02
パッ、と体を起こした。
さっきまで横断歩道を渡っていたのに、ここは……。
“うわ、うるさい!何やってんだ!”
“ハハハ、何って見ればわかるだろ?黒板掻いてるじゃん。”
黒板の前に立っている学生とそれに叫ぶ学生。
学生だ。
制服を着た学生たちが騒いでいた。
まだ頭が回らないのかぼーっとした精神できょろきょろ見回すとさっき叫んでいた学生が俺の前に来た。
“ようやく起きたか?昨日寝てない?一時限目と二時限目ずっと寝てたけど。”
一時限目、二時限目?
あ、そうだ。
横断歩道を渡る前はきっと教室に居たのになぜか横断歩道を歩いていた。
あり得ない状況。
それが意味するのは当然、
“あ、知るか。もう寝よう。”
そのまま再び寝に落ちた。
予鈴が鳴る。
授業が終わるのを知らせる予鈴。
それに合わせて近づく学生が一人。
“イーグル、今日は部活だっけ?”
何回も聴いた口調で同じ台詞を話すリ君。
“リ君さ、他のパターンないの?”
“うん?何言ってるの?変なのでも食ったか?”
“はあ―、知らないうちに変なのでも食べたのかな?俺。”
意味がわからない話にリ君が変な表情を浮かべた。
それより今度こそ死を避けるいい考えがある。
“それで部活行くの?”
そう、部活だ。
部活に行って部長から悪い気運とかなんとか聴いてこうなってるに決まっている。
そうじゃなくても部活に行って帰るとトラックが走って来るとか、そうでもなければやっぱ思った通り時間の問題だろう。
18時12分の次の信号だったから、15分くらいかな。
その時に渡るとトラックが飛んでくるのだ。
そう、やっぱこれだ。
“だから部活はほったらかして家に行こうぜ、リ君。”
そうすると18時前だからトラックが来るわけでもないし、万事解決だ。
“うん?なにがだからだ?”
“いいからいいから、出発!”
“……。お前、なんかキャラ変わってない?”
お前も何度も死んでみろよ、変わるか変わらないか。
そうやって交差点にたどり着くところリ君が話した。
“その話聴いた?ここで事故があったらしいぞ。”
前も聴いた話だ。
“うん、もう知ってる。バイバイ。”
“あ、そう?……本当にキャラ変わってない?”
なにが変なのか首を捻りながら夕焼けに染まる横断歩道を渡るリ君。
そして何度も死をもたらした横断歩道の前、リベンジだ。
赤信号。
ちょうど変わった信号の前に立っていると、一人や二人、人が増えていく。
三分も過ぎない時間だけどぼんやりと待つには退屈な時間。
ポケットに入ったスマホを出して時間を見る。
本来なら部室に居る時間。
17時46分になるのと同時に信号が変わる。
青信号。
歩いていいと言う知らせ。
18時12分にあった死の危険。
だが今は17時46分だ。
当然トラックなんか現れるはずがない。
それでも念のため周りをよく見てから横断歩道を渡り始める。
そして奴は現れた。
キキィ――――――
“―――”
夕焼けになったところ。
横断歩道を渡る途中、いつかF1大会で聞いた、タイヤがアスファルトを掻く音が聞こえてくる。
音が鳴ってるのは右側。
走っていたダンプトラックが速度を落とせないのか、自分の信号が赤色になった今でも俺を向かって走って来る。
運転席に座っている運転手さんとは違い、車は止まる気は無さそうだ。
だからと言ってハンドルを回すには信号を待っていた人たちの数が多かった。
渡る人はたった一人。
自分だけだった。
こんな状況で思い出すのは変にも、
‘いや、いったいいつ渡れってことだ、クッ―’
ただ渋滞が酷くて悪口を言う運転手のようなものだった。
そんな俺の考えを知るかどうか、知るわけないけど、トラックは止まらずに、そのまま――
キキィ――――――
“―――”
パッ、と体を起こした。
さっきまで横断歩道を渡っていたのに、ここは……。
“うわ、うるさい!何やってんだ!”
“ハハハ、何って見ればわかるだろ?黒板掻いてるじゃん。”
黒板の前に立っている学生とそれに叫ぶ学生。
学生だ。
制服を着た学生たちが騒いでいた。
まだ頭が回らないのかぼーっとした精神できょろきょろ見回すとさっき叫んでいた学生が俺の前に来た。
“ようやく起きたか?昨日寝てない?一時限目と二時限目ずっと寝てたけど。”
一時限目、二時限目?
あ、そうだ。
横断歩道を渡る前はきっと教室に居たのになぜか横断歩道を歩いていた。
あり得ない状況。
それが意味するのは当然、
“はあ、飽きた―。”
もう飽きた!
どうせこうなったし授業抜けるか!
変な表情を浮かぶリ君を残して教室を出ようとしたらリ君が呼び止める。
“なんだ?イーグル、どこ行くんだ。”
別に返事する必要はないけど、どうせ思わないだろうし格好いい台詞でもしてやろうか。
“ふっ、死と戦いに―”
格好いい台詞を残し教室を出ると後ろで色々聞こえてくる。
“なんだ、、十二病?”“あいつ、変なのでも食べたのか?”“イメチェンじゃない?”
……次はやめとこう。
“ちょっと待って、イーグル。”
“うん?”
何か話があるのかリ君が着いて来た。
“その話聴いた?交差点で事故があったらしいぞ。”
“なにかと思ったら、知ってるさ。”
もう何回も聴いた話だ。
俺の返事に、そう?と言うのと同時に予鈴が鳴る。
“じゃあ気を付けてな。”
予鈴を聴いてリ君は挨拶をし教室に戻る。
そして俺はそのまま学校を抜け出した。
夕焼けどころか、まだ太陽が熱い11時26分。
俺は死から逃げるために横断歩道の信号の前に立つ。
“今度こそ。”
必ず逃れると心を締め付けて、だからって逃れるわけでもないけど、信号を見つめる。
赤信号。
ちょうど変わった信号の前に立っていると、一人や二人、人が増えていく。
普段は学校に居て知らなかったけど、昼にも人が多いな。
自分の生活範囲から離れることはちょっと変な気分だ。
それはともかく三分も過ぎない時間だけどぼんやりと待つには退屈な時間。
ポケットに入ったスマホを出して時間を見る。
本来なら部室に居る時間。
11時28分になるのと同時に信号が変わる。
青信号。
歩いていいと言う知らせ。
18時12分にあった死の危険。
だが今は夕焼けもない太陽が光ってる時間。
当然トラックなんか現れるはずがない、なんてことはもう考えてない。
それでももしかしたらと言う期待を持って横断歩道を渡り始める。
そして奴は現れた。
キキィ――――――
“―――”
お昼休みになったところ。
横断歩道を渡る途中、いつかF1大会で聞いた、タイヤがアスファルトを掻く音が聞こえてくる。
音が鳴ってるのは右側。
走っていたダンプトラックが速度を落とせないのか、自分の信号が赤色になった今でも俺を向かって走って来る。
運転席に座っている運転手さんとは違い、車は止まる気は無さそうだ。
だからと言ってハンドルを回すには信号を待っていた人たちの数が多かった。
渡る人はたった一人。
自分だけだった。
こんな状況で思い出すのは変にも、
‘次は何すればいいかな―’
もう次のことを考えていた。
そんな俺の考えを知るかどうか、知るわけないけど、トラックは止まらずに、そのまま――
キキィ――――――
“―――”
To be continued……。