
おもちゃ修理情報のまとめ・備忘録にNoteを使っています。
修理記録や電子工作メモをNoteに写真付きで整理しています。
今回の記事は下記note記事からの転載です。
【おもちゃ病院】バトル型戦車ラジコン MILITARY TANK IRC 2台の修理
今回は近隣のおもちゃ病院で預かったメーカ不明のバトル型戦車
「MILITARY TANK IRC 」2台を修理しました。機構系はベテランドクターが修理を行い、電装系は私が修理を行う共同作業で修理しました。
概略:バトル型戦車 2台を修理
モータの補修、モータドライバの故障修理、大砲のLEDランプドライバ修理
等を行いました。
① 持ち込まれた状態
-
年式、メーカー:不明(クレーンゲームの景品との所有者談)
1台目:27MHzラジコンは動作
2台目:40MHzラジコンは動作 -
症状:1台目 車輪の片側が動かない。反対側は前進/後進ともOK
2台目:片側の車輪が回りっぱなしで、反対側も動かない -
正常な仕様:左側と右側の車輪が独立して前後し、キャタピラが動作
砲塔も時計回り/反時計回りに動作し、発射ボタンで大砲の先端が
光り、相手に当たると砲塔後ろのLEDが一つずつ点灯する。
全部点灯したら、その戦車は負けて動かなくなる。
ここに持ち込む前にベテランおもちゃドクターによる解析は終了しています。モータがロックしていたのが、壊れた理由の一つですが、それは修理してもらっています。トランジスタも見て貰ってますが、SMDトランジスタが外れない!そうです。
② 原因
1台目(緑色の機体)
分解してメイン基板を確認:
この基板に、下記の回路が載っています。
・左右車輪のHドライバ(前進/後進制御)
・砲塔の回転制御のHドライバ(時計回り、半時計まわり)
・砲塔の大砲発射制御(IR LEDと赤LEDの点灯制御
・27/40MHzのラジコン受信回路(超再生)
右下の緑色が制御用のCPUが乗ったサブ基板で、ここから
各ドライバへの制御信号が出ている。
基板の構成
基板の上です。Hドライバ用のTO-92トランジスタが、SS8050 NPNが2個、2個で計4個、SS8550 PNPも2個、2個で4個のってます。
基板裏は表面実装(SMD)部品です。
上半分
下半分
各制御信号の確認
下から順に、左の前進、左の後進、右の前進、右の後進、砲塔の時計回り、反時計回り、大砲の発射の制御信号となる。
下の写真は右の後進の信号のハンダが外れていたので、細い電線を使って、追い半田でジャンパーしたところです。(線はあとで切ります)
つぎにモータ制御用のHドライバの確認です。
パターンを追って、回路図をトレースしました。
教科書に載っているHブリッジ回路と同じでした。
上2つがSS8550(足つきPNP)、下2つがSS8050(足つきNPN)
そのさらに左と右のトランジスタが表面実装のL6トランジスタです。
SS8550/SS8050をドライブするL6というSOT23のSMDトランジスタが怪しいです。
AIで調べると2SC1623と言う汎用のトランジスタです。
仕様:耐圧 (V_{CEO}=50 {V}\)、最大コレクタ電流 (IC=100 {mA})、直流電流増幅率 (hFE}=200~400\)
手持ちの2SC2712で交換します。マーキングはLYになります。
末尾がGでなくて、Yなので、hFEが120-240と若干低い以外はほぼ同じです。 有名な汎用トランジスタ、2SC1815の表面実装版になります。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g102638/
表面実装のL6を外す
この手の表面実装部品は、ボンドで部品をつけてディップでハンダ付けしていますので、取り外すのはかなり大変です。
自分ははんだごてを2本持って、ハンダを盛って3本の足を同時に熱し、
頃合いを見計らって、一本のコテでトランジスタに少し力を入れて剥がします。
うまくやらないとパターンをはがしてしまうので、注意が必要です。
2SC2715に交換
うまく外せれば、代わりの部品を取り付けるだけです。
自分はL6のベースのパターンを1本切ってしまいました。
極細のジュンフロン線の中の線を使って、ジャンパーして補修するしかないですね
外したトランジスタをトランジスタチェッカでテストします。
このL6は動作していたようです。
故障しているトランジスタは抵抗になったりします。
トランジスタチェッカでは正常でも、動作しないことがあるので注意が必要です。
(チップ中の線の半断線?)
2台目(黄色の機体)
2台目の黄色い戦車も同じように修理しました。基板の位置が違いますね。
下の写真は、右のシールの上のL6を外してます。
あやしいトランジスタは全部交換しました。
大砲発射LEDの修理
この固体は、大砲先端の赤LEDが点灯しっぱなしでした。
赤外LEDも同様です。
オシロで調べると、サブ基板からのベースに入る信号は正常です。
コレクタが常時”L"になっていて、点灯します。
駆動するトランジスタY1が壊れているようです。
黄色の線と、青い線の右側のトランジスタです。
Y1はSS8550のSMD型トランジスタですね。
よく使うので、在庫を持っています。
この2つを交換して、ようやくミッションコンプリ―トです!
ラジコンの送信機でボタンを押すと、すべての機能が動作するようになりました。箱にいれて返しましょう。
長い期間の修理、大変お疲れさまでした。
最終の組み立てと動作確認は、依頼されたベテランおもちゃドクターにお任せしましょう!
④ 結果
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完全復活
⑤ メモ(次回の自分へ)
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モータロックで、ディスクリートの足つきトランジスタでなく、ドライバのトランジスタが壊れているので驚きました。220Ωで電流制限されているのに不思議です。モータからサージのスパイクが出たのかも?
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トランジスタチェッカでOKでも、動作しないトランジスタがありました。足つきのSS8550の1つは念のため交換しました。
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自宅にオシロがあると、信号の変化をみれるので便利です。
2万円くらいで買えるので、本格的に修理をするなら、持っておいて損はありません。(私は3台持ってますw)
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直って、依頼者さんがずいぶん喜んでくれたようです。チップまでいただきました。よかったです。
※ 個人情報や危険な改造内容は記載しません
※ 写真は必要最小限とします
このラジコン、1998年製でこちらのブログに情報がありました。
https://tycocollectors.com/models/1997-tyco-slammer/
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