自作の小説の公開ブログ -17ページ目

自作の小説の公開ブログ

自作の小説の公開してみます。
誤字多いと思います。


 02

 夜の1時、無事に召喚を終わらせた円は西洋館が並んでいる坂道を降りて途中にある洋館の前に立った。
闇だけが残ってる、空に浮いてる月だけが光っている屋敷、そこの表札には間桐と書いてある。

“霜先輩!召喚は済ましたよな?!”

静かな屋敷に響く声に反応したのか誰かが扉を開けて出る。

‘お、いよいよ出たのか。’

扉を見ながら考える円の思う通り、闇の中から現れたのは黒いコートを着た間桐霜だった。

“円か。この時間にどうした?正面から堂々と戦いに来たわけでもないだろうし。”

“え、なんで?当然戦いに来たんだけど。聖杯戦争ってそういうものじゃない?”

夜中に訪ねた彼を見て霜は高校の時を思い出す。
その時の彼は自分の考えが最善の方針だと本気で思い行動する、よく言えば積極的な、悪く言うと考え無しのバカみたいなやつだった。
いつもそれを止め新しい安を出して問題を解決してきたのが一年先輩で同じ魔術師である霜だった。
だからこそ霜は前と変わらない円を見て過去を思い出し笑いそうになったが、それを無表情のままため息をついた。

“そうか。三年も見ないうちに忘れてた。お前はそういうバカだったな。”

“うわ、バカとはなんだ、バカとは!一応わかる相手から倒して行くのが当然でしょ?”

“相手がなにを召喚したのかもわからないのに戦う考えを先にした時点でバカだと言ってるのだ。”

霜の言葉に、確かに、と頷く円。

“い、、いや!相手がなんであれ負けるはずない!行け!ランサー!”

円の言葉に合わせて、彼の前に黄金の光が現れ人の形になる。
暗闇の中で輝く彼は燃えるような赤髪に手には自分がかけている鎧と同じように黄金で輝く槍を持っていた。

“いいだろう。バカな罰としてここで落ちろ、円。”

それに対抗するように霜の前に暗闇よりも漆黒な鎧を着た騎士が現れる。
その鎧には騎士の残酷さを知らせるよう所々に血がついていて、それは綺麗だったはずの白髪も同じだった。
しかし血よりも目立つのは彼の左目を隠している眼帯のことだろう。
彼を見つめている黄金のサーヴァントもそれが最初に目に入ったのか、

“この魔力の実、聞くまでもセイバーか。いいぞ。しかし残念だな。一番強いと言われてるセイバーがメクラでは、、実に惜しい。この戦争は我の一方的な勝になりそうだな。”

心の中から残念そうに言った。
それにセイバーが大きく笑い自分の剣をしっかり掴む。

“安心しろ、ランサー。お前が戦うのは今回が最後だろうからな。”

放胆に言うセイバーの言葉を聞き、ランサーが嬉しそうに右手で持ち地面に刺していた槍を持ち上げ両手で持った。

“そうか?面白いな、セイバー。できるものならやってみろ。しかし失敗したらその命諦めたほうがいいぞ!”

その言葉を最後で光と闇がぶつかった。


――――――
クラス        Saber【セイバー】
マスター    間桐慎一
真名        ???
性別        男性
身長・体重    190cm・89kg
属性        秩序・悪
ステータス    筋力B 耐久B 敏捷C 魔力C 幸運D 宝具A++

 クラススキル

騎乗 A
―幻獣・神獣ランクを除くすべての獣、乗り物を乗りこなせる。

対魔力 B
―魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

――――――
クラス        Lancer【ランサー】
マスター    遠坂円
真名        ???
性別        男性
身長・体重    183cm・78kg
属性        混沌・善
ステータス    筋力C 耐久C 敏捷B 魔力D 幸運E 宝具A+

 クラススキル

対魔力 C
―魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

――――――

 戦場から何百メートルも離れた新都のとあるホテル、月が近い所でその光景を見ている者が居る。
さっき召喚を終わらせた空小路織衣、協会から派遣された魔術師だ。

“新都についてすぐ遠坂と間桐の屋敷を監視していたのは正解だったね。でもまさかもう戦うとは。”

“ミス空小路。あんな粗雑な使役魔を使わなくても見たいところがあればこの水晶一つで可能ですよ?”

