こんにちは。

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

 

 

2022年9月4日(日)に日本を代表する国際山岳リゾート、白馬八方尾根スキー場で開催された「第一回白馬国際クラシック」ロングの部50kmに参加してきました!

 

今年11レース目で7本目のトレイルの大会。年内は13レース(トレイル9本、ロードレース5本)で終了の予定です。

 

レースレポートをお届けします。

 

●白馬国際トレイルランがリニューアル!
白馬国際トレイルランは2011年から続く人気大会でしたが人材の確保難を主な理由に10年の節目を持って終了、2022年より運営主体を変更し、名前も「白馬国際クラシック」とし装い新たに開催。
 
運営主体は「マウント湯沢アウトスタンディング」や「野沢温泉」などサロモンがスポンサーの数多くのレースを運営する、S-Mountain。

 

●白馬国際クラシックは日本有数のマンモス大会!
50kmが1,000名、50kmペアが100組200名、28kmペアが50組100名、12kmソロが300名、12kmペアが50組100名、5kmファミリーキッズ・ソロが100人、5kmファミリーキッズ・ファミリーが100人…

 

 

合計募集人数1,900人!

 

 

実際は定員いっぱいの募集は行っていなかったようで50kmが約650名、28kmが約550名、50kmは早くに締め切りとなりキャンセル待ちが出て参加できた人もいたらしい。

 

 

それでもすごい参加者の数!

 

 

そんなに人気のマンモス大会だと知りませんでした。参加人数はあまり気にしていなかったが、ぜいぜい4、500人と思っていました。

 

●前日受付を終了、当日受付もできる!
前日受付を無事終了。前日はあいにくのひどい雨。標高約700m、雨でも半袖に短パンの薄着で大丈夫で僕は暑いと感じました。
 
17時の受付終了間際に行ったからか、会場は人は少なくスムーズでした。ロングの部はスタートが早いため前日受付のみとする大会が多いですが、6:00〜6:30の当日受付にも対応しているのがいい。
 
 
会場の近くでエリートランナー長田豪史さん(高尾山を50往復、200km達成した人)と出会えました。「いつもTwitter見ています!安藤さんは僕がトレイルランニングを始める前から講習会を開催されていて…」互いにTwitterをフォローしていて僕も長田さんの活躍も見ていたのですが、事前イメージどおりの好青年で、トレイルランニング講習会がいつも満員人気なのも納得できました。

 

白馬国際クラシックでは参加にあたって遭難救助サービス「ココヘリ」への新規加入、またはエントリーの際にレンタルが義務付けされています。

 

出展ブースで「CHUMS(チャムス)×白馬」のオリジナルTシャツをGET!レース後は泥だらけや電車の時刻も気になって見る余裕がありませんでした。やっぱり出店ブースは前日受付のときにゆっくりと見ておくことをおすすめ。

 

サロモンが主催の大会は景品がいい!記念Tシャツがない代わりにサロモンの「テニスボールサイズに小さくなるショッピングバッグ」と「シューズボックス」、「オリジナルてぬぐい」の3点セット。

 

あとで知ったことですが、バッグは赤色もあったのに赤色をもらわなかったことを悔やみます。

 

レース当日。早朝6時は街や山は濃霧に包まれ、「(今日は絶景が見えるかな)」と心配。

 

7時に近づくと快晴になり心配は杞憂に終わり、「(これは暑くなりそうだな)」と。

 

●ランニング後は温泉ですぐ汗を流せる!
スタート地点に温泉「八方の湯」があり、フィニッシュ後はすぐ汗を流せるのが嬉しい。

 

スタート10分前。さすが人気のマンモス大会、この人数が伝わるでしょうか。
 
これだけ人気があるのも短い距離から長い距離まで、子どもから初心者、エリートまで幅広く楽しめるコースがあるからと思います。
 
主催者が変わればコースや大会の雰囲気も変わりこれまでとは異なるだろうと考えますが、例年どおりの申し込みがあったわけですから、僕には大会申し込みには主催者が誰かはほとんど影響がないように見え(たとえば神戸マラソンで主催者が替わったとしても誰も気にしないと思っています)、「白馬」のブランドイメージの高さが大きいと思いました。
 
過去に行われた大会評判のイメージのまま期待をし参加した人も多くいたと考えます。

 

スタートは自己申告によるウェーブスタート制。
 
スタートしてすぐ、高校生ブラスバンドによる演奏があってテンションが上がりました。ありがとう!
 
