こう書くと「すべてのランナーに調査が行われていないじゃないか」と話す人がいますが、これだけ多くの人数にアンケートを取ることができるのはアールビーズぐらいで、1万人超は調査対象人数としては大規模で一定の信ぴょう性はあると思います。
アンケートに答えようという人は日ごろインターネットで情報はチェックをしているアクティブな人、そのアクティブな人の約4割が「リアル大会に参加をしなかった」と答えたのですから、アクティブでない人、全体ではもっと少なかったと予想します。
約4割のランナーが、「リアル大会に参加しなかった」という事実は主催者は危惧すべき事態です。大会に参加をしないことが日常になり、習慣になっているのかもしれません。
そもそもインターネットで練習会や大会を探そうという人が以前と比べて少ないというのが今の日本の現実で問題と思います。探していないのですから、どんな広告を出しても効果は薄い。
2018年はおよそ9割の人が「1年のあいだに何らかの大会に参加をした」と答えていました。
ランナーが大会に参加をしなくなった原因に「参加料が高いから」と話す人がいますが、それだけが本当の理由でしょうか?それも確かに一因にはありますが、物事の原因は一つではないことが多い。
練習ができていないから 48%
コロナ感染が気になるから 46%
中止の可能性があるから 43%
中止の場合、返金されないから 28%
参加料が高いから 17%
家族・仲間が走らなくなったから 7%
現在「コロナ感染が気になるから」「中止の可能性があるから」を理由に大会参加を控える人は少なくなったと想像できますから、それら不安が解消されても調査対象者の4割の人が「リアル大会に参加しなかった」、ランナーが大会に参加をしなくない一番の原因は「練習ができていないから(自信がないから)」、体力や意欲の低下が大きいかもしれないと考えています。
しかし、自信がないからといって大会に参加をせず目標もなしに一人でランニングを続けられるような人はよっぽど走ることが好きな人か、鉄の意志を持った人だけです。
マラソン大会の参加料を半額にしたからといってランナーが元のレベルに戻るとは思えず(現在参加をしているランナーが喜び、一人あたりの大会参加回数が増えるだけ)と考えています。
コロナの蔓延により体力は衰え、練習意欲や目標タイムをもつ意欲も以前と比べて落ち、それが「大会に参加しようという気分にならない」につながっているのですから、それを解決しないことには大会の参加者数の増加は見込めないと考えています。
主催者は、
「いま大会に参加をしていない4割の人がどうしたら大会に再参加するようになるのか」
「ランナーの体力や意欲をどうしたら高めることができるか」
それを考えることが今後のランニングイベントやマラソン大会参加者数回復につながると思います。
具体的な方策として全国の各地域で練習会や講習会などトレーニングの場の増加、目標タイムを達成したランナーにインセンティブの提供などがあります。
今年1月21日に行われた香港マラソンでは、「ランナーの健康増進」と「ランナーの意欲を高める」ことを目的に、男性で3時間以内、女性で3時間30分以内を達成した人(香港永住権保持者)には10,000香港ドル(約19万円)の賞金を与えることが発表され、447人が賞金をゲットし大きな話題となりました。
どのマラソン大会でも実施できることではありませんが、ニュースやSNSで注目されますし、広告効果面でもすばらしい施策と思います。
【参考記事】香港マラソンで市民ランナー447人が10,000香港ドル(約19万円)獲得! 男性サブスリー、女性3時間半切りで「特別賞金」
大会によって年代別表彰カテゴリーがなければ新設を設けたり表彰枠を広げたり、抽選会を設けたり、ランナーの参加意欲を高めるためにいろいろとできることはあると思います。
僕ができることは練習会やパーソナルに力を入れ、いまランニングをしている人に継続してもらうこと、意欲を高めることの草の根活動です。そこに新しくランニングを始めた人も巻き込んでいく。練習会もようやく理想とするいい雰囲気ができつつあります。
ランナーの体力向上および参加意欲を高めるためにはどうすればいいかを考えることが、今後の日本のマラソン、トレイルランニングの盛り上がりを左右する気がします。
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