こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
2023年9月17日(日)に行われた『第16回よさの大江山登山マラソン大会』に初参加をしてきました!
レースレポートをお届けします。
1990年、旧加悦町時代に第1回大会が開催され、途中災害やコロナ等で中止もあるものの、旧町時代から数えると31回目(与謝野町になってからは今年で16回目)を迎える歴史のある大会。
30年前は日本国内で「トレイルランニング」という名前もまだ広く普及しておらず、「山岳マラソン」と呼ばれていた時代です。
京都の北部ではマラソン大会は少ないとあってか毎年人気となっており、2023年も全カテゴリーで929人のランナーの申し込みがあったそうです。一般的なトレイルレースは定員200人から多くとも500人ですから大人気大会とわかります。
コースは、大江山の大自然を舞台に総距離23.5km、標高差800kmの山岳コースを駆け抜ける「大江山縦走コース」、ちりめん街道を走る10kmコース、家族や子どもが楽しめる3.5kmの3コース。
昨年に参加をしたランナーの何人かに「どんな絶景、コースでしたか?」と尋ねたところ、「それがまったく記憶にありません。」と言います。
「(そんなにも記憶に残らない絶景、コースなのか)」と思って望みましたが、フィニッシュ後の疲労感と達成感からなのか、参加ランナーは得てして記憶喪失みたくなるのだなと思いました。
だからこうして僕がいま一つ一つレースを自分で走りチェックをし、指導させていただいているランナーにアドバイスを有り難がられるわけです。
トレイルのレースでタイトルに「トレイルラン」とはついていない大会は、だいたいロードのアスファルト比率が高めです。大江山登山マラソンもスタートして約7kmは舗装道、13kmを過ぎてからはほとんどが舗装道と全体の6割はロードです。
「トレイルラン」というよりも「登山マラソン」の方がしっくりとくるコースです。
JR福知山駅から有料のマラソンバスが出ていて、住まいによっては電車で日帰りも可能。駅から会場までは約27km離れており、バスに乗っても約40分とかかる不便な場所です。
スタート会場の大江山運動公園に到着。学校の校庭みたいで、気分は大人の運動会。
参加賞はおみくじで決まり、京丹後産の新米こしひかりをもらいました。優勝者にはこのお米が沢山もらえるとあって、毎年お米をもらいに優勝を狙うランナーもいるとか。ほかにはスポーツドリンク引換券、キッチンカーブースで100円割引券。
「スズメバチに注意!黒い服装は避けて」とアナウンスがありましたが、主催者側が配布をした大会記念Tシャツはなぜか黒で矛盾があり、これを着て参加をしているランナーが多かった。
コース後半の林道の下りでハチが発生をし、何人か刺される出来事があったようでした。私の知人ランナーが腹部を刺されていました。
10kmの部には、2012年にロンドンオリンピックに出場をした木﨑良子(きざきりょうこ)さんが出場。
23.5kmの部には、合言葉は「ん~、やってみよう!」で知られる人気イケメンランナーの三津家貴也(みつかたかや)さんが出場。
フィニッシュ後にはサイン会も行われており、大会を盛り上げていました。
今回も事前にレースプランを3つ立てました。
好調 2時間35分(大雨が降るなどして涼しかった場合)
予測タイム 2時間45分
不調 3時間00分(熱中症になったり後半のロードを歩いたりしてしまった場合)
結果は…
2時間47分03秒
(40歳以上~49歳以下男子年代別21位)
出走者数409人、総合順位は未発表のため不明
(公式ホームページ)距離23.5km、D+800m
(手元のGPS)約23.0km、D+1,052m
山頂で絶景を眺めたり自衛官と一緒に写真を撮ったりしていたタイムロスが2、3分あることを加味すると、予測タイムとほとんど誤差0分でフィニッシュできました。
事前の調べで、「大江山登山マラソンはラストの4kmが一番キツい」この最後のロードを歩いたりへばったりしてしまうとゴールタイムは大きく遅くなることがわかっていたので、最後を走り切れるように前半を抑えたことがよかった。
マラソンもトレイルランニングも自分の体力を推し量り、予測タイムどおりにフィニッシュすることに面白さを感じています。
自分の予測タイムよりも遅すぎたり速すぎたりした時点で、準備の甘さ、事前にレース計画は破綻していたと言えます。よって、レースでは予測タイムを算出するのにかなりの時間をかけます。
大会ホームページには「標高差800mいっきに駆け上がれ!」とありますが、これはふもとから山頂までの標高差であって、実際には3つの山を上り下りをするので累積標高差では1,000m以上あってもっとハードです。
制限時間は4時間。
厳しめですがフルマラソン5時間の人も時間内完走できていたので、完走を決めるのはやっぱり走る力よりも「登り坂力」、歩く力と思いました。あとは心折れない気合いと根性。
スタートの前にはツアーメンバーのIさん、Nさんと出会いました。
僕の目の前には、三津家貴也さん。きらきらしていて「アイドルってこういう人のことを言うんだなあ」と感心して見てました。
ゲストランナーとは言え個人なので、写真を撮ってブログに投稿するのもどうかと思い、残念ながら写真はなし。僕と三津家さんが並んだツーショット写真を撮れば絵的に面白かったのにと思いました。
ほぼ日本人しか参加者がいないのに多国籍の国旗が掲げられていたのも運動会風。
大会で義務付けられた必携品はなく、30℃を超える中水分ももたず手ぶらで走るランナーも多くいてびっくりしました。
僕はポールの使用不可と書かれていなかったので、ぎりぎりまで悩んだ末に使用することにしました。ポールを有効活用するにも一定のトレーニングが必要であってスキルです。
スポーツは定められた競技ルールの中で争われるもの。「手ぶらで走る」のも「ポールを利用する」のもそれは各々の人の考えであって、「ポールを使わない」という選択をしたのもその人の判断です。
会場をざっと見渡した限り、参加ランナーでポールを利用したのはおそらく僕だけだったと思います。
結果として、正解でした!