【今日の目標】
スタートして7時間後の14時にフィニッシュをし温泉入浴し、15時16分の電車に乗ること。
 
肌寒いほど涼しければ6時間30分、遅くとも7時間は無理のない目標と考えていました。久しぶりの50kmを確実に完走したいと思っていましたし、無理をしてその日のうちに大阪へ戻ることができなくなれば困ります。
 
長野の山々は一つ一つが高くて壮大なスケール、関西にはない景色。

 

絶景!眼前には3000m級の北アルプス後立山連峰白馬三山の大パノラマ!!晴天のおかげで山々も綺麗に見えました。この写真一枚だけで来年参加したいと思う人もいるかも。大会名に「白馬」ついていますが白馬岳には登らず、「遠くに白馬の名峰を眺めながら走るレース」です。

 

絶景!登りのほとんどはスキー場の急斜面。

 

【この日のためのトレーニング】

この大会では全区間でトレッキングポールの使用が許可されていました。ところがレースではポールを使用する人は少なかった。

 

この大会に向けてはテレビを見ながらトレッキングポールで使用するであろう筋力を鍛えただけでした。それが完走に役立ちました。

 

ポールの一番の役割は「左右の身体バランスを保つこと」、使い方のテクニックうんぬんよりもバランスを保つことだけを考えていればいい。バランスの崩れが減れば疲労も少なくなります。

 

急斜面で滑ることも少なく、特に前日の雨でぬかるんだ急斜面では抜群の効果を発揮しました。

 

振り返れば絶景!暑そうだと伝わるでしょう。

 

レースペース

八方第二駐車場 7:00 スタート

A1 白馬岩岳(6.5km)予定8:00 実際7:55(-5分)

A2 おかるの穴(13.5km)予定9:06 実際8:59(-7分)

A3 大出(23.5km)予定10:20 実際10:29(+9分)

 

A1〜A3まではほとんど予定どおりのペース。このペースでも標準登山コースタイムの55%ペースだったのに、僕の前には少なくとも80人、90人以上のランナーがいました。

 

 

みんな速い!

 

 

「まわりが速すぎるのだ」とこの日は心拍数だけを見て中盤まではイージーペースで走りました。

 

 

前半から中盤までのコース印象は「走りやすいコースでトレイルの技術を必要とするところも少なく、はじめての50kmとしてみんなにおすすめできる大会だな」と気楽に考えていました。ポールで階段や登りも楽々で特に前日の雨で滑りやすい下りではポールが大活躍、「このまま疲労感少なくフィニッシュできるのでは。」と意気揚々でした。

 

エイドでRed Bullドリンクが出てくる!

スポンサーはレッドブルとあって、エイド6ヶ所のうち2ヶ所でエナジードリンク缶が飲めました。エイドにはバナナ、塩きゅうり、紙カップに入ったうどんが用意されていました。

 

僕はエイドの給食は必要十分と思いましたが、大会後の評価には「エイドの内容は事前に公開すべき」「不十分」など厳しい評価が目立ちました。

 

美しいブナ林のトレイル。30kmからようやくテクニックを必要とするような下りも出てきて楽しくなってきました。

 

下りは前日の雨でぬかるん滑りまくりだが、天気は快晴で蒸し暑いという最悪のコンディション。

 

下りは滑り台で、派手に尻もちついて転んで泥だらけになって一番に思うことは「(身綺麗にしないとホテルの人に怒られるな…)」という心配。

 

森の中は蚊やアブの虫はほとんど見かけませんでしたが、エイドに着くと「ハチに首筋を刺された」という男性もいたのでハチはいたらしい。

 

23.5km地点で「次の給水所まで10kmです」の手書きの案内。コースマップによると次の給水所は36km地点で12.5kmはあるはずだが…やはり10km以上あって、第3-第4のこの区間で水切れを起こしたランナーが多くいたようでした。

 

「第3から第4までの間が長すぎる!第3エイドの表示に次のエイドまで10キロと書いてあったため、「90分くらいでは着くだろうな」と思い出発したが、行けども行けどもエイドはなく水切れになり走れなくなりました」というコメントも。

 

雨予報はどこへ行った?予想最高気温よりぐんぐん上昇し、昼過ぎには体感気温30℃に。昼から雨予報で主催者から低体温症の注意アドバイスもあって服装を悩みましたが、当日は低体温症よりも熱中症のリスクの方が高くなりました。

 

太陽が照っている場所ではまったく走れない。というか、走る気が起きない。トレイルに入ると走れる、となるとやっぱり暑さの影響だとわかります。

 

白馬国際クラシックのコースはほとんどの人はトレイルは歩きかゆっくり、繋ぎのロードや林道を走ると思いますが、僕は逆でトレイルに入ると快調に走って、ロードや林道はほとんど歩き。

 

A3白馬グリーンスポーツの森(36km)10:29
 

36km地点で「次の給水所まで9kmです」の手書きの案内。次の給水所は42km地点で6kmのはずだが…大会コースマップと現地での情報が異なることが多い。

 

このA3からA4のだらだらと続く河川敷とロードを歩き倒したため大きくタイムロスし、フィニッシュが7時間30分、帰りの電車時刻に間に合うか怪しくなってきました。

 

