こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。


2022年5月15日(日)に滋賀県湖南市で開催された「第2回滋賀湖南市十二坊トレイルラン」に参加してきました!

 

 

コロナ禍の影響で2年連続順延となった大会で、「今年も中止の可能性はある」と考えていたので前日にトレランのイベント運営も入れ、大会に向けて特別な練習はしていませんでした。

 

当面はピークを作らず、365日いつでも戦える状態で今回も基礎体力で勝負です。

レースレポートをお届けさせていただきます。

 

スタート、フィニッシュ会場

スタートとゴールは「十二坊温泉ゆらら」。車で集合・解散でき(電車で日帰りもでき)、ゴール後はそのまま汗を流せるのもポイント高し。



無料入浴券と記念品はタオル。僕はよくラン後にお風呂に行くのでタオルが一番嬉しい。


募集人数についての雑感

参加人数を見て驚きました。順延のため前年、前々年の申し込み者の繰り越しに追加募集もあってか、定員500名が800名にまで増えていました。(2019年の第一回開催は定員200名、参加者は298名)


小規模でこじんまりとした大会だったので参加を考えたのですが…


何を基準にどのぐらいの定員とするかは主催者の判断と思いますが、800名は「多すぎ」と感じました。実際にかなりの渋滞の声がありました。(2022年は505人が集まり出走)

 

十二坊トレイルラン大会のタイムは「運」にも左右される?

1分おきのウェーブスタートとはいえ、追い越しの難しいシングルトラックも多く、後ろのランナーほど渋滞が予想できました。


しかし、渋滞により前半のオーバーペースを防げ、後半は疲労によりへろへろの人も多いと思うのであまり問題に思われていないかもしれません。

 

僕は第一ウェーブスタートでしたが、マラソン2時間30分の人やトレイルで速い人が第6ウェーブにいるなど、走力順ではなくランダムのようで、ベストタイムを出そうと思えば「運」の要素もあると思いました。

 

JR甲西駅から無料シャトルバスで会場へ。電車で参加のランナーがスタッフの予想以上に多かったか、乗車定員に達し予定の便に乗れず。


コロナ禍で公共交通機関での移動を控え、車で参加の人が増えるかと思いきや、僕のイベントでも電車で集合の人の割合がコロナ禍前よりも増加の傾向にあります。


バスの乗車人数を把握するような項目はエントリー時にはなかったと思うで、「大丈夫だろうか」と心配していましたが案の定。

 

こういうトラブルは予想できることですから、僕はバスの最終便には乗車しません。臨時便が出て会場には9:10ごろ到着、ほっとひと安心しました。到着してトイレを済ませる時間もなく、すぐスタートはしんどいので避けたい。

 

会場ではたくさんの知り合いランナーさんから声をかけてもらえて嬉しかった。

 

誰にも話していなかったので僕の参加を知る人はほとんどおらず、前日にブログで参加を伝えましたがそれを読んで知っていた人は一人、つまり、みんなほとんどブログを読んでいない(涙)

 

大阪城練習会メンバー。

 

長居練習会の板橋さん。

 

国内屈指の難関レース、今年の『奥三河パワートレイル』を完走した二人。互いに紹介したらレース中の苦労話で意気投合してました。

 

名古屋のツアーメンバー、村尾さんや清水さんとも会えてうれしかった。「車で1時間30分ほどなのでアクセスはいいんです」と愛知県や三重県の方とも多く出会えました。

 

スタートの前には和太鼓の演奏。

 

【レース目標】

目標タイムは、“練習会下り最速の男”の常楽寺さんが第一回大会で記録した2時間46分のベストタイムに設定。


うまくいけば「2時間30分ではゴールできる」と確信していましたが、それと同時に「それ以上速くゴールもできるイメージも湧かない」ことも自分の実力でわかっていました。


この22kmのトレラン大会を2時間20分以内でフィニッシュできるような人はハーフマラソン80分以内のランナーで、舗装道路や林道でのスピードが決定的に違います。


僕にはそこまでのロードランニングスピードはありません。

 

また10連勤の疲労もまだあることから3時間も設定し、「好調」「通常」「悪い」の3パターンを作成。

 

好調 2時間30分

通常 2時間45分

不調 3時間00分

 

事前の旅程

5:30 起床
6:41 電車乗車

8:21 甲西駅南口
8:45-8:55(7:30~受付)バス乗車
9:00 会場到着
10:00 レーススタート!
11:00 十二坊山頂に到着 →実際11:01着
11:40 正福寺 →実際11:40
12:20 十二坊山頂到着 →実際12:20着
12:30~12:45 フィニッシュ
~13:00 温泉入浴
13:00-13:30 ランチを食べながらフィニッシュしてくるランナーにエール
13:30 バス乗車
15:15 帰宅、ケーキを食べながらメールのチェック仕事