織衣はキャスターの顔と水晶を見てから視線を直した。
本来自分が召喚すべきサーヴァントは今黄金のサーヴァントと戦っているあの黒いセイバーなはず。
さっきからイライラさせるこのキャスターではないのだ。

“うるさいな、もう。ああ、なんでこんなのを引いたんだろ。”

“こんなのって失礼ですね!こう見えても魔術と芸術に関した全てはあなたより高いレベルですよ。”

キャスターの言葉にちょっと怒った織衣が彼を見る。
彼は夕焼けのような色の髪に何故か召喚された時から現代のスーツを着ていた。
歳は40代くらい、多分彼の全盛期は40代だったんだろう。
それより服を見ると現代の魔術師のようだけど、それでは自分とあんま変わらないんじゃないか、と思いながら織衣が口を開けた。

“それはキャスターだから当然でしょ?それより戦争に芸術要らないしー。あんた、他のサーヴァントと戦えるわけ?”

織衣の言葉にキャスターが何かを考えてはすぐ答える。

“それは無理ですよ。私は錬金術師ですよ?戦いなんて非常識なものしませんよ。”

キャスターの言葉に呆れたのか彼女は怒りさえも冷め、挫折し机に伏せる。

“あああー、どうしろってんだ、いったい。まあ、しょうがないな!隠れましょ!最後に残った一人が私より弱いことを祈りましょ!それしかないですね。”

“まあまあ、なんとかなりますよ。哀れなミス空小路!元気出してください!”

きっと彼としては本心を込めた言葉だっただろう。
しかし本心かどうかは関係なく、織衣はただ怒りが立ち上がり机からぱっと体を起こして叫んだ。

“あんたのせいだろ!”

叫ぶとして変わることはない。
織衣は瞬間的に頭まで上った血を落ち着けため息を出した。

“はあー、仕方ないことに悩んでもキリがない。情報でも取得しましょ。キャスターはアーチャーのほうをお願いします。”

彼女は自分の不運にため息をつき彼らの戦いを見続き始めた。


 一方リノ・エーデルフェルトが自分のサーヴァントと街を出て何故か深山町と新都を繋ぐ橋、冬木大橋の上に立っている。

“眠いなー。アーチャー、こんなところで見てわかるの?私は全然見えないんだけど。”

リノがロンドンの時計塔から現地に着いてから半日。
体が八時間の時差を受け入れてくれないのか、さっきから続いてあくびをしながら話すリノにアーチャーが答える。

“名前だけのアーチャーじゃないですから。あの森にある屋敷くらいは見えます。”

クォーターと言うには結構混じんでるリノと違い、彼は完全なる東洋人の顔に黒髪であり、着てる服はセイバーとランサーのような西洋の鎧ではなく赤と白が混じんでる漢服みたいなものだ。
リノは彼が言ったところを見たけどそこに広めているのは森だけだった。

“へえ、すごい。千里眼ってことだね、それ。”

“はい、ちなみにその屋敷から何か来ます。どうしましょうか?”

“うん?なにかって?”

アーチャーの言葉を聞きリノは魔力で視力を強化してみるけどやはりなにも見えなかった。

“馬車、、のようです。”

彼の言葉にサーヴァントってことを体が先に気付いたのか、眠気が一気に飛んだ。
リノが見えない敵がいるところに指を刺す。

“よし。初開始だね!落としちゃえ、アーチャー!”

彼女の攻撃宣言と同時に、アーチャーが赤い弓に紐が繋いでる白い矢をつがえる。
その目はまるで餌を狙う鷹のようだった。


 新都の南にある森の中の西洋館で召喚を済ました露の前に現れたサーヴァントは髪にかんざしを挿して着物を着た美女だった。
しかしおでこの小さいけど確実に角が二つ出ているのが人間じゃないことを知らせている。

“おぬしがわしのマスターか?”

まるで何百年は過去に戻ったような言葉使いな彼女の言葉に露が返事した。

“ああ、そうみたいだが。てめぇはサーヴァントか?どう見ても英雄とは思われないが?”