前半は上り坂一辺倒のコースでポールが大活躍、下りも崖のような石がごろごろとした岩場で、意外にも大活躍になりました。足元は厚底のカーボンシューズだったのでポールなしには上手く下りられなかっただろうと思いました。
(序盤)
スタートして2kmは平坦な舗装道。「平坦」とみんな言いますがゆるやか~に登っており、完全な平坦ではありません。
みんなロードが速い!先頭はキロ3分、第二集団でもキロ4分?キロ5分を切るペースで走っていましたが、それでも次々と追い抜かれていくばかりで、この時点で60番手ぐらいの順位。
僕は水1Lにジェル250g、さらにポールと手ぶらや軽装の人と比べて荷物があるので、同じような感じで走らないよう気をつけました。
スタートして道路上にある温度表示板を見るとすでに「只今の気温33℃」と表示されており、運動中の気温は39℃にもなりました
「厳重警戒アラート」レベルの高い気温の中、大会のスタート時刻は10時と遅く、真夏日の開催にするのであれば8時スタート、遅くとも9時に工夫すべきに思いました。
それはわかって参加を決めたのは各給水所でかぶり水が用意されていることがわかっていたから。
当初のレースプランでは12.5kmを過ぎて下りに転じれば下りで追い抜かれることはほぼほぼないので、「実質このレースは12.5kmまでの勝負」と考えていましたが、みんな想像以上にロードランニングが速いので、コース後半の舗装道路で追い抜かれる可能性が高いと考えて、最初の上り坂も無理せず歩きを入れてペース配分を変更しました。
(序盤~5km)
気温は30℃以上でしたが山の中は風があって涼しくまだマシで、神風や給水所でのかぶり水やシャワーサービスがなかったら暑さでグロッキーで途中リタイアしていたかもしれません。
ご苦労様です!福知山駐屯地陸上自衛隊の皆さま。
「写真撮りましょうか?」と写真撮影にも快く応じて下さいました。ランナーが熱中症だったり負傷したりした場合には陸上自衛隊が担架で活動するらしく救護体制は安心。陸上自衛隊がコース上にいるトレイルレースって日本全国ほかの大会で聞かないと思います。
せっかく山頂に登ったのにすぐに下りてしまうのはもったいないので、1分1秒を争うショートレースではしたが、しばし絶景を眺め空気を満喫しました。
(中盤)
鍋塚に到着。1時間40分。ここからゴールまでは下り基調で1時間程度だとわかっていたので、「2時間40分から45分ぐらいではフィニッシュできるだろう」とわかって安心感がありました。
下りは岩がごろごろとある思いのほかテクニカルなトレイルで面白く、トレイルランの経験やジャンプ動作ができなければスムーズに下れないようなトレイルで、ランナーの中には崖みたいに感じられた人も多くいたようでした。
正直、大会に参加をしてこのコースを覚えていないなんて考えられないです。
3万円もする厚底カーボンシューズがすり減るともったいないので、またねん挫が怖いので慎重に下りました(笑)この日は全体的に下りをゆっくりと走りすぎた気がします。
トレイルラン大会ではなく登山マラソン大会だからなのか、下りになるとほとんど多くの選手が恐る恐る歩いておりごぼう抜きできました。
(後半)
下山後の舗装道の下り坂は「転げ落ちるぐらいに急」と聞いていましたが、そこまでの斜度ではなく、よくあるドライブウェイの下り坂でスピードに乗って走れる気持ちのよい下りでした。
コース上に「古墳のそばを走る」とあったのですが、どこが古墳だったのか走っていてさっぱりわかりませんでした。「ここが古墳ですよ」というもっとわかりやすい案内表示があってもよかった。
最後のロードはお昼を過ぎた気温が一番高い時間帯で35℃近かったと思います。
よさの大江山登山マラソンのここがおすすめ!
□住まいによって大阪から日帰りできる
□福知山駅から有料マラソン大会バスもあって電車でも参加できる(新大阪からだと特急こうのとりで一本)
□参加料が安い。23.5kmの部で5,000円、親子・キッズの部は1,000円
□大江山、鍋塚から見渡す風景は大感動の絶景!
□コース上に自衛官のいる独特な大会の雰囲気
□沿道の応援がマラソン大会みたいに熱い!
□給水所は8か所と豊富にあって手ぶらで参加のランナーも
□かぶり水もある
□参加賞には新米がもらえる
ここは改善してほしい!
□開催時期は見直しが必要だよ。これだけ年々気温が高い中、9月中旬開催は選手の安全面でどうか
□真夏日の開催なのにスタート時刻が10時と遅いよ(子どもはより遅い10時20分スタート)
□年代別順位だけで総合の順位がわからないよ。
レース中は「(なんでこんなに苦しいことをしているのだろう)」と思うけれども、それでもトレイルランニングは楽しい!
Never Stop Running.
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