正直なところ、私は韓流のものに今一つハマれずにいました。社会現象だった某どらま、「冬の○○○」に続くさまざまなドラマ。「天国の○○」とか。周囲は大盛り上がりで。あの辺りのものは恋愛系、が多かったし、恋愛、純愛、全く良さがわからないので、何というか、分かりやすぎる展開のもの(目が・・記憶が・・・、アメリカにいく…)、ちょっとドロドロした昼メロ系っぽくって、どうも良い印象がなかった。
そういうのじゃないドラマもあるよ、他のものも勧められたのですが、食わず嫌いで、観ていなくて。
でもちょっとミュージカル観て変わってきました。
韓国のミュージカルは、シャーロックホームズ、ブラックメリーポピンズくらいしか観ていませんが、もともと、ミステリー好きだし、凄惨な事件系の怖さは平気。
楽曲も難しげなメロディーラインで聴かせるし、そもそもミュージカルって突飛な展開のものが多いわけですから、そこは何ともありません。
で、今回のフランケンシュタイン。
1月のループ作品の一つはノートルダムの鐘、ですが、
もうひとつは「フランケンシュタイン」、あと2回、観る予定。
初日に拝見して、初日だし、と控えめに書いたものですが、もう数日たったしいいかなってことで、書きます。
あらすじは触れていますので、気にならない方だけどうぞ。
念のため、画像で間をあけてみる。

アッキーの博士役、ひたすらに、まっすぐに、愛する人を「生きかえらせたい」と願っている。やってる内容は、やはりマッドサイエンティストなんだと、やはり生命の倫理、神の領域を侵していると思うのですけれど、ただ、才能がとびぬけているために、(そしてミュージカルだから)、それが出来てしまう。
犬を生き返らせて、周囲の人に冷たい目でみられ、街を出ていくシーンは
1幕、子役の男の子がヴィクター少年を、
全く同じシーンを2幕ではアッキー本人が演じていますが、ひざまずいて少年を演ずるアッキーが、もう「子供」にしか見えません。そして、濱田さんの姉として歌う歌が、慈愛に満ちすぎていて泣けてしまう。
冷たい世間の目に対しても、執事の鈴木さんも姉の濱田さんも
「私たちはあなたの味方」
と温かく見守っている。
孤立しがちな、繊細な主人公に肩入れしてしまう、私は、完全に、ここ、涙ポイント。
だから、アッキーに肩入れするもので、1幕、加藤アンリが、さらに良き理解者として、寄り添ってくれて、おまけに罪までかぶって、断頭台で、神々しい微笑みを浮かべて逝く姿も泣いてしまいます。
絶対生き返らせる、と、なりふり構わず、ヴィクターは、アンリの再生をするのだけれど、生まれ変わったモンスターはヴィクターにとって、味方である大切なルンゲを噛み殺し、けだものの姿で去っていく、という1幕。
1幕でかなり満足していたところに、2幕。
3年経って、町の人に恐れられて、疎まれていたはずのビクターは、なぜか、町の人と馴染んでいます。ここは、ミュージカルらしい展開で、執事を亡くして、同情され、ジュリアパパがだいぶん、頑張ったのかな…と都合よく考えてみる。
そこへ、怪物となった加藤アンリが現れて、復讐をすると告げる。
言葉を失って、記憶も失ったはずのアンリが、言葉を取戻し、ビクターとの記憶、そして彼への復讐心を持つようになった、この3年の間に何があったのか?ということが、語られていきます。
3年前、モンスターとなったアンリは闘技場で、人間の愚かで、残酷な面をさまざまみてきたようです。
その3年間の出来事を語る、劇中劇の「闘技場」での皆さんの二役目が、2幕とすさまじい落差で、そこが、役者の腕の見せ所なんだろうな…、と思います。
そしてアッキー、カッキー/加藤アンリ、小西アンリのキャストで違うのでしょうねとか、思うと観たい。
孤独で繊細な心を持ったヴィクター役だったアッキー→女主人、エヴァの尻にしかれている闘技場の主人、ジャック(かわいい)。
