彼女は、私の知らないところで数年間、不妊に苦しんでいた。
子どもを作る気がなかった私は、
彼女から「子どものこと聞かないでいてくれたから…」と以前に感謝されたが、敢えて聞かなかったのではない。
本当にどうでも良いと思っていたから聞かなかったのだ。
友人の苦しみに気付けなかった自分が恥ずかしかった。
そんな彼女に子どもが出来て、少し育児が落ち着いたので、久しぶりに会ったら、かなりの努力で子どもを授かったことを教えてくれた。
そして、私のその時の状況を伝えたところ「病院によって全然方針が違うし、病院変えたら?」
「よかったら、妊活してる時に読んでた本貸すよ」
と、彼女が言った。
そして、お言葉に甘えて、妊活の雑誌2冊と東尾理子さんの妊活エッセイ1冊を借りた。
それによって、私はやっと妊活が何か、どういう順番で何をすれば良いか、ということを、学んだ。
人工授精と体外受精の違いもこの時初めて知った。
その上で、ちゃんと不妊治療を専門にしている病院へ行くことにした。
彼女のおかげで、前向きに無駄な時間(何ヶ月もかかって自分で排卵日を予想するなど)を使わず、1つずつステップアップしようと思うようになった。