“そうかい?なら見せてやろうじゃないか。しかしここは狭いの。外に出ようとしよう。”

召喚してすぐ追い詰める露の言葉に反感も見せず、彼女は屋敷の外に出た。
それに露も彼女に付いて行く。
寒い冬の空気が熱く熱せられた彼の肺を冷やす。

“こんなところでなんか見せてくれんのか?”

“よく見て置きな、わしのマスターよ。さあ、時は来た。来たれ、わが愛馬たち。”

彼女が大きな声を出すと、それに答えるよう周りが歪み二匹の黒い馬が車を引き出す。
馬の脚は六つで彼らの足首には炎が燃え、大地を踏む度に大気が揺らす。
それに車の二輪は光を発していた。

‘Rock!かっこいいじゃん!’

もちろん考えるだけでサーヴァントには淡々と話す。

“ライダーか?意外と悪くないやつを引いたな。”

“悪くないじゃなかろう。いいのを引いたのだ、マスター。さあ、上れ。この世も月が綺麗かどうか見てみよう。”

“悪くない。まずは間桐のほうから行ってみようか。”

露とライダーが車に乗ると二匹の馬が暗い夜空を向けて走り出した。
明白に地上から離れるような感じを受けながら天に昇れ、車が森を出る。
その瞬間、シュー、と空気を切る音が聞こえ、どこかから放れた矢が二輪車を守る刃物によって切れ落される。

“ふむ、攻撃のようだな、マスター。”

それこそどっさにかけられた攻撃を止めたライダーがなんもなかったように普通に話した。

“Fuck、アーチャーか。最初から三騎士の一人とは縁起もないな。”

露が悪口を出して矢が飛んで来た方向を見つめる。
目に入ったのは西と東の町を繋ぐ大橋。
彼はアーチャーとそのマスターが居る橋の頂上を見上げた。

“行こう、ライダー。こっちからもいいもの送ってやろうぜ。”

彼の言葉を聞いたのか、ライダーが言う前に二匹の馬が橋を向けて走り出した。


 最初の矢を防いだ光輪車がそのまま橋に向かう。
それを落とすために次々と飛んでくる矢の数は三つ。
ライダーを刺すために一番目に近づいてくるのは避け、車を引っ張ってる二匹の馬を狙う二つの矢を空を飛ぶ二つの剣が一つずつ切り裂く。
露の視界にアーチャーが入る。
彼は九つの矢を一気に弓につがえ、ライダーたちを狙っていた。

“Fuck!マジか?!次に来るのは十個だぞ。大丈夫なのか?ライダー!”

見えないものが見える淨眼。
それによって本来なら見えるはずのない距離をただ集中するだけで突破し認識する。

“どうって?なにをだ?”

“さっき見たら剣は三つしかなさそうだったのに、九つをどう止めるって聞いてるんだよ!Fuck!こいつらはもっと速く走れないのか?!”

ライダーの気長さにイラついたのか彼が馬の脚を蹴る。
しかしライダーは変わらず呑気に腰にある鞘に手を出した。

“その子を怒らせると食われるかも知れんぞ?マスター。それに安心してよい。九つだろうが百だろうが数には負けないのさ。”

ライダーが自信を持って話してるうちにアーチャーが矢を放つのが露の目に入って来る。

“Fuck!来るぞ!”

“さあ、君の出番だ。行け、顕明連【けんみょうれん】!”

彼女に呼びに応じるように腰にあった剣が鞘から抜け出し光輪車の前でその数を九つに増やす。

“分裂する剣?あれは宝具か?”

“もちろん。さっきの三つの剣も宝具だったぞ?”

九つに分かれた顕明連は飛んで来た矢を全て落としまた一つに戻ってライダーに帰って来る。

“どうだ?やはりわしを引いたのはいい引きだっただろ?”

“はいはい、そうですね、Fuckingライダーさん。で、いつまで防ぐだけのつもり?”