常に姉を見守る心優しい姉、エレンだった濱田さん→闘技場を切り盛りする、女主人(ド迫力)
坊ちゃんを見守る天然な執事、鈴木さん→闘技場にいる召使い(一言もしゃべらない)
ビクターを思い続ける淑女なジュリア、音月さん→闘技場の下女カトリーヌ(かなり気の毒な女性)
軍服着て、ビクターへ温かな友情を寄せていたアンリ、加藤君→言葉をなくしたモンスター(ほぼ江頭2:50、アダモちゃんみたいな恰好、横向くと、内臓入ってるのかというくらい薄いお腹周りで美しい)
ふり幅具合で行くと、濱田さんがすごい、と私は思いました。全然、ミュージカルを観たことない人がみたら、同一人物って気づかないレベルではないかと、思いました。
闘技場は、人間同士を格闘させて、殺しあったりする場所。
モンスターとなったアンリは、森の中に迷い込み、腹がすいてどうしようもなかったので、森の中の動物、熊なども倒して、摂取していました。これは本能だから仕方ないとしても、闘技場は無駄に殺し合いをする場所、人間のくだらなさの象徴です。
熊を倒してるすごいモンスターがいる、と闘技場につれてこられて、闘技場での戦士として、格闘に参加させられるアンリ・モンスター。
おそらく、もともとは性根のいいアンリだから、モンスターになってても、どこか、優しいところが残るのか、最後の一撃を加えなかったりしてたのかな…
周りの人間の言葉を聞きながら、言葉は覚えて、思い出して行ったのかな、子供が言葉を覚えるみたいに。
心寄せてくれる、下女、カトリーヌとの心の交流で、人間らしい感情を取り戻していったのかな…
カトリーヌがいう、「北極に行きたい、人間がいないところに。私は人間が一番怖い」という台詞は私も、時々人間が一番怖いそう思います。たしかに、人いないけど。北極、うんぬんは、どうかな?とは最後まで引っかかるけど、アンリが言ってるラストでも?これがドラマでいう「アメリカ」だなって。
ただ、ここでの怪物の「くま、おいしい」の言い方くりかえしが超絶に、可愛いです。
だから、北極、出してきたんだな、と思うことにします。
そんなカトリーヌも闘技場での生活が、本当に、「最低」でそこから抜け出すために、取引をして、怪物のことを利用してしまいます。
このときに、カトリーヌからお水をもらって受け取るときの怪物の顔も超、可愛いです。
すこし、温かな気持ちをとりもどしていたのに、信用してた人間から裏切られ、闘技場での尊厳のない扱いに、怒りを爆発させ、こんな目に遭わせた想像主(ビクターの実験ノートで経過を知る)への復讐心を募らせて、ビクターの前に再度現れた、怪物。
その復讐というのが、ビクターの大切な人を奪っていき、ビクターを「孤独」にするという、復讐。
優しい姉さんも、婚約者の命も奪って、ビクターを孤独にしたアンリ。
優しい姉さんエレンの殺されるところなんか、集団心理で、恐ろしい方向に行く、怖い世の中象徴してる、と。
その後、湖のほとりで、道に迷って泣いている男の子との会話。首に手を掛けて殺すの?と思ったら、さすがに殺さないよね、日本では。
子どもは、「お兄ちゃんは、誰かに作り出されたの?その首の傷。」と聞くのですが
「お前もそのうち、大人になれば、私を恐れるようになる」というようなことを答える怪物。
子どもは純粋だからね、大人になるとだんだん、そういうフラットな目でみれなくなるよね…
なかなか、心理的に怖い、ゾクゾクするテーマたくさん、でした。
婚約者ジュリアが寝室で刺されているそばで、兵士に変装して、帽子を取る怪物、
湖のほとりで、泣いてる子どもに語り掛ける怪物。
「トート?」って思う場面もありつつ。
アンリ・怪物が、2幕とも心理的にしんどい役だろうなあと、加藤君見て思いました。