 

結果は…

「第2回滋賀湖南市十二坊トレイルラン」

約22km 累積標高977m


結果は、2時間32分02秒。

出走者505人中16位で全体の約3%以内。


3度ほどコース誘導ないため進む方向がわからずほかのランナーときょろきょろ、それが1、2分に響きましたがまったくの予定通りでした。


今回の僕の2時間32分のタイムは、第一回大会だと5位の成績、招待選手の望月将悟さんよりも速いタイムです。皆さんが速すぎました。


第一回大会 招待選手のタイム

望月 将悟 2時間36分20秒

斎藤 綾乃 2時間42分45秒

岩崎 勉 2時間45分10秒(今年は3時間5分22秒)



漫画『魁!!男塾』の名言

「わしが男塾塾長江田島平八である!!」

みたく、

「おれがトレイルランナーズ大阪代表キャプテン、安藤大だ!」

とは言いませんでしたが、そこそこの記録は出せたのかなと思います。


コース試走する派?試走しない派?

十二坊は大会が中止になったことで自分で2度走っているので、どんな地形なのか、どこで上り下りするのか、この上りはどれだけ続くのか?すべて把握しているので予想どおり完走できて当たり前と思います。



僕はかじり程度にボルダリングもしますが、ボルダリングには“オブザベーション”があります。


これは「どう登ろうか」と課題に取り組む前に、壁を見て全体像を把握することを言います。課題を見ずにぶっつけ本番で登ることを“オブザベーションなしで”と言います。



トレイルではコースの試走が“オブザベーション”になります。試走することでコースの全体像を把握できると、距離感やペース配分がわかり、地形がわかることでシューズ選びにまで関わるので断然有利になります。


それぞれは楽しみ方の違いですが、僕は試走せずぶっつけ本番で走ることが好きです。



理由は、地方からの参加で試走できない人に対戦の土俵を“勝手に”合わせている、海外レースではそもそも事前に試走できないことがほとんどで日ごろからぶっつけ本番に慣れている、というのがあります。


また国内のレースに海外のトップ選手が来日しコースも知らないのにさらっと優勝していく、それを見るとカッコいいじゃないですか(笑)
 

フィニッシュ後は無料引換券で十二坊おにぎりをいただきました。朝もだったので、この日はおにぎりばかりでした。


いま酎ハイ9%を飲んだらひっくり返りそうだったので控えましたが、マラソンやトレランレースなどの激しい運動後は肝臓機能に大きなダメージを受けていますので、本来はなるべく酒は控えた方が回復には良い。

 

おにぎりを食べながら、駆け込んでくるランナーにエールを送ります。3時間を過ぎると次々にゴールしてき、みんな速い。(13:30〜13:40ごろまでいました)

毎回「そんな余力がどこにあったの?」と思うスプリントランをする人がいてびっくりします。

僕はゴールが見えても決してダッシュはしません。(目の前にランナーがいたりマラソンで目標タイムに届くかぎりぎりだったりした場合は別です!)

ここからはレース展開の話です。

 

レースがスタート!

一列目中央に練習生の常楽寺さんが陣取っています。やる気充分のようです。


レースがスタートすると、先頭は常楽寺さんに招待選手の岩崎勉選手、もう一人男性の方の3連星ジェットストリームアタック。


すぐ後ろを足音少なく僕が続きます。

 

常楽寺さんは招待選手の岩崎さんとおしゃべりをしながら上り坂をキロ4分ペースで駆け上がっていき、やっぱりこの人は「超人」と思いました。60歳の還暦に近づいているのに。



常楽寺さんとのお付き合いはトレイルランナーズ大阪設立からの10年になり、練習会が生み出した“ハイパーサイボーグ”です。


10年目にして直接対決となります。


僕が練習会やトレランの講習会で「この人には走りは全部教えた!」という人にレースで敗れ、「完敗です」と言う。


それを去り際の美学として夢見ていますが、残念ながらそうなってはいません。僕が歳を取って衰えない限りはそうそう負けることはないでしょう(笑)

 


