こんにちは。
プロ・ランニングコーチ、そしてランニングシューズフィッターの安藤大です。



今回は「ランニングシューズは洗ってはいい?洗ってはいけない?」という話題に切り込んでみます。
 

ランニングシューズを洗うと寿命が縮む?

一部は正解です。長時間の浸水や漂白剤の使用は、シューズの接着剤や形を傷めてしまいます。メーカー各社も「洗濯機は非推奨」と明記しています。コインランドリーの靴専用洗濯機なんてもってのほか!

 

 

 

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まさかコインランドリーの靴専用洗濯機にかけていませんよね?お米を洗剤で研ぐ、それと同じぐらいの誤りに思っています。

 

 

ただし―― 手洗い・短時間・中性洗剤 であればダメージは最小限に抑えられます。

 

 

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ランニングシューズは絶対に洗うな、っていう人がいますが本当?

 


「絶対に洗うな!」という表現は極端です。なぜそんな言い切りがされるのかといえば、SNSでアクセスを稼ぐために断定的な言い方をしているケースも少なくありません。
 

ランニングシューズは熱に弱い?

これは正しいです。シューズのアウトソール素材に使われているEVA、TPU(熱可逆性ポリウレタン)系フォームは高温で劣化しやすく、乾燥機や真夏の車内放置はNG。実際に、PU系フォームが高温で性能低下することを示す研究もあります。

 

EVAやTPUは天日干ししてはいけない?

はい、避けた方が無難です。EVAは紫外線や熱に弱く、TPUも加水分解に注意が必要。日陰で自然乾燥が鉄則です。

 

大事なレース用シューズ、高価なカーボンプレート搭載シューズ(PEBA)は洗ってはいけない?

これは誤解です。PEBA自体の吸水率は約0.7〜1%と低く、水に弱いわけではありません。ただし熱には弱いので、乾燥機や真夏の直射日光は厳禁。やさしく手洗い→日陰干しなら問題ありません。

 

Adizero Adios Pro 4はEBA由来のZoomXとは異なるTPEE(Thermoplastic Polyester Elastomer:熱可塑性ポリエステルエラストマー)、メーカー各社PRのために独自性の素材をうたうことがあってややこしい。

 

正しいシューズケアの手順(科学的知見+メーカー推奨レベル)

1. 土や泥は乾く前に優しくブラッシング
2 . アッパー・アウトソールは中性洗剤+ぬるま湯で手洗い
3. インソールとシューレースは外して別洗い
4. 新聞紙を詰めて形を保持しつつ、風通しの良い日陰で自然乾燥(扇風機◎)

ランナーとしてNG行為:洗濯機・長時間の浸け置き・漂白剤/強溶剤・高温乾燥・直射日光





素材ごとの注意点(まとめ)

EVA:UV・熱に弱い → 陰干し必須
TPU(特にポリエステル系):加水分解注意 → 短時間洗い+陰干し
PEBA(ナイキのZoomX等):水は問題なし → 高温厳禁、手洗い+陰干し

 

しかし、最近のランニングシューズは単一素材ではなくブレンドや複合構造が主流 なので「これはEVA」「これはPEBA」と単純に区切るのは難しくなっています。
 

まとめ

「絶対に洗うな!」は言い過ぎです。正解は “手洗い+陰干し(低温)”。洗濯機・高温・直射日光・強い薬剤さえ避けるようにしていれば、シューズの清潔さと長い寿命は両立できます。



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洗わないっていう人は、夏の汗だくのシューズを室内に放置するのは臭いが気になりませんか?



自分のシューズにどんな素材が使われているのかを知り、その特性に合ったケアをすれば、長く快適に走り続けられます。

 

次回は反響次第では「シューズを長持ちさせる収納・保管方法」について解説予定です。


補足

ぼくはロード用ランニングシューズは夏はよく洗いますが、それ以外はよっぽど汚れていなければ洗いませんが、トレイルランニングシューズは頻繁に手洗いします。

 

なぜなら登山靴やトレイルランニングシューズの裏には土や泥、植物の種子、胞子、場合によっては小さな菌類などが付着します。たとえば、北海道の山に行って→関西の山に入ると、その地域には存在しなかった植物や外来種を「無自覚に運んでしまう」ことにつながるからです。

 

ニュージーランドやオーストラリアなどでは「靴は必ず洗浄をし消毒してから入山」という規則が国立公園では義務付けられている場所があります。

 

トレイルランナーは県外や海外の山から戻ったら必ずシューズは洗うのが理想です。