パレード、5月21日マチネで。5/21のレミゼラブルのプレビュー前に観てきました。
FCで頼んでいなくて、一般販売後、ホリプロオンラインで、余ってた席でF列を選んでみたら、最前列でした。端っこでしたが、さえぎる物もなく、私としてはいい席でどっぷり、世界に浸ってきました。
鑑賞する人も大人の人ばかりで環境もよく、集中してみました。

ぴあ
SPICE
プロの方が書いた記事を貼っておきます。舞台の写真も載っていますし、あらすじも載っています。



入口で配布資料もありますし、プログラムも読みごたえあります。香盤表も載ってますので座席でも追加予習。
私は、あらすじはざっと予習した程度、真犯人は誰?とか(お芝居観てたらこいつとわかりやすいけど、プログラムに載ってる)、話の展開は史実で決まっていることなので、それよりは、その過程の「見せ方」が素晴らしい。(かえってからネットで検索したら、ラスト手前の史実は画像こみでもっとえぐくて)。ミュージカルというよりはストプレのようなお芝居要素が高いのですが、歌は上手い人ばっかりだし。私はこの作品はこういういい方が適切がどうかはわかりませんが、とても好き。
日程が良ければ、もう1回くらい行きたかったのですが、残念ながら、仕事やらほかの用事で週末動けず、大阪の千秋楽で最後。

ネタバレ等含む予定なので間はあけます。






20世紀初頭のアメリカを舞台に、
実際にあった冤罪を題材にした愛と感動の人間ドラマ。という宣伝文句。

とにかく、
石丸さんと堀内さんの夫婦愛に泣きました。
ただ、レオの石丸さんは、冤罪事件に巻き込まれる頃から巻き込まれるまで、真面目で実直かもしれないけれど、気難し気で夫にするにはいやだな~という感じの夫、堀内さん演じるルシールはおっとりしてておおらかな雰囲気の妻。私ならあんな妻がほしいわ~という堀内さんのかわいらしさ。石丸さんのレオもぴったりな役だったと思います。真面目な雰囲気に合いすぎ。
二人、最初のうちはどこが夫婦愛?って感じなのですが、事件をきっかけに、夫婦が結束を固めていき、おっとりしてる妻が、ただ一人、夫のために立ち上がる、その姿にレオも変わっていく姿。お芝居も上手だし、「This Is Not Over Yet」、「All the Wasted Time」、二人が歌うのも浸って聞けます。特に「All the Wasted Time」、NHKごごなまで聞いたときは、こういう歌なのね~うまいなあだったのが、お芝居入ると、涙がジワジワ。膝枕される石丸レオが素敵で。また日曜日に、って去っていく頃には、もう止まらない。この二人、素晴らしいコンビネーション、こちらを観るだけでもありがたいのに、周囲の歌が素晴らしいのです。

どっから書いていいかわかりませんというくらい、皆さん上手です。印象に残った人をかきます。

まず、オープニング「The Old Red Hills of Home」。舞台に大きな木がずっとあるのですが、最初背景も赤いだけのシンプルなセットの中、登場する小野田さんの歌、最初から、引き込まれること。片足のない戦士安崎さんも加わり一気に世界に引き込まれる。
「The Dream of Atlanta」パレードの場面になると、色とりどりの紙吹雪が大量に落ちてきて、ずっと片づけられることないので、舞台の上はずっとモフモフ。どんな場面でもくらい場面でもずっとカラフルな床。