自慢するライダーに何故か悪口を投げる露だった。


 アーチャーは自分が放った九つの矢が全て落とされるのを見て内心驚いた。
真名解放をしてない状態とは言えその一つ一つがAランクに匹敵するものだ。
もちろんそれを止めたのは生前には居なかった。

“すごいですね。神さえも落とした私の矢を切り落とせるとは。”

“へえ、そう?じゃあどこの誰か見てみようか?”

リノは彼の言葉を聞いて相手が気になったのか彼に攻撃を止めるように命じる。
アーチャーが攻撃を止めたのを気付いたのか、ライダーとそのマスターが乗っている光輪車が光を発しながら彼らの近い所まで来て動きを止めた。

“おぬしがアーチャーか?ほお、なかなかの美男子だの。この顔とあれくらいの強さ、名高い英雄だろうな。”

“そういう貴方もすごいですね。私の矢を止めるとは。”

自慢のように聞こえる言葉だが、彼の言葉に嘘はない。
彼の弓は本来神さえ落とした弓。
本来の力を使ってないとは言え、それをただ立ってるだけで止めたのだ。
しかし彼の言葉にライダーのマスター、露は何かが気に入らなかったのか光輪車の手すりに一足を上げ叫んだ。

“おい、Fucking弓使い。実力がなにか知らないのか?こいつはただ宝具がいいだけだ。”

“あのー、マスター?なぜわしを貶めるのだ?気のせいか?うん?”

露の言う通り、確かに矢を防いだのは宝具である顕明連のおかげだ。
ただ、いいものを持っていることも英雄の能力の一つだろう。
しかし露はそれが気に入らないようだ。

“ああん?単純に事実を言っただけだろう?”

露はライダーに話をかけながらアーチャーのマスターを見つめる。
彼女はライダーたちが近づいてから一言を話してなかった。
それをどう感じたのか露が彼女に声をかけた。

“おい、そこの女。聞くまでもないがアーチャーのマスターか?”

“うん?あ、そう。私が彼のマスター、リノ・エーデルフェルト。”

彼女は敵を前にしてもまるで緊張感を持っていなかった。
それどことか、あまりの眠さに彼らの話なんて耳にも入っていない。
だから自分も知らないうちに名前を言ってしまったけど言葉を拾うことなんてできない。

‘あ、しくじった。’

そう思いながらも表情には出せなかった。
そんなことを考えているのを知らない露が言った。

“おい、いいのか?そんな簡単に名前を言っても。呪いなんかで死ぬぞ?”

“あら、心配してくれるの?ライダーのマスターさんは親切だね。”

親切とは言いにくい露の言葉にリノが自分の母親を思い出し笑う。

“Fuck、冗談はよせ、女。時間を無駄にしたな。行くぞ、ライダー。”

もうする話なんてないと思った露がライダーに命じる。
それにライダーが、

“よかろう。行け、光輪車。”

と答え、二匹の馬が大気を走り出す。
それに合わせて二輪が光を発し大気が揺れる。
しかし露の体が揺れるのはそのせいではないだろう。

“Fuckingライダー!てめぇはAirheadか?!敵の前で宝具の真名を言うなんて!”

“しかしマスターよ。名は呼ぶためにあるんだぞ?”

英雄のシンボルである宝具、それの名が知らされることで大体は英雄の真名やそれに関した伝説や神話がバレるしかない。
サーヴァントとは生きていた時の死に弱いもの。
なので真名を隠すのが一番の守りと言える。
なのにこのライダーはそれを自分の口で敵に知らせたのだ!

“この間抜けが!一応帰るぞ!Fuck!”

“なんでだ?”

“Shut Up!そのふざけてる頭に聖杯戦争に関した知識からぶっこんでやる!”

露は怒りで震えながらライダーに悪口をぶち込む。
それでも笑って流すライダー。
生前の英雄に堂々としたマスターと単なる人間を侮蔑しないサーヴァント。
こう見たら二人の関係は意外と悪くないかも知れない。
ただ露のストレスは溜まっていくだろう。


 離れていく光輪車を見てリノがアーチャーに聞く。

“今、光輪車って言った?”

“はい、間違いなく。”

今度こそリノの眠気がさっぱり飛んで行った。
本来なら宝具の真名解放の時を除き真名を聞くことはないと思ってもいいだろう。
それを相手の口から直接聞いたのだ。

“はは、なにあれ。こんなにすぐ真名を知るとは思ってもみなかった。鈴鹿御前かな?”

