こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
→夏にもサンタは本当にいる!白夜のフィンランドで100マイルレースを走る3
からの続き記事です。
いよいよフィンランドのトレイルレースの話です。
今回僕が参加をした大会は、「ナッツトレイルランニングレース NUTS Ylläs Pallas 2019(160km, 105km,55km,37km)」。フィンランド北部、北極圏の少し南に位置するロヴァニエミで開催。フィンランド国内唯一の100マイルランニングレース。
これまで二日間夜通しレースを走ったこともあるし、砂漠やサバンナ、北極圏、ロシアの凍りついた湖の上、標高4,000メートルも走ってきた。
24時間昼間の中を走るとき、どんな気分がするのか、自分の身体がどう反応するかはまだわかっていなかった。白夜の中レースを走り続けるのはどんな気分だろう。僕の場合、興奮を感じるためには常に新しい環境に身を置かなけれならないのだ。
ロヴァニエミ空港から高速バスに乗って
ロヴァニエミ空港から日本で事前にインターネット予約をした高速バスに乗って、大会が行われる街「ヘッタ」へと向かいます。フィニッシュ地点はどのランナーも同じ場所ですが、エントリーした距離カテゴリーによってそれぞれスタート地点が違います。シャトルバスの申し込みミス、乗り間違えには注意しなければなりません。「ヘッタ」は冬季はスキーリゾート地として人気で予約した宿もスキー場のロッジになります。
写真では夕方に見えますが、時刻は午後9時過ぎ。午後6時にロヴァニエミ空港発のバスに3時間以上乗り、ヘッタの街にあるロッジに到着。大阪の関西国際空港からヘルシンキ、フィンランド・ロヴァニエミを経て、長い道のりです。今回もここまで誰の力も借りずに全部自分で手配をし、一人で旅して来たことに満足していました。
「レセプション」と書かれた建物の前に立つも扉は固く閉ざされていました。あたりにほかに宿泊者の姿はなく、道路に出ても人影さえありません。
「(チェックインの時間を過ぎてスタッフは寝てしまったのか)」
事前に到着時刻が夜9時を過ぎて遅くなることはホテルにメール連絡済みでしたが焦りました。
「(このまま一晩屋外で過ごすことになるのだろうか?)」と不安になって、「すみませーん!」扉の前で叫んでみましたが返事がありません。
見渡すと広大な敷地の中にはいくつも建物があり、ある建物の扉が開いてました。レセプションとは書かれていない、山小屋みたいな建物が受付でした。中に入ると宿泊客が大勢酒を飲み談笑していました。
リビングに、
それでもレース中のホテル予約は必須
”サウナ”は、フィンランド語
日本との共通点。日本でもなじみのある”サウナ”は、もともとはフィンランド語です。
フィンランドではほとんどのホテルにサウナがある
僕の予約したロッジにも各部屋にありました。サウナはヨーロッパなどほかの国でもありますが、ほとんどが男女共同利用で水着着用、フィンランドでは日本と同じで男女が別々に分かれ裸で入ります。
そうした話を事前に聞いていたので、「フィンランドでは裸と裸の付き合いがある」親近感が沸きました。
フィンランドの定番朝食、ライスパイ。全粒粉の生地に、上にクリームのように見えるのはお粥です。もちもちとした食感で甘さ控えめ、パンとおかゆを同時に食べているような変わった味です。お世辞にも美味しいとは言えません。
野生のヘラジカにビビる
ロッジから11時発のバスで2時間揺られ、スタート地点に到着。100マイルもの超長距離になればスタート地点は車で2、3時間離れていることも多い。街の中心地から遠く離れたところに車で降ろされ、「ここからは自分の足で山を越えて走って帰らなければならないのだ」そう思うと自然と気が引き締まります。
100マイルの部は最も人数が少なく、参加ランナーは100人程度でスタート地点に立っても人はまばらでこじんまりとした雰囲気でした。
100マイルもの過酷な距離に2千人の人が集まる日本の人気が異常なだけで、世間一般的に見ても、世界的に見てもそれほど参加しようという奇特な人は多くないことがほかの国に行くとわかります。
スナフキンが出てきそうなフィンランドの美しい森。レースがスタート。イメージしていたほど速いレース展開ではなかった。先頭集団で1km5分程度のペース。僕には有り難かった。先頭集団を視野に捉えながら第二グループで走ることができていた。
これまでにトレイルのレースでショート、ミドル(50km、50マイル)、100kmのそれぞれで20番順位以内を獲れたので、あとは100マイルだけだった。
100マイルもの長い距離で僕が20番以内でゴールできることは現実的でないと考えていましたが、参加者100人のうち20番以内、すべて上手くいけば可能と思っていました。この日に向けてトレーニングを積んできました。
この大会はサポーターやペーサーもなく全員が同じ条件なので外国からひとり来た僕にはそれも良いと考えていた。ペーサーはアメリカのシステムだ。ヨーロッパほかでは一般的ではない。
大会ルールで定められている場合であれば利用ふるのは自由だが、本来ランニングレースは一人で走りフィニッシュしてこそのスポーツ競技だと考えていた。
時間をかけて山を登り切り、頂上について見渡すと広大なフィンランドの大自然が見え、素晴らしい景色を眺めることができました。
参加人数が100人程度の規模だと2時間も走ると、前後に誰もいなくなり一人になった。コース上にランナーはいるのだろうけれども、これから30時間近くほとんど一人でこの大自然の中を走り続けることになるのか…
あたり一面鉄塔など送電線はおろか、街など人工物のない、大自然が広がっていました。高い山がないので本当に地平線まで広く森を見渡すことができました。このレースで楽しめた瞬間のひとつでした。
スタートした直後はこの先に待ち構える困難を知る由もなかった。
→沈まぬ太陽!白夜のフィンランドで100マイルレースを走る5レース編後編に続く
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