裁判の場面、未来さん演じるお母さんの芝居、歌に泣かされる。裁判は、殺されたメアリーがどんな子だったかが、友人やお母さんから語られたり、工場に勤めていた3人娘が、レオにどんな目にあったか、でっち上げのセクハラされた証言をするのですが、その3人娘の証言に合わせて、レオの石丸さんがでっち上げに合わせたセクハラおじさんの歌を3人娘と歌い、演じます。歌はうまいけれど、セクハラが似合わないこと…ま、でも本当にやりそうな人がやったら見てられないんだろうな~その3人娘の歌も上手い。
民衆をうまく誘導したりする検事の石川さんが、これまた、憎たらしいくらい、歌が上手い。説得力ありすぎ。
嘘の証言する坂元さん。こちらは、2幕の拘置所での歌。なんとも憎たらしい!、上手いだけに、腹立たしいです。舞台上から姿が消えてもずっと聞こえる♪イェ〜ェェ〜♪が!
小野田さんはオープニングの兵士の強さのある姿も素晴らしいですが、メアリーにじゃれつく軽めの少年の役がかわいらしく、でもメアリーを殺されて憎しみを増大させていく姿が自然で、上手かったです。
賄賂受け取る看守の宮川さんの演技力、歌も未来さんと2幕初めでは黒人2人に扮してユダヤ人への不満を歌っているのも上手でした。お芝居も歌も高値安定の人ばかりです。
香盤表がなくても、顔認識できる人ばかりになってきました。

最後、またパレードの日が来て、たたずむ一人の堀内さん。凛としてて美しい。清潔感があって、素敵な女優さんだなあと思いました。

怖いなあって思ったこと。
冤罪に至るまでの過程は、民衆の心がいろんな人の思惑が絡み合って、こういうことが起こり得るということが、「怖い」って感じるより、もう「当たり前」「起こり得る」と自分が受け入れてしまっていたこと。

今だったらどうでしょう、ネットがあるから、恐ろしい速度で拡散していって、もし途中で、情報が違った、ということがあっても、すでにその情報で「社会的制裁」「社会的抹殺」になるだろうな…瞬殺のような気がする。

この作品の時代はとりあえず落とし前つけるために犯人候補のうちの一人を仕立てあげることになり、レオに関して新聞記者がゴシップ記事書いて、活動家も暗躍して、権力を持つものもみんなが犯人だと思うように民意を誘導していった。愛のある妻が立ち上がって、勇気ある知事が動いてくれて、それを覆そうとしたけれど、その人も陥れられ、その無罪になることが気に入らない人たちにレオが私刑にあってしまった。神が選んだ結末、というようなことでレオは受け入れて、イエスキリストのように亡くなってしまったなあ、と劇中、感じました(ここはミュージカル、お芝居的だなあと。(現実の写真より怖さがなかったとあとから自分が思ったのも怖い。)

そんな感じで、感想をかく、という行為もこうやって気安く書ける時代だからこそ、と思いすぎて感想が遅れたのですが、結局、いつも通り、だらだら書きました。


ミュージカル『パレード』
■作:アルフレッド・ウーリー
■作詞・作曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン
■共同構想およびブロードウェイ版演出:ハロルド・プリンス
■演出:森新太郎
キャスト:
石丸幹二:レオ・フランク(鉛筆工場の工場長、北部出身のユダヤ人)
堀内敬子:ルシール・フランク(フランクの妻、南部出身のユダヤ人) 
武田真治:ブリット・クレイグ(新聞記者)
新納慎也:トム・ワトソン(記者)
安崎求:ニュート・リー(鉛筆工場の夜間警備員、黒人)ほか
未来優希:ミセス・フェイガン(メアリーの母)ほか 
小野田龍之介:フランキー(メアリーの親友)ほか
坂元健児:ジム・コンリー(鉛筆工場の清掃人、黒人)
藤木孝:ローン判事(担当刑事) 
石川禅:ヒュー・ドーシー(アトランタ州検事)
岡本健一:スレイトン知事(アトランタ州知事) 
宮川浩:ルーサー・ロッサー(弁護士)ほか
秋園美緒:サリー・スレイトン(知事の妻)
飯野めぐみ:ミニー・マックナイト(フランク家のメイド、黒人)ほか  
莉奈:メアリー・フェイガン(殺された鉛筆工場の女工)
 
石井雅登、杉山有大、当銀大輔、中山昇、水野貴以、横岡沙季、吉田萌美
 


とにかく、見ごたえのある作品でした。何とか日程ならないもんかと思うけれども瞬間移動でもできない限り無理で。

石丸さんの出演作としては、おどける演技などのおふざけなしなので、本当にぴったりあっている役で、観に行けてよかったなあって思いました。ご興味のある方は私の分まで見てきていただきたいです、感想も教えてください。