トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
マラソンに向けたロング走は有効?今日は、ロング走があまり広くはおすすめできない3つの理由についてお話しします。
練習では「この練習の目的は何だろうか?」と常に考えることが大切です。
コーチやラン仲間の中には「レースに向けてロング走しよう」という人もいます。ロング走やマラニック(マラソン+ピクニック)のトレーニング有効性について日ごろご質問をいただきますが、ウルトラマラソンやトレイルのロングレースの練習でもない限り、1度に走る時間は120分をおすすめしています。目先の目標レースがマラソンであれば、長くともハーフマラソンぐらいまでですね。
1つ目の理由に、一度に走る距離が長いほどダメージが大きくなるからです。
フォームが悪かったり調子が悪かったりしたときに長距離を練習で走れば、尚のこと大きくなります。
マラソンのタイムが3時間30分で日ごろ月に200km、300kmと走られている方が「ロング走の練習をします!」そのかけ声に誘われてマラソンで5時間、6時間、月に100km、200kmの練習量の方が参加した場合では、同じ時間を走ってもラン後のダメージが違います。(後者の方が大きくなります)
"ランニング神様"ジャック・ダニエルズコーチは、著書「ランニング・フォーミュラ」でこう話しています。
「一度に走る距離は週に走る距離の30%が適切」
ランナーの平均週間走行距離はおよそ30kmから40kmですから、30%を当てはめると9kmから12kmが適切になります。30km走の走ってもよいレベルの人は週に100km以上練習する人、となります。
ぜひ皆さまの距離も試算してみてください。
僕自身も経験上一度に走るのは、トレイルランでは自然と行動時間が伸びてしまうことはありますがマラソンの練習としては多くの人にとって9kmから12kmが無理のない範囲だと思います。
月に400km、500kmと練習をする海外のトップアスリートでさえその練習記録を見ていると1度に10kmから15km、20km以上走る人は稀です。その代わり彼ら彼女らは「週間平均ランニング回数14回」とか1週間は7日間しかありませんが…とツッコミを入れたくなるような朝と夜、朝、昼、夜と高い頻度で練習をしていますね。
2つ目には、本来練習で走っていてきつく感じたりするときや、足に違和感を感じたりするときには時間を短縮することがよいですが、ラン仲間と一緒だと無理をして走ってしまうマイナス面があります。
3つ目にはロング走で重要なのは、よいフォームを保つことです。(ここが一番大事に考えています。)
よいフォームとは、「土台(下半身)の上に上半身が正しく載った状態で、腰高であること」とここでは定義しておきます。
大阪城公園や淀川河川敷でランナーのフォームを年間で多く観察していますが、日ごろの短時間であってもなかなか難しいことのように思います。長時間ともなればそれを保つのが尚のこと難しくなるから、です。フォームが崩れた状態で走り続ければ、悪いフォームが身につくばかりか、ケガを引き起こしかねません。実体験された方もいらっしゃるのではないでしょうか?日ごろの練習でよいフォームで走ることのできる時間を少しづつ伸ばしていくことがレースで目標達成への近道です。
・日ごろのジョギングの目的は全身持久力の養成とランニングの経済性の向上
ロング走の後半で歩いてしまったりフォームが崩れた状態で走ってしまったりするようでは、
ランニングの経済性を向上させる練習にはなりませんし、ビルドダウンして終われば悪いイメージがついてしまいます。
重要なので繰り返しますが、持久力向上や体力向上を目的にロング走をされている方が多いと思いますが、よいフォームなしに走ればむしろ逆効果です。もしロング走をされるのであればよいフォームを保つこと、その練習の目的を今一度意識することが大切です。
いよいよ秋のレースを控えられている方も多いことでしょう。くれぐれも直前に疲労を貯めすぎないよう心がけ、レースで目標達成できるよう心から応援しています。
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