03
パッ、と体を起こした。
さっきまで横断歩道を渡っていたのに、ここは……。
“うわ、うるさい!何やってんだ!”
“ハハハ、何って見ればわかるだろ?黒板掻いてるじゃん。”
黒板の前に立っている学生とそれに叫ぶ学生。
学生だ。
制服を着た学生たちが騒いでいた。
まだ頭が回らないのかぼーっとした精神できょろきょろ見回すとさっき叫んでいた学生が俺の前に来た。
“ようやく起きたか?昨日寝てない?一時限目と二時限目ずっと寝てたけど。”
結局はまたして学校。
原因であるはずの行動を変えても、結果は変化なし。
まるで因果の逆転。
それでも結局できることは行動の変化だけだ。
そうやって俺は何十回の日常を繰り返す。
パッ、と体を起こした。
さっきまで横断歩道を渡っていたのに、ここは……。
“うわ、うるさい!何やってんだ!”
“ハハハ、何って見ればわかるだろ?黒板掻いてるじゃん。”
黒板の前に立っている学生とそれに叫ぶ学生。
学生だ。
制服を着た学生たちが騒いでいた。
まだ頭が回らないのかぼーっとした精神できょろきょろ見回すとさっき叫んでいた学生が俺の前に来た。
“ようやく起きたか?昨日寝てない?一時限目と二時限目ずっと寝てたけど。”
一時限目、二時限目?
あ、そうだ。
横断歩道を渡る前はきっと教室に居たのになぜか横断歩道を歩いていた。
あり得ない状況。
“うわぁぁ!いったいどうしろってんだ!”
“なになに、どうした?イーグル。”
リ君が話しかけてくるけど、とりあえず無視する。
時間を変えても、やつは現れる。
場所を変えても、信号を渡るとやつは現れる。
時間と場所を変えても現れた。
だったらこれ以上何の方法があるって言うのか。
もしかして死なない方法なんてないのでは?
“おいー、聴いてるか?”
“あ、どうした、なに?”
“その話聴いた?交差点で事故があったらしいぞ。”
もう何十回も聴いた台詞。
交差点で起きた事故に関して今度も相変わらず聞いてくる。
誰が死んだのか知るもんか。
こっちは今自分が殺されるところだぞ。
“興味ないって言ってるでしょ、そんなの。”
今の状態にイライラしながら答える。
そんな俺の反応が可笑しかったのか、
“お前、やっぱキャラ変わってない?”
いつか聴いた話をした。
“キャラキャラうるさいな。帰れよ、もう授業だろ。”
ちょうど俺の台詞と共に予鈴が鳴る。
ちょっと立っていたリ君はまもなく席に戻った。
とにかくこれはどう考えてもオカルト関連だ。
間違いない。
だったらもう信じる人は部長だけだ。
予鈴が鳴り授業が終わる。
放課後、リ君が話しかけてくるのを待たずにすぐに教室を出る。
時間と関わってないことはわかったけど、早く解決して悪いものはない。
“部長!”
部室に着いてから扉を開ける。
二回しか来てなかったけど、相変わらず暗い部室。
電気を付けて部長に聞く。
“いったい悪い気運ってなんですか?”
部長は俺の質問の意味がわからなかったのかぼっとしていた。
そのうちカーテンも開けると思い出したように答えた。
“あー、なんでわかったの?寝てたから話しかけなかったけど。”
いつか聴いた台詞を言った。
このまま聞いてもどうせ同じだろう。
どうせさあー、しか返って来ない。
このままではだめだ。
だったら直接聞いたほうがましだろう。
“じゃあ一日が繰り返しているけどこれから逃れるのは知りません?”
……。
俺が言ってるけど、本当にあり得ない話だ。
こんなこと誰が信じるだろう。
“繰り返し?そりゃあ人生は繰り返す日常だからね。”
なんか名言みたいなものが出ましたけどー。
“いやいやいや、そうじゃなくて。本当に!一日が繰り返していますよ。いや、繰り返しって言うか何故か道路を渡ろうとしたらトラックが走ってきて目覚めたら教室なんですよ。”
“ふーん。”
“いや、本当にバカな話なのは自分でも知ってるんですけど。本気で書いてマジですから。”
“じゃあ道路を渡らないといいんじゃないかな?”
あれ?本当そうだな。
渡らなければいいだけの話じゃん!
いや、待って。
道路を渡らなくてどう家に行くんだ?
“あのー、部長。家に行くには道路を渡るしかないんですけど。”
“そう?じゃあ家に行かなければいいよ。”
……。
家に行かないと?
確かにこれは新世界級の考え方だ。
“しかし道路を渡らずに寝るところあります?”
“さあー”
あ、出た。
さあー、って他人事だからって酷いな。
とにかくこれで十分か。
“ありがとう、部長!”
頷く部長を置いて教室を出る。
今までの行動が習慣になったのか、無意識にスマホを出して時間を確認する。
17時47分。
本来ならリ君が話しかけてくるところだけど、何故か現れない。
“あれ?パターン変わった?まあ、朝にきつく当たったからかな?まあ、いいか。”
リ君と会わないまま学校を抜け出す。
ところが人道を歩くだけでは寝れるところには行けなかった。
だからまた学校に戻ったけど、
“閉じてるじゃん!”
歩くのに意外と時間が掛かったようだ。
もう20時を超えているから仕方ない。
“こうなった以上、ゲームで夜明かしする!”
別に口に出す必要はないけど、気合ってものだ。
学校の校門に寄りかけ座ったままスマホを出す。
今時だからスマホでゲームできるし昔だったらどうしたんだろう、と考えながらゲームに全集中する。
どれくらいの時間が立っただろうか、ゲームをする途中に聴き慣れした音に頭を上げる。
キキィ――――――
“―――”
太陽は消え、月が地上を照らしてる夜。
いつかF1大会で聞いた、タイヤがアスファルトを掻く音が聞こえてくる。
音が鳴ってるのは右側。
走っていたダンプトラックが速度を落とせないのか、車道から離脱し俺を向かって走って来る。
運転席に座っている運転手さんとは違い、車は止まる気は無さそうだ。
だからと言ってハンドルを回すには、いや、十分回してもいい状況だと言うのに。
ハンドルは運転手の思う通りにはならず。
ターゲットは決まっている。
こんな状況で思い出すのは、
‘嘘だろ?これじゃどうも出来な―’
不可能という文字だった。
そんな俺の考えを知るかどうか、知るわけないけど、トラックは止まらずに、そのまま――
キキィ――――――
“―――”
To be continued……。