“三つの剣に光輪車、間違いないと思います。”

 鈴鹿御前。
日本東北地方の伝承によるとこの鈴鹿御前は美しい美女で天竺(インド)の第四千魔王という魔王の娘で日本を魔国に作るためにインドから日本に渡った鬼女という。
女神・天女とされ、鈴鹿姫・鈴鹿大明神・鈴鹿権現・鈴鹿神女などとも記されている。
大通連【だいつうれん】に始まる三つの名剣と光輪車と言う空を飛ぶ乗るものなど豪華な武器と道具を持っていて大獄丸と言う鬼を筆頭とする妖怪の軍隊で日本の転覆を狙ったが、結局鈴鹿御前は坂上田村麻呂と言う将軍に負け田村麻呂に惚れ彼の妻になった。
その後、鈴鹿御前は夫と共に大獄丸と妖怪たちを退治したと言われる。

運よくライダーの真名をわかったリノは今更ライダーのマスターの方を思い出した。

“そういえばマスターの方は名前聞いてないな。あの人、口は汚くてもいい性格してそうだよね。きっと苦労するな、あれは。”

“あれがいい性格なんですか?自分の判断としては悪そうに思えましたが。”

アーチャーの言葉にリノが笑う。

“まるでうちのお母さんみたいな感じだった。お婆さんが日本語でなんて呼ぶのか教えてくれたけどな。えっと、あ!”

リノが日本人である自分のお婆さんから聴いた単語を思い出したように言った。

“ツンデレ!多分それ!”

“ツンデレ、、ですか。”

“そうそう。それよりもう帰ろうか?正直言ってさっきから寒すぎる。しかも眠いしさ。”

“はい、そうしましょ。”

リノとアーチャーは橋から降り深山町に脚を向かう。
その脚は眠さで重く感じるが、ライダーの真名を分かった喜びで心だけは羽のように軽かった。


――――――
クラス        Rider【ライダー】
マスター    浅上露
真名        鈴鹿御前
性別        女性
身長・体重    154cm・38kg
属性        混沌・中庸
ステータス    筋力D 耐久E 敏捷C 魔力B 幸運B 宝具A+

 クラススキル

騎乗 A+
―竜種を除くすべての獣、乗り物を乗りこなすことができる。

 保有スキル

神性 B
―その体に神霊適性を持つかどうか、神性属性があるかないかの判定。女神・天女とされた伝説があるため彼女はランクBの神性を持つ。

 宝具

大通連 B / 小通連 B
空を飛ぶ剣で刀身だけが存在し持ち主の念に応じて動く。

顕明連 A
魔力があればあるほど分裂するのが可能な剣で持ち主の念に応じて動く。
ただし分裂するほど、一つ一つの力は弱くなる。

光連車 A
六つの脚を持つ二匹の霊馬が引く空を走る二輪車。
霊馬の脚が大気を踏む度に大気が揺れる。
二輪はいつも光っている。

――――――
クラス        Archer【アーチャー】
マスター    Rino Edelfelt【リノ・エーデルフェルト】
真名        ???
性別        男性
身長・体重    187cm・72kg
属性        秩序・中庸
ステータス    筋力C 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運C 宝具EX

 クラススキル

単独行動 A
―マスターとの繋がりを解除しても長時間現界していられる能力。マスターが死んだりマスターとの繋がりを解除しても行動できる。その他に霊核に傷ついても耐えることができる。宝具の使用以外はマスターのバッグアップの必要なし。

対魔力 A
―Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。

 保有スキル

神性 A
―その体に神霊適性を持つかどうか、神性属性があるかないかの判定。

心眼(偽) B
―直感・第六感による危険回避。虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。

千里眼 B
―視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。心眼により限定的な未来視も可能となる。

――――――

 急所を突っ込んでくる黄金の槍を打ち流すのを何十回。
剣と槍を鳴らしながら奏でる彼らはいつの間にか交差点まで降りている。
戦場になった道がボロボロになっているに反して、彼らには傷一つなかった。

“狂ったようにぶち込んで来るな、ランサー。それより妙だな。何回も切られたことにしては傷一つない。その電流のせいか?”