舗装道の上り坂のあとは長い林道の下りが続きます。この下りを飛ばしすぎるとこの後続く階段やコースの後半が大変になります。


ここで岩崎さんが下がり、常楽寺さんともう一人の男性になり、その後を僕が続きます。常楽寺さんはまったく僕に気づいていない様子。


序盤の見どころ「磨崖仏」
見逃し率★★★★★


十二坊山頂までは温存ぐらいに考えていたのでロードもトレイルもかなりペースを抑えて走りましたが、ここまで誰一人後続のランナーが追い抜いてこず、どうして?と思いました。(後にウェーブスタートは走力順でなかったことを知ります)

 


善水寺手前の坂で歩きに切り替わり先頭二人のペースが落ちたので、お先に失礼しました。


常楽寺さんにはもう少し頑張ってペーサーを努めてもらうつもりでいましたが、ここで早くも先頭に立ってしまいました。


予定どおりの時刻に山頂到着するためには前へ進む必要がありました。


58歳の常楽寺さんはその後2時間44分で完走し、3年前の自己記録を更新。今年はランニングを始めて10年間でのマラソン自己記録も更新。

 

善水寺からは階段地獄。


先頭なので誰かを追い抜くことはなく、追い抜かれるしかありません。先頭はストレスしかありませんが、何人に追い抜かれたのかカウントでき順位は把握しやすいのがメリットです。


舗装道を1km6分のペースを5分で走ったところでたった1分の時間短縮ですが、登りで20分かかるところを17分で登り切れたら3分の短縮です。

トレイルでは登りを頑張った方が総じてフィニッシュタイムは良くなります。

今回の大会で言えば、
①善水寺ーゆららへの階段の登り返し
②大谷ー山頂舗装道への登り
③後半の渡渉から十二坊頂上への急登り

 

この3つの区間が運動時間の多くを占めていることはわかっていました。


つまり、この区間を頑張れば総じてタイムは良くなる、と。逆に言えば、特に後半の登り区間でへばれば総じてタイムは遅くなる、とわかっていました。


後半の登りに向けて脚を温存しながらも3区間の登りだけ頑張りました。それが好結果に繋がったと思います。

約8km地点の十二坊山頂。山頂までせっかく登ったのに展望スポットには立ち寄らずスルー、後半まで絶景を見せないのがこの大会のにくいところです。

 

到着予想時刻 11:00

到着時刻 11:01


定時運行!!時計も見ずに1分誤差の予定どおりで、一人で興奮していました。

 

途中の舗装道やジープ林道が走りやすく楽しい。山頂からフィニッシュまで何人かに追い抜かれた以外はほとんど前後人がいなく寂しかった。


僕はコースを知っていたので不安なく走れましたが、もし試走していなければ誘導員や誘導テープも少なく「この道であっているのか」と不安な区間はあっただろうと思います。


「逃げ切る」というより僕は予定通りのペースで走っているので、もし追い抜く人がいたら僕の計画よりその人が速いだけです。


順位は「9位、ぎりぎり10位ぐらいかな」と予想していましたが、ウェーブスタートのランナーのタイムがわからないので、リザルトを見ると16位でした。

 

この大会はコース途中で湧き水が出ていて、頭から水をぶっかぶれるのが最高。僕は湧き水ポイントを知っていたのでもちろんかぶりましたよ。


正福寺手前の竹林。ここでようやく中盤。

 

正福寺から傾斜10%近い舗装道路の激坂を経て…コースの核心部へ。

 

この大会で一番面白いトレイルです。

 

コースの名勝「飛行機のコックピット」。

見逃し率★★★☆☆


事前に教えたのに見つけられなかった人もいました。

 

この沢沿いをクリアした先からが今大会で一番キツい激登りです。ここからフルパワーで十二坊山頂を目指します。


ですが、だいぶ脚にはきていました^_^;

 

山頂に向けた登り途中にある「ハートの蔓」。

見逃し率★★★★☆


このころには下をうつむきがちで足元しか見ていない人も多いと思うので、わからなかった人も多いかもしれませんがコースの見どころです。

 

絶景!十二坊山頂。


この大会は実質ここまでのレースだと思っていました。なぜなら山頂からゆららまでは約1.8kmの舗装道の下りでフィニッシュ。


舗装道の下り坂で追い抜かれることはありませんので、実質ここでタイム、順位は確定だと考えていました。


9分とかからずに下山できることはわかっていたので、12時20分ごろ到着で12時30分、12時30分ごろ到着で12時40分のフィニッシュになると予想できていました。


ゴールまでは舗装道路を下るだけですが、矢印標識に勘違いをし、再びレースはじめに一度通行した山道に迷い込み、最後の最後でコースロストしたランナーもいたようです。

 

僕の試走レポートを読んで参考に臨まれた方はおおむね上手く完走されたようです。


やっぱりトレランレースは楽しい!

Never Stop Running.

 

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