
8月6日、ビューティフルを観に行きました。
キャロルキング役は平原綾香さん。
帝国劇場に行ける時期がここしかなかったので、1回観るならどっち?ということで、平原さんのほうのみです。
私、2幕のとあるシーンから、涙が止まらなくなって。
いろいろ、自己投影しちゃうとか、涙もろいだけなのかもしれないけれど、すごく、心にずっしり来るミュージカルでした。
キャロルの半生を、キャロルが作った楽曲でつづる、というジュークボックスミュージカル、なので「ジャージーボーイズ」みたいだけれど、キャロルキング自体が、楽曲提供をしているので、男性グループや女性グループなどが順に出てきてその歌を歌われるスタイル。
その歌う人たちの歌がどなたも破綻がなくて、ドリフターズもシェネルズもどの人がリードボーカルになってもおかしくない。
アンサンブルさんの技量が高いというのも素晴らしい。

あらすじ
ニューヨークに住む16歳のキャロル・キング(水樹奈々/平原綾香)は、教師になるように勧める母親のジーニー(剣 幸)を振り切って、名プロデューサーのドニー・カーシュナー(武田真治)に曲を売り込み、作曲家への一歩を踏み出す。やがて同じカレッジに通うジェリー・ゴフィン(伊礼彼方)と出会い、恋に落ちた二人はパートナーを組み、キャロルが作曲、ジェリーが作詞を担当するようになる。ほどなくしてキャロルは妊娠、結婚した二人は必死で仕事と子育てに奮闘する。
同じ頃二人は、ドニーがプロデュースする新進作曲家と作詞家のコンビ、バリー・マン(中川晃教)とシンシア・ワイル(ソニン)と良き友人となり、互いにしのぎを削り、ヒットチャートの首位を争うようになる。
数々のヒットを放ち、全てが順調に進んでいるかのように思われたが、ヒット曲を書き続けなければならないという焦燥感から、ジェリーは精神的に追い詰められるようになり、奇怪な行動や浮気を繰り返すようになる。キャロルはやり直そうと試みるが、すでに手遅れだった。
28才で二人の子持ちのシングルマザーとなってしまったキャロル。しかし、彼女はくじけることなく人生を切り拓いて行く。ロサンゼルスへ移住した彼女を待ち受けていたのは、まったく新しい門出だった――。
出演:
水樹奈々/平原綾香(Wキャスト)
中川晃教 伊礼彼方 ソニン 武田真治 剣幸
伊藤広祥 神田恭兵 長谷川開 東山光明 山田元 山野靖博 清水泰雄(SWING)
エリアンナ 菅谷真理恵 高城奈月子 MARIA-E ラリソン彩華 綿引さやか 原田真絢(SWING)
脚本:ダグラス・マクグラス
音楽・詞:ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング
バリー・マン&シンシア・ワイル
演出:マーク・ブルーニ
振付:ジョシュ・プリンス

泣きポイントは、正確に言うと、剣幸ママが、伊礼ジェリーと別れ、一人で生きていくことを決めたキャロルに語り掛けるシーンから、親のありがたみ(うざったいこともあるけど)をしみじみ思ってしまったり。口うるさいことをいうけれど、時々、正しいことをいう、なんやかんやと子供のことを理解してくれる存在を剣幸さんが素敵に演じられていました。そのシーンからずっと涙が止まらなくて。
一番、泣いてしまったのはYou've Got a Friend。キャロルとバリー、シンシア、ドニー(平原さん、中川さん、ソニンさん、武田さん)の歌。ニューヨークを離れ、ロサンゼルスに向かうキャロルを送り出す歌。歌詞がしみじみ染み入ってきて、いろいろな形で支えてくれた友人のこととか、しんみり思い出して泣けた。バリー&シンシアカップルが、何かと良きライバルでありつつ、いいお友達だし、上司だけれど温かいドニーとか、いいキャスティングでした。ソニンちゃんが歌の上手い大竹しのぶに見えました。演技が上手くて。中川アッキーの病弱キャラは良かった。でも歌はもう少し聞きたかったな…
で、キャロルの16歳の時、一目ぼれの相手から夫になる伊礼ジェリー。わー、これは、惚れてしまうでしょうよ、と説得力ありすぎる姿形。ちょいちょい、浮気したり、双極性障害かしら、っていう不安定感があっても、簡単に捨てられない、あの美貌。不細工なのだったら、早よ、別れたらとおもうのだけれど、あれだけいい男だったらな~私も迷うかも、少しは。
でも、自分が自分でいられなくなるような相手だったら、すっぱり分かれて自分の道へ行くのがいいんだよ、とキャロルに私は言い聞かせながら見つめていました。自分の音楽で新しい自分を再構築して、カーネギーホールに立つキャロルの前に、やはり、まだ少し、双極性な伊礼君が、やってくる。すでに、壊れてしまった関係ではあるけれど、その人と出会えたことで生まれた新しい自分や、子供、そこから生まれる音楽。その人と会って傷ついたこともあるけれど、その人と会ったことで生まれた「新しい自分」。人と会うことにはなにも無駄なことはないものだと思わせる説得力ある美しい伊礼君。
ジェリーは縛られると生きていけない人だから仕方ない。やってることは、勝手な奴だなあ、と思うのですが、ジェリーも生きづらい中、幸せになってほしいなあ、と最終的に思ってしまいました。
そして主演のキャロルの平原さん。
私は、声が好きで、歌い始めると、心がすごく揺さぶられることが多いので、歌のたびに、心が満たされていました。そしてお芝居も、若いころの普通っぽい女の子も上手だったし、結婚して母になり、ジェリーにうっとうしがられる妻(ジェリーが重いって感じる程度のうざさ)に説得力があり、セリフもちょいちょい、笑わせる間の取り方も上手でした。
でも。歌の力。歌い始めると「カーネギーホール」だし、ラストのI Feel The Earth Moveはひたすら、かっこいい。スタンディングで、最後に盛り上がるいい作品でした。
知ってる曲はThe LocomotionとI Feel The Earth Move だけでしたが、場面ごとに出てくる歌の歌詞がしっくりくるし、知らない曲でも平原さんの歌だとしっかり聞き取ることができて、最初から最後まで本当に楽しめました。
26日まで。チケット、余ってそうです。私はもう日程的にいけないけれど、たくさんの人が楽しめる作品だろうなあろ思いました。