら、その人それぞれの抱える悩みや日常が描かれていて、ちょいちょい、泣ける。中国の少数民族出身の少女のお話が好きでした。