大人女子のための可愛く恋愛リベンジ🩷川'上美佐です。
みんなから、ミサリンとかミサリン先生と呼ばれています。
今日は父の命日。もう他界して32年も経つのに、心の中の悲しみは色褪せることがない。
私が子どもの頃、クリスマスといえば心踊る季節だった。
けれど、あの年のクリスマスは違っていた。
父があやめられたのだ。
あまりにも突然で、家族も親戚も心の準備ができないままお葬式を迎えることになった。
お葬式はクリスマスイフ。
まさかこんな日が来るなんて、私には現実として受け止められなかった。
親戚や近所の人たちが悲しみに暮れる中、宅配で届いたのは、予約していたクリスマスケーキだった。
「ケーキが届いたよ。」
母の声が少し震えていたのを覚えている。
場違いにも見えたケーキの箱を開けると、中には真っ白なクリームと赤いイチゴが整然と並び、まるで「お祝いしよう」とでも言わんばかりだった。
その光景に、胸が締め付けられるような思いがした。
香典を包む余裕すらない人もいた。
父の死がどれほど急だったのかを物語っている。
準備のない別れは、遺された者たちの心に混乱と深い悲しみを刻む。
それから32年も経ち、父の思い出は日々の忙しさに埋もれがちになる。
それでも、命日が来るたび、クリスマスケーキと共に過ごしたあの日の記憶がよみがえる。
父がいた日々の温かさ、そしていなくなった後の空白。
それらは私の中で静かに共存している。
32年経った今も、私は父を恋しく思い続けている。
今日はたくさん泣いた。
そんな日があってもいいよね。