戦闘に引き込まれ理性を失って戦っていた黄金の戦士がセイバーの言葉に動きを止める。
彼の全身は黄金の槍から流れている電流で包まれていた。

“なんだ?なんか言ったか?セイバー。”

“いや、傷を治す手立てでも持っているか気になってな。”

セイバーが思った疑問は後ろに立っている彼のマスターである霜も思っていたものだ。
ランサーが間桐家からここの交差点まで戦いながら得た傷は霜が気付いただけでも十回は軽く超えていた。
なのにランサーのマスターの円が治療魔術を使っているようには見えず、彼の傷は自然に治っているように思える。

“え、戦う途中にそんなの考えてたの?面白いじゃん、霜先輩のサーヴァント。”

何故か聞かれたランサーじゃなくその後ろの円が楽しそうに言う。
元々ヒーロー物とか好きな彼には今の状況が楽しくてしょうがないだろう。

“教えてもいい?ランサー。”

“うん?ああ、別に真名などバレても弱点などないからな。好きにしろ、円。”

ランサーの答えで円が今まで話したくてどう我慢したのかと思うくらい自慢を並び始める。

“よく聞け!ランサーの槍はな、持ち主の体に電流の形で魔力を流して被害を最小化し傷なんですぐ治してあげるんだぞ。そして一番重要なのはなにか知ってる?聞いて驚くなよ。周りのマナを吸収して魔力に返すことができるから僕のバックアップなしで戦うこともできるって話!すごいだろ?!こんなものを持ってるサーヴァントに勝てる相手がいるわけないし!この聖杯戦争は僕の勝だよ、先輩!”

べらべらとしゃべる円の言葉を聞いていたセイバーは結構退屈だったのか空咳をした。

“で、与点はなんだ、小僧。簡単に宝具の名前だけ言えばいいものを。回りくどい。”

“え、うそ?ここまで聞いてランサーの真名わからないの?サイキ・レランパゴ・フェニックス!それがランサーの名前だ!どうだ、驚いたか?!”

円が馬鹿みたいに笑いながらランサーの真名を語った。
真名を明かすことはよっぽどの自信があるか、それとも単なる馬鹿だけだろう。
もちろん彼はどっちにも当たる。
その真名を聴いた霜が真名を確認するように呟く。

“スペインのフェニックス傭兵団の三代目団長か。”

“お、さすが先輩。知ってるんだ。そうだぞ。異名雷のフェニックスが僕のランサーってわけ!”

円は霜がランサーのことを知っていたのが嬉しかったのか大声で叫んだ。
それに合わせて誰かが笑う。
笑い声の持ち主はセイバーだった。
彼は心の中から面白いのか一手で腹を抱えて大声で笑う。

“くはは!これはなかなか面白いな!強いと思ったら単にいい武器のおかげってわけか!貴様が命を失ったのもきっとその槍を手放した時だったろ?”

“ああ、そうだったな。我は槍を持っている時は不死だからな。で?我から槍を手放せる方法でもあるか?ないなら今回死ぬのはお前だ。”

セイバーの笑いに気分が悪いのかランサーはすぐにでも槍をぶち込む勢いだった。
しかしそれを止めたのは相手のマスターだった。
霜が円を見て話かける。

“今回はここまでとしよ、円。町の被害が大きい。思ってはいたがこれくらいとはな。後片付けも大変そうだ。それに人の認識を払う術を使ってはいるけどどんどん範囲が広がってる。”

“まあ、確かにそうね。いいか。今日終わらせる必要があるわけでもないしな!次は人がいないところで戦おうぜ。”

まるで友達にいい玩具を見せて満足したみたいに言う円。
しかしランサーは彼らの意見とは違うようだ。

“ふざけるな、円。まだ終わってないだろ。あんなことを聞いて我慢しろって言うのか?人の安全を気にしているなら人がいないところで戦えばいいだけの話だ。”

ランサーの反対に霜が言う。

“残念ながらその場合、君のマスターは俺と戦うことになる。それでもいいならそうしてもいい、ランサー。”

その話にランサーが頷いてなかったのは、彼が見るにも霜と円の魔術師としての柄が違うってわかっているからだろう。

“今までなぜ動いてないとは思っていたが、確かに我がセイバーと戦ううちに円を狙うと守るのに気を使うことになりそうだな。いいだろ、しかし次に会うと我を脅かそうとした罰としてセイバーと共に貫いてやろ。”

彼はそう言いもう話すことはないとでも言うように戦闘でボロボロになった丘を登り、

“うわ、ひどいじゃん、ランサー。それではまるで僕が負けるのが決まっているみたいでしょ?!あ、待って!”