「白馬ジャンプ競技場」前も走ります。過去のコースではここがはじめの登りだったらそうですが、新コースでは後半で大会のハイライトとして正解と思いました。

 

CP ジャンプ競技場(42km地点)12:37(スタートして5時間37分で通過)
全体の距離の8割を過ぎてからペースアップをする。50kmの8割は40km、ここからは本気を尽くします。42Kmからフィニッシュまでの間にかなりの数のランナーを追い抜きました。
 
閑静な別荘地を通り抜ける道でスズメバチがブンブンと複数飛んでおり、「近くに巣がある」と思い身をかがめそそくさと走り抜けましたが、その後刺された人がいなかったか気になりました。

 

白馬国際クラシック ロングの部の落とし穴とは?
この大会の一番の落とし穴は、ロングの部の制限時間は10時間ですが、42km地点の関門を7時間で通過しなければなりません。
 
つまり、42Km地点まで1km10分ペース。最終ランナーのフィニッシュタイムが9時間2分、みんなその前に足切りに合い、10時間制限いっぱいで完走した人はいませんでした。
 
現在の関門時刻が変わらなければ、普段のレースで全体の50%順位ぐらいの体力のある人でないと、ロングの完走は難しいと感じました。

 

ラストは標高1,200mからのいっき下り!このころになると「絶景!」に感動するよりは「街までずいぶんとあるなあ」というため息が打ち勝ちます。

 

●結果は?
「第1回白馬国際クラシック ロングの部」
(公称)距離約50km、累積標高2,779m+
(手元時計)距離約50km、累積標高2,200m+

タイムは7時間40分02秒。

 

エントリーは650人、出走者549名中98位で全体の上位約18%。完走者は男女で261人と半分以下… 完走率は47.5%の低さでした。

 


7時間を目標にしていましたが、中盤以降は暑さからでそれよりも大きく遅い凡走となりましたが、今回は上位20%以内を狙ったわけではありませんが、それでもぎりぎり達成はでき通算成績にカウントできました。

 

下りはゆっくりで苦手な人でも林道や舗装道路をしっかりと走れる人であれば完走はできるし、記録も出るコースと思いました。

 

【総評】白馬国際クラシック50kmロングの部

・ロングの部には549人が出走し完走者は261人
・全体の完走率は約47.5%と低かった
・女子の完走率は約28%
・制限時間10時間に対し最終ランナーでフィニッシュタイムは9時間2分
・来年も現在と関門時刻が同じであれば、普段のレースで全体の50%順位ぐらいの体力のある人でないと完走は難しい
・DNFするとリザルトに名前は載らないよ
・全体的に走りやすいトレイル(林道や舗装道、河川敷パートも多い)
・はじめて参加をする人やほとんどの人にはミドルの部の参加がおすすめで、ミドルの部も十分ハードで楽しめるよ。(距離は短いが、山登りの合計ではあまり差がない)
・コースマップ、距離や累積標高も定まらい中で募集がスタートしていたと思うのでその点は改善点と思いました。

僕は昔の大会に参加をしていないのでわかりませんが、現在の大会についての評価は、総じて大会運営は素晴らしく不満はありませんでした。
 
コース目印もしっかりとしており、川のあるエイドもあってアイシングできたほか川で冷やしたコーラやスポーツドリンクも提供され(この2つがなければ完走できなかったかもしれない!)、「この社会情勢の中でこれだけ多くの学生や子どもたちボランティアが集まってくれたな」と感謝の方が大きかった。
 
ロングの部は普段の大会で真ん中より順位が上の人しか完走できないかもしれないとあれば、それだけの体力を持つ人を募集人数の1,000人集めたいのであれば難しいと感じました。(500人でも難しいと感じました)

 

フィニッシュ後はきんきんに冷えたビールが飲みたい!Hakuba Brewing Companyのクラフトビール「白馬ビール」。味はバドワイザーみたく軽くて飲みやすい。白馬村の氷河の水を使っているそう。

 

帰りに松本市で人気のチョコレート専門店「GAKU」でチョコレートサンドを購入。長野県ではこの一店舗だけで松本駅直結のMIDORI2階にあります。

 

練習生の常楽寺さんから「食べものは人によって好き嫌いがあるのであまりお薦めしませんが、ここのチョコレートは絶品です」とタイミングよくメッセージがあってお土産に購入。本当に美味しかった!

 

帰りは松本駅での1時間の乗り継ぎ待ちを含め6時間30分以上かけて帰宅、自宅に着いたのはほとんど夜11時。久しぶりの50km完走に移動とぐったり疲れました。
 
長野県の白馬は素晴らしいところでした!
Never Stop Running.
 
↓↓↓前日の松本市内観光ランニングの様子は↓↓↓

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