縁起の良いものと言えば?

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縁起がいいもの。冬至の柚は縁起がいいものなのか。健康にいいものかと思っていました。
 
直木賞候補読み切った。
 

口がまわらず、誰にも言葉が届かない。歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろと呼ばれ蔑まれた君主がいた。常に側に控えるのは、ただ一人、彼の言葉を解する何の後ろ盾もない小姓・兵庫。麻痺を抱え廃嫡を噂されていた若君は、いかにして将軍になったのか。第九代将軍・徳川家重を描く落涙必至の傑作歴史小説。

この聞き取れる小姓というのが、大岡越前の遠縁にあたります。吉宗と大岡越前も家重と兵庫のように、良きパートナーとして友情紡いでいるので、頭の中では加藤剛と松平健が存在する昭和脳の私。長男である家重が9代になった方がもろもろ、のちの政争の具にならないのでいいのですが、家重の語る言葉は不明瞭で、「口」となった兵庫が、家重の言葉をそのまま伝えているけど、「それが本当に家重の考えなのか?」と疑われたりしてやきもきする、大人世代の加藤剛と松平健がモヤモヤする9代に決まるまでのところは実に面白かった。実際に将軍になってからはちょっと飽きたところもある。

しかし兵庫と家重の二人で1つのような寄り添う生き方は最後、非常に感動的でした。4

 

ソ連時代のバルト三国・エストニアに生まれたラウリ・クースク。黎明期のコンピュータ・プログラミングで稀有な才能をみせたラウリは、魂の親友と呼べるロシア人のイヴァンと出会う。だがソ連は崩壊しエストニアは独立、ラウリたちは時代の波に翻弄されていく。彼はいまどこで、どう生きているのか?―ラウリの足取りを追う“わたし”の視点で綴られる、人生のかけがえのなさを描き出す物語。

これは、1977年生まれのラウリクースクという無名の一般人の青年の生きざまを描きたいというジャーナリストの取材文で始まる物語。ラウリがどんな少年時代を過ごしたのか、いまどうしているのか、周囲の人、先生や、同僚に聞き取りながら、ラウリの足取りを追っていきます。外国名も気にならないくらい、非常に読みやすい。気になる、ラウリは今どうしているのか一緒に気になる。ソ連の解体とか、国のあり方に翻弄されてはいるけれど、本人たちの生き方としては、「普通に」生きている人の人生、とその周囲の人々のお話をこんなに読ませるとは。ほぼ同世代で違う国で生きている人の話なので親近感もあるが、あまりに政情が過酷過ぎて、違う話でもあり、非常に魅力的な話でした。これも中高生の課題図書でもいいくらい、青春小説です。5

 

ということで、5 ラウリクークスを探して 4.5 ともぐい 4.0 まいまいつぶろ 襷掛けの二人 3.5 八月の御所グラウンド なれのはて

という順番なんですが、わたしの好みの問題。

 

二〇二三年の読書課題が終わった。