ビクター・ジャックは2幕がガス抜きになりそうだなあ、と可愛いアッキーみて思いました。
1回みただけなので、解釈はいろいろ、違うかもしれないし、間違いもたくさんあると思いますが、私見を交えて書いてみました。
そういうのじゃないドラマもあるよ、他のものも勧められたのですが、食わず嫌いで、観ていなくて。
でもちょっとミュージカル観て変わってきました。
韓国のミュージカルは、シャーロックホームズ、ブラックメリーポピンズくらいしか観ていませんが、もともと、ミステリー好きだし、凄惨な事件系の怖さは平気。
楽曲も難しげなメロディーラインで聴かせるし、そもそもミュージカルって突飛な展開のものが多いわけですから、そこは何ともありません。
で、今回のフランケンシュタイン。
1月のループ作品の一つはノートルダムの鐘、ですが、
もうひとつは「フランケンシュタイン」、あと2回、観る予定。
初日に拝見して、初日だし、と控えめに書いたものですが、もう数日たったしいいかなってことで、書きます。
あらすじは触れていますので、気にならない方だけどうぞ。
念のため、画像で間をあけてみる。

アッキーの博士役、ひたすらに、まっすぐに、愛する人を「生きかえらせたい」と願っている。やってる内容は、やはりマッドサイエンティストなんだと、やはり生命の倫理、神の領域を侵していると思うのですけれど、ただ、才能がとびぬけているために、(そしてミュージカルだから)、それが出来てしまう。
犬を生き返らせて、周囲の人に冷たい目でみられ、街を出ていくシーンは
1幕、子役の男の子がヴィクター少年を、
全く同じシーンを2幕ではアッキー本人が演じていますが、ひざまずいて少年を演ずるアッキーが、もう「子供」にしか見えません。そして、濱田さんの姉として歌う歌が、慈愛に満ちすぎていて泣けてしまう。
冷たい世間の目に対しても、執事の鈴木さんも姉の濱田さんも
「私たちはあなたの味方」
と温かく見守っている。
孤立しがちな、繊細な主人公に肩入れしてしまう、私は、完全に、ここ、涙ポイント。
だから、アッキーに肩入れするもので、1幕、加藤アンリが、さらに良き理解者として、寄り添ってくれて、おまけに罪までかぶって、断頭台で、神々しい微笑みを浮かべて逝く姿も泣いてしまいます。
絶対生き返らせる、と、なりふり構わず、ヴィクターは、アンリの再生をするのだけれど、生まれ変わったモンスターはヴィクターにとって、味方である大切なルンゲを噛み殺し、けだものの姿で去っていく、という1幕。
1幕でかなり満足していたところに、2幕。
3年経って、町の人に恐れられて、疎まれていたはずのビクターは、なぜか、町の人と馴染んでいます。ここは、ミュージカルらしい展開で、執事を亡くして、同情され、ジュリアパパがだいぶん、頑張ったのかな…と都合よく考えてみる。
そこへ、怪物となった加藤アンリが現れて、復讐をすると告げる。
言葉を失って、記憶も失ったはずのアンリが、言葉を取戻し、ビクターとの記憶、そして彼への復讐心を持つようになった、この3年の間に何があったのか?ということが、語られていきます。
3年前、モンスターとなったアンリは闘技場で、人間の愚かで、残酷な面をさまざまみてきたようです。
その3年間の出来事を語る、劇中劇の「闘技場」での皆さんの二役目が、2幕とすさまじい落差で、そこが、役者の腕の見せ所なんだろうな…、と思います。
そしてアッキー、カッキー/加藤アンリ、小西アンリのキャストで違うのでしょうねとか、思うと観たい。
孤独で繊細な心を持ったヴィクター役だったアッキー→女主人、エヴァの尻にしかれている闘技場の主人、ジャック(かわいい)。
常に姉を見守る心優しい姉、エレンだった濱田さん→闘技場を切り盛りする、女主人(ド迫力)
坊ちゃんを見守る天然な執事、鈴木さん→闘技場にいる召使い(一言もしゃべらない)
