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自作の小説の公開ブログ

自作の小説の公開してみます。
誤字多いと思います。


 エピローグ

 神戸労災病院へ一人の男が運ばれてくる。
緊急救命室に入る患者を見て何人かの看護師が話し合っている。

“なんで殺人の犯罪者がここへ来たんですか?”

“さあ、死にかけてるからじゃない?”

さっき運ばれてきた患者は今朝の新聞の一面を飾った殺人事件の容疑者である、松下九郎だった。
二十八歳、職業は無職。
ただ個人でお金を貰って人助けをしていたようだ。
そういう彼は依頼でもあったのか大きいヤクザグループの黒霧組のビルに一人で入ってきてそこに居た全員を殺して、彼らのオヤジである黒霧赤人の家に忍び込み殺したと言う。
それに黒霧赤人の愛人の娘も現場に居て、彼から逃げるために窓から飛び降りたと言う噂もある。
警察が倒れたことを見つけた時には後頭部を強く打った痕跡があり、腹には銃弾が残されていた。
そのため病院に運んだこともあるけど、そもそも彼は精神病でこの病院を通っていた。
初めて病院に来たのは三年前。
担当医は彼を解離性同一性障害、つまり二重人格と判断した。
世界剣道選手権大会で何回も優勝していた彼はある日の交通事故から二重人格になった。
元々剣の形や鋭いものを見たら性格が変わる彼だったけどどんどんよくなって今は本物の刀じゃないと変わらなくなったらしい。
そういう彼がなぜ真剣を持っていたかは医者もわからないようだ。

 何日が経って彼が目覚めた。
彼が目覚めてから彼の担当医は何かに気付いた。
彼が自分の刀と話せると感じているってことと何故か相手が言う通りにものを見ていることだった。
医者は精神分裂症と判断し彼の治療を続ける。

 黒烏は今日も病院のベッドで上を向いている。
今日の相談が終わったのか部屋を出ようとした医者が言い忘れたことがあるのかぼんやりとした黒烏に話しかけた。

“前にも言ったはずよ、松下さん。いや、今は十七夜さんでしたっけ。月はいくら明るく光っていても太陽にはなれないんです。月はただ太陽の光を代わりに照らしてるだけだから。だから、あなたもそこを元の人格に戻してくれたらどうですか?”

それを聞いたかどうか、彼はぼんやりと天井を見つめていた。
ただそこにある蛍光灯が眩しかったのか目を閉じるだけだった。


 END