その後ろを円が愚痴を言いながら追いつける。

“ずっと戦ったら勝ったはずだ。どうして止めた?霜。”

セイバーの質問に霜が真実を隠し表のことを言う。

“言った通りだ。このまま戦ったら一般人にバレる危険もある。”

“は!一人や二人殺すのは簡単なことなのに。甘いな、霜。”

セイバーは霜の答えが気に入ってないのかそう言い、霊体化して消える。
その場に一人で残った霜は何かを言おうとしたが、口を閉じ戦いで気付いた坂道を登り始めた。


――――――
クラス        Lancer【ランサー】
マスター    遠坂円
真名        Saiki Relámpago fénix【サイキ・レランパゴ・フェニックス】
性別        男性
身長・体重    183cm・78kg
属性        混沌・善
ステータス    筋力C 耐久C 敏捷B 魔力D 幸運E 宝具A+
クラススキル    対魔力 C

 保有スキル

戦闘続行 A
―名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。心臓を刺されても当分の間生きている。

仕切り直し C
―戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。

加虐体質 A+
―戦闘が長引けば長引くほど加虐性を増し、普段の冷静さを失ってしまう。攻めれば攻めるほど強くなるが、反面防御力が低下し、無意識のうちに逃走率も下がってしまう。

 宝具

雷神の槍 / Κεραυνός B 対人宝具
雷神ゼウスの槍と呼ばれる宝具。
大気のマナを吸収し被害を極小化し幸運と宝具を除いたパラメータを1ランク、対魔力を2ランク上げる。
追加で電気の形で魔力放出を可能にさせる。

――――――

 長いと言えば長い、短いと言えば短かった初回の戦いが終わり、間桐家の一部屋の椅子に間桐慎一が座っている。
その隣にはさっきまで霜の隣で戦っていたセイバーが立っている。
彼から戦いの結末を聞いた慎一が笑った。

“本当に?それで終わったの?やはり霜兄は人好しなんだよな。その気になれば遠坂の兄さんくらい殺せただろうに。”

“人好しってところは同感だ。ただ実際にはランサーいる間にそのマスターを狙うのは難しいだろ。それにしても一応マスターの命令だからマスターと同じく接しているが私とは性格が合わないな。霜を見ていると王の妹の夫を思い出して気分が悪い。”

セイバーの愚痴に慎一が笑う。
その笑いは地下で霜に見せたものとは違うものだった。

“でも我慢して。僕の代わりに命かけてるわけだから。あまり意地を張って霜兄を困らせないほうがいいよ。令呪を残してって言うかも知れないよ?”

“いや、それは困る。令呪に縛られ正義の味方遊びをするにはもう年寄りだからな。”

セイバーが言った正義の味方って言葉があまりにも霜に似合っているせいか、慎一がそれを聞いて爆笑した。


――――――
クラス        Saber【セイバー】
マスター    間桐慎一
真名        ???
性別        男性
身長・体重    190cm・89kg
属性        秩序・悪
ステータス    筋力B 耐久B 敏捷C 魔力C 幸運D 宝具A++
クラススキル    騎乗A / 対魔力B

 保有スキル

直感 C
―戦闘時、常に自身に最適な展開を感じ取る能力。ただし、攻撃のためにしか働かない。セイバーにしては低いランク。‘なんとなくここに攻撃したら当たりそう’くらいの考えが浮かべるくらい。

魔力放出 B
―武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。

――――――

 ホテルでセイバーとランサーの戦いを見ていた織衣がキャスターに話かける。

“どう?なんかわかった?”

