今日は、世の中、帰省ラッシュ始まりのなか、名古屋に行ってきました。
『オペラ座の怪人』
13年ぶりです。始まりから、胸が熱くなってしまって、私、大好きだったな…という、ちょっとうるっとしていまいました。

私は、帰省するところはないのと、今年は日程都合上、温泉旅行にしたので、いつもよりはるかに体を休めています。
なので、ますます、長文、頻度高い更新だと思いますので読み流してください。


作品に関しては「初恋の人に自分が大人になって会う」感覚ってこういう感じでしょうね。
「さらにその相手が相変わらず素敵」で「自分自身も幸福感がある」という前提での再会がしあわせなんですが、まさにそんな感じ。


小さい不満は、墓場の場面の火の玉がしょぼすぎることです。ラウルに向かって打つからあまり火力強くは出来ないかもだけど…アラジンのド派手な火花観すぎたせいか…








オペラ座の怪人 佐野正幸
クリスティーヌ・ダーエ 久保佳那子
ラウル・シャニュイ子爵 鈴木涼太
カルロッタ・ジュディチェルリ 河村 彩
メグ・ジリー 中里美喜
マダム・ジリー 佐和由梨
ムッシュー・アンドレ 増田守人
ムッシュー・フィルマン 平良交一
ウバルド・ピアンジ 永井崇多宏
ムッシュレイエ 林 和男
ムッシュルフェーブル 青山裕次
ブケー 佐藤圭一
【男性アンサンブル】
伊藤潤一郎 飯泉佳一 佐々木 純
新井 克 山口泰伸
ツェザリモゼレフスキー 見付祐一

【女性アンサンブル】
本井亜弥 大中ゆかり 時枝里好
杉山由衣 松ヶ下晴美 小川晃世
簱本千都 松岡ゆめ 羽田沙織
石野寛子 黒柳安奈 榊山玲子

佐野正幸ファントム
Music of the nightを聴いたとき、正直なところ、「そんなに…かも」と思い、この一年、散々、この歌をコンサートやCD、DVDで聴きすぎていて、自分の中の好みが固定されたせいなのかなと思っていました。
でも、2幕観て思い出しましたが、私は、昔から
Point of No Returnが大好きなのでした。黒いマントをすっぽりかぶり、顔を隠して、手だけ出てるような状態で、歌い上げるのですが、その時のファントムの所作。劇中とはいえ、愛しのクリスティーヌに接近されて、身もだえして喜んでいる感じなんか、最高。そして、地下の隠れ家での最後の対決シーンのところまで、佐野ファントム、演技が素晴らしかった。ラウルとクリスティーヌがボート漕ぎつつ、歌が遠くから聞こえて、帰っていくときの切なさといったら…13年経っても泣きました。

久保クリスティーヌ
最初、出てきたときに見た目に関しては「これは、ファントムが見た目で選ぶとしたら、相当…」と思いましたが、「夢見がちで」「歌の才能がある」という役柄にはぴったりな歌声だったように思います。

鈴木涼太ラウル
オークションのところの老人姿は舞台が暗すぎたので良く見えませんでしたが、
ボックス席でクリスティーヌをオペラグラスで見つめる姿に「んっ?この人!」私はずっと見ていました。すっごく好み。髭は似合わないけど。
多分、ラウルの実年齢ほどお若くはないんだろうけれど(35-40歳とみた)、記念DVDでみた海外のラウルさんほど策略家にはみえないけれど、ただの金持ちのぼっちゃんではなく、ファントムと対抗する力はありそう。いいなと思ったのは、地下室の命乞いのシーンで、情けなさがなかったこと。
そのため、地下室での対決シーンへのファントム・ラウルへの私情の偏りがありませんでした。いつもラウルがあぽっぽすぎて、いつも、ファントムに肩入れしすぎて。
ただ、観劇してると、劇中の皆さんの年齢は変わらず、自分だけが年を取るから、好きな人が変わるのか…(若い男性が好きなのか)と、思ったりもする。でも、万里生くん振り返りで思ったけど、ラブネバであんな風になっていくのかと思うと、ラウルが余計あわれになったというのもある。


カルロッタはもう少し、おばさまのひとが演じるイメージでしたがずいぶん若くみえました。でも、歌は上手。毎回、あのカエルの声、みんな上手だなあと思います。

マダムジリーはもう少し、落ち着いた声の人がいいかなあ、と思いました。メグジリーと大差ないような。

アンドレとフィルマン。アンドレは気のよさそうな人で、フィルマンは強気そうですが、フィルマンの平良さん、見た目も素敵。
このおじさん二人組は歌が多いため、上手さが良くわかりました。

今回みたら、ドンファンの勝利の練習シーンなんかあったんだ~と思いました。あそこで、ピアンジが音をはずしがちらしいのも結構ツボ。

伊藤さんはパッサリーノだけわかりました。毎回、CDで「娘まんまと騙されて~」あの場面の人、ピアンジェだけじゃなく、相手も上手いと思っていましたが、やはり上手い人を配役するんですね。

そんな感じでアンサンブルさんまで観てると、本当に、何回みても目がたりないし、好みのファントムやラウルを追及すると、四季の沼にはまるんでしょうね…自制しようと思いましたが、やはり好き。


これはパリに行ったとき、オペラ座の売店で買ったテディベア。
足のところを押すと、オルゴールになっていたのですが、今日気づいて一緒に写真撮ったら、音が鳴らない事に気づきました。色々、変わらないものもあります。






観劇を立て続けにし始めて、観たいところがこの場面のこの人の表情、とか、観たいポイントが変わってくる。
自分がいくら好きでそばにいたくても、相手にとってそばにいるべき人が、自分じゃないとわかったときには身を引いて、遠くから幸せを祈る、そういう愛の形もあるよね、ということを私が13年の間にわかるようになったから、余計ファントムの選択にグッとくるものがありました(別に人の夫に恋をしたというような、いけない恋をしたとかいうわけではありません、念のため)。

こうやって変わっていくものはありますが、良い風にかわるならそれでもいい。

同じ作品を13年越しにみることで、

13年の間に自分が変化したことも分かる、良い観劇おさめでした。良い作品というものはいつまでも変わらずいいもんだなあと思いました。

名古屋は東京行くよりは全然楽勝でしたが、オペラ座の怪人、もう少し近くでやってくれないかな…