「ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)は、
 このナンバの動きなしには完走できなかった。」


私は2013年UTMF161km出場では、トレッキングポールを一切使用せずに望んだわけですが、その理由のひとつに、100マイルという大舞台で「ナンバの動き」を試してみたかったというのがあります。また実践の中で、よりこの動きを身につけたいというのもありました。

結果は、、100kmも過ぎて足も疲れ、腕押しすることにも疲れ、到底登りをこれまでとな同じペースで歩き続けることができなかった時、自然と「ナンバ歩き」を使用せざるを得ない状況になりました。

◆Amazon内容紹介より
難解な古武術の動きを、様々な分野に応用して取り入れているコーチ陣が、豊富な実例を基に分かりやすく解説。投げる、走る、打つ、殴る、抜く、あたる、とる、ターンする、跳ぶ、立つ、座るなどの基本動作に、捻らず、うねらず、踏ん張らない古武術的なエッセンスを、どのように取り入れればいいのか?実際に古武術の動きを可能にする、練習法やストレッチなども図解で紹介。学校の授業では絶対に教えてくれない、筋肉に負担をかけず、体にやさしい身体技法を、身に付けてみませんか。

◆本著より
「ナンバ走り(歩き)」の基本的な概念とは、同じ側の手足を一緒に出すという動作である。その際、重心を低く保ちながら、滑るように足を運ばなければならない。だが、「左右の手足を同時に出す」というこのナンバ的走法を額面通りに行うと、左右の慣性力に抗しきれず、体が回転して走歩行が困難になってしまうだろう。武術研究家の甲野善紀氏は「ナンバ走り(歩き)」の有効性をこう説明している。「ナンバ走りには体幹の捻じれがなく、走るための全体の流れをスムーズにできるという利点がある。見た目には腕を振っていないが、体の中で振っているという感じですね。一方、左右交互型の走りになると、体の中に捻じれが生じ、それがまた全体の流れの中にブレーキをかけることになる。腕を振ることで、止まる瞬間を作ってしまうわけです。そういう意味で、ナンバ走りは体の動きを止めない走りということになり、スタミナの省エネにも繋がるわけです。」

◆本著より
男子400メートルの世界記録保持者マイケル・ジョンソン。「どうやったら速く走れるのか?」と問われ、こう答えている。「いかに強く蹴るかではなく、次の足をいかに速く出すかだ。」

初動の俊敏性、瞬発性、持続性、正確性などあらゆるスポーツに求められる根幹要素が、ここに結集しているといっても過言ではない。

「ナンバ走り」をアレンジすることによって、走力を飛躍的にアップさせたアスリートが世界には存在する。孫英傑、中国長距離界のエース。シドニー五輪金メダリストの高橋尚子選手。世界陸上パリ大会の二百メートルで銅メダルを獲得した末續慎吾選手。「体の中で腕を振る」という感覚とは、いわば「慣性力を制御する」ための身体操作ともいえるだろう。

ポイントは、1体を捻らない 2骨の位置を把握する 3肋骨を器用に使う

◆感想
イメージとしては、「左右の手足を同時に出す。」んだけれども、究極的にはは「動作しない(心の中で同時に出す)」。僕が尊敬し研究し続けているイタリアの英雄ランナーで、"時を止めた男"63歳のマルコ・オルモ選手の歩きや走り方も、この「ナンバの動き」です。累計標高差9,400mにもなる、ウルトラトレイル・デュ・モンブラン大会。世界トップクラスの選手でさえトレッキングポールを使うこの大会で、マルコ選手はそれを使用しません。マルコ選手はその30年以上にもわたるランニング経験と、雨の日も、風の日も、雪の日も、毎朝5時半に起床して走り続けるその執念にも近い努力によって、自然と身につけた究極の動きでしょう。

トレイルランナーズ大阪の中級・上級レベルツアーで、この「ナンバの歩き」の講習をしたことがありますが、その時の参加者の反応は、「(う~ん..そんな動きで本当に疲れないの?)」「(今までのやり方と違うのでできない。)」その場ですぐ実践された方もいましたが、腑に落ちず実践しなかった人の方が多かったのを非常に残念に覚えています。「ナンバ歩き」が大活躍するのは主にトレイルの上りですが、実は下りでも効果を発揮します。


「なるべく疲れを抑えて走りたいランナー」やこれからフルマラソン以上の距離にチャレンジ予定の「ウルトラマラソンランナー」あるいは「ウルトラトレイルランナー」、また「古武術の動きに興味のある人」には一読をおすすめします。

 

 

 

◆書籍より
かつての日本には、「スリ足」を彷彿とさせるような走りや歩きが存在をしていた。「ナンバ走り(歩き)」がそれである。江戸時代の飛脚は一日200kmも走ったという。交代によって江戸~京都間約500kmをわずか70時間で走破したという記録も残っている。「ナンバ走り(歩き)」の基本的な概念とは、同じ側の手足を一緒に出すという動作である。その際、重心を低く保ちながら、滑るように足を運ばなければならない。

Never Stop Running.

 

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