“ええ、私が勝てないってことっは確実ですね。”

彼の返事に織衣がため息をつく。
もう彼に慣れたのか、それとも諦めたのか怒らないようだ。

“なに言ってるの。そんなの特に昔に知ってたわ。そうじゃなくて真名とか、宝具とか、あるでしょ?”

“あ!それならライダーの真名は鈴鹿御前でしょうかね。”

“へえ、なんで?”

なんの期待もしていなかった織衣が意外だと思い聞いた。

“宝剣が三つ。そして妖怪の馬が引く二輪車を見たら鈴鹿御前でほぼ間違いないでしょ。そういうミス空小路はなにかわかりましたか?”

なぜかキャスターが自信満々に言い、そういうお前はどうだ!って感じに聞いてくる。
それに織衣が堂々と答える。

“もちろん。ランサーはサイキ・レランパゴ・フェニックスで間違いないですよ。その電流の槍を見たら確実。セイバーはまだわかりませんが。”

元々整理好きな彼女は自分が持ってきたノートパソコンにサーヴァントとマスターに関したことを書いていた。
ちなみに普通の魔術師の中では電子機器とか科学を嫌がっている連中が多いが、彼女はそんなのを全然気にしていない。
便利性を先に考えるのが彼女だ。
そんな彼女にキャスターが不思議そうに聞いた。

“そういえば、ミス空小路。セイバーの聖遺物をもらおうとしてたならセイバーの真名は知っているんじゃないですか?”

核心をつくキャスターの言葉に一時織衣の手が止まったがすぐ動き始まる。

“全部バカな人たちなせいですよ。聖遺物でなにが召喚されるかも知らないまま「彷徨海」から引き取ったみたいです。まあ、一応北欧州の英雄らしいけど。”

彼女が書いていくものの中に遠坂円と間桐霜そしてアインツベルンのマスターの顔写真がついてるものがあった。
その中で円と霜のものにセイバーとランサーと記入する。
ランサーの真名覧には確信したようにサイキ・レランパゴ・フェニックスと書き出す。

 Saiki Relámpago fénix。
フェニックス傭兵団の三代目団長。
彼の異名は雷の不死鳥【fénix of Relámpago】だった。
彼はスペインから生まれたと伝われる。
知っているのはフェニックス傭兵団の三代目団長と言う事実と彼の武器である槍が雷で造られたと言う噂だけ。
実際に存在するかどうかも分からない噂話が人たちによって伝説となったのだ。

織衣はアーチャーとライダーのところにもパラメータとスキルなどを書き込んだ。

“ほお、既に五人のマスターを知ったのと同然ですね。このまま勝てるんじゃないですか?ミス空小路。”

織衣を除いて四名のマスターが把握できたのを嬉しそうに言うキャスター。
しかし当然彼の調子に乗ってくれる彼女ではなかった。

“なにを喜んでいるんですか、まったく。こっちは戦う手段がないから情報なんて意味ないし。とにかく賢者の石を集めて置いてください、キャスター。”

“はいはい、了解です。マスター。”

そうやって召喚と共に聖杯戦争が幕を開けた。

――――――
クラス        Caster【キャスター】
マスター    空小路織衣
真名        ???
性別        男性
身長・体重    180cm・72kg
属性        中立・中庸
ステータス    筋力E 耐久E 敏捷D 魔力A+ 幸運A 宝具A++

 クラススキル

陣地作成 A
―魔術師として自らに有利な陣地「工房」を作成可能。彼はどこでも短時間で「工房」を作り出すことができる。

道具作成 A++
―魔力を帯びた器具を作成可能。材料さえあれば神代のものを作り出すくらい。

 保有スキル

黄金律 A
―人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。一生金に困ることはなく、大富豪でも十分やっていける。

芸術審美 A
―芸術品・美術品に対する理解、あるいは執着心。芸能面の逸話を持つ宝具を目にした場合、真名を看破できる。

 宝具

賢者の石 / The philosopher's stone A+
魔法を再現することが可能なくらいの膨大な魔力が凝縮された石。
使用するほど石内部の魔力が減って行くが材料だけあれば作り直すのも可能である。

――――――