02
久々にゆっくりと朝を済ませた俺は消化のため公園に足を向かった。
たとえ昨日魔術研究の発表会で散々な目にあったが一日くらいは休んでも罰は当たらないだろう。
“と思うのはやっぱ俺がだめなせいなのかな、、”
そんな考えをしながらも足は変わらず家ではなく公園に向かう。
交差点にあったカフェから東の方にある商店街を抜け、住宅街で北に向かい電車が走ってる鉄路の下のくぐり抜けると桜が咲いてる公園が出る。
まあ、2月だから桜は咲いてないけど。
大きさはおよそ高校の運動場2個分くらいで、週末になると子供野球団が練習に使ってる小さい野球のグラウンドがある。
今日も変わらず試合があるみたいだ。
未来の野球選手である子供たちが走ってるのが見える。
“哀れなやつらめ、、これから戦う苦痛を知らずによくも走ってるな。大人になったらどんだけ苦しいのか、、”
ベンチに座りながら誰に向かって言うことでもなく、呟いた。
あんな風に笑いながら走ってるやつらも大人になったら社会に疲れ眠い顔で満員電車に乗るだろう。
非常に哀れだ。
それも台風でも来た明日には満員電車を乗るために何時間も並ぶだろう。
“あ、、哀れだな、、”
“誰が哀れなの?”
幼い声で横を見るといつの間にか小学生に見える子供が座っていた。
服を見ると今走ってる子供たちと同じ野球部員に見える。
“お前は走らないのか?”
“うん、僕は休みだよ?それより誰が哀れなの?”
たぶん順番に休みを取っているらしい。
“誰って。お前らだ。”
“えー、なんで?”
どうやら質問が止まらないやつのようだ。
子供にはこんなやつがいるってことを忘れてた。
普段だったらここでなにも言わずに立ち去っただろうけど、今日は大変に気分がいい朝だったから質問に答えるとしよう。
“なぜだと?!未来に来る自分たちの苦痛もわからずにああやって走ってるだけだから哀れだろ!自分の未来を知って準備するとそういう苦痛は知らずに済むことを、、哀れな子供たち、、”
“へえー、じゃあおじさんは未来を知ってるの?”
“なに、、?”
俺の言うことを全然理解できなかったように聞いてくる子供に、俺は話す言葉を失った。
確かにここで走ってる子供たちも未来を知らないのは当然だが魔術師である俺だとして未来を知って準備できるのか、、
そういうのを考えてると子供が言った。
“じゃあさ、僕は哀れじゃないの?未来を知ってるんだけど”
“未来を知っていると、、?”
あまりに馬鹿げた話だったけど少年は自信たっぷりで叫んだ。
“そう!今日の昼は寿司なんだ!はま寿司に行くってお母さん言ってた!羨ましいでしょ?!”
およそ3、4時間後のこと。
確かにそれもまた未来と言ったら未来なのだ。
少年の話で俺は目から鱗が落ちた気がした。
“あ、休み終わった。じゃあな、おじさん!”
少年は俺に手を振って席から離れ自分たちの群れに戻った。
俺はその小さい背中に手を振ってからベンチから立った。
なんでだろう。
なぜか今日のお昼は寿司が食べたくなった俺は朝に見た住所に向かうことにした。