格闘技を生で見たことある?

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格闘技の生での観戦はないなあ…面白いらしいですけどね。
今オリンピックの柔道を見てると、私は男子の軽い方から2番目くらいまでの階級が毎度、好みだなあ…と思ってみてます。
昨日スケートボードと体操を見届けていたらついついすごい時間になってしまいました。時差つらい。
 
 

「一日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」ストレスに耐えかね前職を去った私のふざけた質問に、職安の相談員は、ありますとメガネをキラリと光らせる。隠しカメラを使った小説家の監視、巡回バスのニッチなアナウンス原稿づくり、そして ……。社会という宇宙で心震わすマニアックな仕事を巡りつつ自分の居場所を探す、共感と感動のお仕事小説。芸術選奨新人賞受賞。

この作家さんの本、なんとも言えない浮世離れ感があって、生々しい描写とか一切ない、不思議な読み物が多い。今回も前職をストレスで離職することになった「私」がハローワークの窓口で、マニアックな仕事を紹介されては、次に、という短編集。おかきの外袋に書かれる「豆知識」のネタを考える〈のめりこみすぎてまた病む〉、とか、ポスターの張替えをする〈そうしながら町の集会での怪しい動きを察知したり)、とか、森の中で監視員をする(そんな中で、失踪者がこっそり暮らしているのを見つけたり〉とか、淡々と描かれる。なんか不思議だった、今回も

 

生きることは、まだ許されている。
明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男だった。明治19年春、巽は硫黄採掘に従事するため相棒の大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送されることになった。その道中で一行は四月の吹雪に遭遇する。生き延びたのは看守の中田、大二郎、巽の三人だけだった。無数の同胞を葬りながら続いた硫黄山での苦役は二年におよんだ。目を悪くしたこともあり、樺戸に戻ってきてから精彩を欠いていた大二郎は、明治22年1月末、収監されていた屏禁室の火事とともに、姿を消す。明治30年に仮放免となった巽は、大二郎の行方を、再会した看守の中田と探すことになる。

こちら、北海道の作家。ともぐいも好きで、この作家さんのを固め読みしています。巽青年の目を通した監獄生活が描かれる中、職務に忠実な中田の半生は少しだけ描かれるがひょうひょうと法螺を吹く大二郎の内面は一切描かれない。大二郎の本当の過去、罪とは?巽と中田が脱走の足取りを追う最終章まで、すごく面白い小説でした。