北海道のちょうど真ん中、十勝・大雪山国立公園にあるトムラウシ。スーパーまで三十七キロという場所へ引っ越した宮下家。寒さや虫などに悩まされながら、壮大な大自然、そこで生きる人々の逞しさと優しさに触れ、さまざまな経験をすることになる。『スコーレNo.4』の宮下奈都が「山」での一年間を綴った感動エッセイを文庫化。巻末に、「それから」を特別収録。

田舎に住みたい、と思ってやってこられる側の土地なので、(要は田舎)、
「はあ?生半可な気持ちでくんな、田舎なめんな!」と心の底で思うことが多いですが、そういう田舎レベルでなく、大自然の中。おまけに帰っていく先も地方都市、福井、ということで、素直な気持ちで読むことができました。
大人の決断そのものよりも、子供の環境が変わることへの心意気に感心しました。


いじめ、うわさ、夏休みのお泊まり旅行…お決まりの日常から逃れるために、少女たちが試みた、ささやかな反乱。生きることになれていない、小学生から高校生までの主人公たちの、不器用なまでの切実さを描く、直木賞作家の傑作青春小説集。「学校ごっこ」「夏の出口」など四篇を収録。

角田光代月間だったので買った本を読みました。が、この本はつまらないというか、小学生から高校生の心を忘れてしまったのだろうか。年を取ったせいか。
と考えていました。薄い本なのに読むのに時間がかかる。


人間ドックの結果で話が弾むようになる、中年という年頃。ようやくわかった豆腐のおいしさ、しぶとく減らない二キロの体重、もはや耐えられない徹夜、まさかの乾燥肌……。悲しい老いの兆しをつい誰かに話したくなるのは、変化するカラダがちょっとおもしろいから。劣化する自分も新しい自分。好奇心たっぷりに加齢を綴る共感必至のエッセイ集。

先日、同窓会に卒後20年で参加しました。40半ばなので、家族がいる人、いない人もいるし、子供の話は受験の微妙な対抗意識が生まれてはまずいので共通の話題は「加齢」について。もちろん大きな病気をしている人もいますが、話題になるのは、目、髪、体形。すごく太ったあとに、体形維持に入っているストイックな人に話を聞いたりしたあとなので、このエッセイは非常にタイムリー。
角田さんは大人になってから運動はじめてマラソンまで走っているくらいなのですが、そこまでできないにしても、このところ、休みの日に、食べ物に気を遣うようになったり、歩行数は増やすし、「健康」に気を遣う今日この頃。
かなしい低下、では、角田さんも書かれていて、本を読むスピードが減ったのは、これも加齢であったか・・・と思い、安心しました。読む習慣がついているだけでも良し、運動は今更、やろうにも何もセンスがありません。