ビクターを思い続ける淑女なジュリア、音月さん→闘技場の下女カトリーヌ(かなり気の毒な女性)
軍服着て、ビクターへ温かな友情を寄せていたアンリ、加藤君→言葉をなくしたモンスター(ほぼ江頭2:50、アダモちゃんみたいな恰好、横向くと、内臓入ってるのかというくらい薄いお腹周りで美しい)
ふり幅具合で行くと、濱田さんがすごい、と私は思いました。全然、ミュージカルを観たことない人がみたら、同一人物って気づかないレベルではないかと、思いました。
闘技場は、人間同士を格闘させて、殺しあったりする場所。
モンスターとなったアンリは、森の中に迷い込み、腹がすいてどうしようもなかったので、森の中の動物、熊なども倒して、摂取していました。これは本能だから仕方ないとしても、闘技場は無駄に殺し合いをする場所、人間のくだらなさの象徴です。
熊を倒してるすごいモンスターがいる、と闘技場につれてこられて、闘技場での戦士として、格闘に参加させられるアンリ・モンスター。
おそらく、もともとは性根のいいアンリだから、モンスターになってても、どこか、優しいところが残るのか、最後の一撃を加えなかったりしてたのかな…
周りの人間の言葉を聞きながら、言葉は覚えて、思い出して行ったのかな、子供が言葉を覚えるみたいに。
心寄せてくれる、下女、カトリーヌとの心の交流で、人間らしい感情を取り戻していったのかな…
カトリーヌがいう、「北極に行きたい、人間がいないところに。私は人間が一番怖い」という台詞は私も、時々人間が一番怖いそう思います。たしかに、人いないけど。北極、うんぬんは、どうかな?とは最後まで引っかかるけど、アンリが言ってるラストでも?これがドラマでいう「アメリカ」だなって。
ただ、ここでの怪物の「くま、おいしい」の言い方くりかえしが超絶に、可愛いです。
だから、北極、出してきたんだな、と思うことにします。
そんなカトリーヌも闘技場での生活が、本当に、「最低」でそこから抜け出すために、取引をして、怪物のことを利用してしまいます。
このときに、カトリーヌからお水をもらって受け取るときの怪物の顔も超、可愛いです。
すこし、温かな気持ちをとりもどしていたのに、信用してた人間から裏切られ、闘技場での尊厳のない扱いに、怒りを爆発させ、こんな目に遭わせた想像主(ビクターの実験ノートで経過を知る)への復讐心を募らせて、ビクターの前に再度現れた、怪物。
その復讐というのが、ビクターの大切な人を奪っていき、ビクターを「孤独」にするという、復讐。
優しい姉さんも、婚約者の命も奪って、ビクターを孤独にしたアンリ。
優しい姉さんエレンの殺されるところなんか、集団心理で、恐ろしい方向に行く、怖い世の中象徴してる、と。
その後、湖のほとりで、道に迷って泣いている男の子との会話。首に手を掛けて殺すの?と思ったら、さすがに殺さないよね、日本では。
子どもは、「お兄ちゃんは、誰かに作り出されたの?その首の傷。」と聞くのですが
「お前もそのうち、大人になれば、私を恐れるようになる」というようなことを答える怪物。
子どもは純粋だからね、大人になるとだんだん、そういうフラットな目でみれなくなるよね…
なかなか、心理的に怖い、ゾクゾクするテーマたくさん、でした。
婚約者ジュリアが寝室で刺されているそばで、兵士に変装して、帽子を取る怪物、
湖のほとりで、泣いてる子どもに語り掛ける怪物。
「トート?」って思う場面もありつつ。
アンリ・怪物が、2幕とも心理的にしんどい役だろうなあと、加藤君見て思いました。
ビクター・ジャックは2幕がガス抜きになりそうだなあ、と可愛いアッキーみて思いました。
1回みただけなので、解釈はいろいろ、違うかもしれないし、間違いもたくさんあると思いますが、私見を交えて書いてみました。