先日、ブックオフで大量の本を売って、本は、絶対に読むものしか買うまい、と決め、アマゾンではなく、書店に行って、文庫新刊コーナーで実際に読んで買うことにしました。
現在、読書待機本が
これだけありますが、立ち読みしてて、これ、おもしろそう、と思って昨日夜20時に本屋で買ってみました。そして、23時前には読み終えました、「徴産制」
2092年。新型インフルエンザの蔓延により10代から20代女性の85%が喪われた日本では、深刻な人口問題を解決するため、国民投票により“徴産制”の施行が可決された。農家の一人息子・ショウマ、エリート官僚のハルト、妻の死から立ち直れないタケル、「仕事のできない夫」キミユキ、そして、引きこもりだったイズミ…。性転換を義務化した“徴産制”に従事した5人の男たち。苦悩と葛藤の果てに手にした「生きる意味」とは―。
文庫は今年の新刊ですが、2018年に単行本で出ているお話。コロナ前。文庫化にあたって、4話には新型コロナというワードが加筆されたのかな?にしても、2018年にコレ書いてるのがすごい。
100年後の日本の設定ですが、5人の性転換する男たちの話もさておき、感染症の広がりから、日本が、悲劇的な食糧不足や、外交問題、そして少子化過疎化・・・結構あり得ないことでもないかもしれないなあ、というところが興味深い。
男性が女性になって、子供を産む制度に関しても「国の施策の進め方」とかも。
女性になってみると、体の特有の悩みや、見た目の判断、新しい差別、そもそも、子供が出来ないでの不妊問題、女性の働き方、性搾取の問題、一気に読んでしまいました。
大変、意義深い読書だけど、人には勧めにくい。細かいいろんなジェンダーの設定に関しては、厳しい人にとっては許せないものもありそうで。ただ、ひたすらに、本当に面白い作品でした。
しかし、最近突拍子もない設定のドラマも「まああり得そうだな」と思えてしまう、ので、普通の日常を淡々と描いた小説やドラマはよっぽど、文章力があるか、俳優が秀逸、台詞が抜群、じゃないとハマれないでいます。