[追記あり] キミの声が背中押して、今日だって・・・ ステージに立つの。
今日は音楽ナタリーにて、Perfumeさんのロングインタビュー・『ここにきて近付いた中田ヤスタカとの関係と、制作体制の変化が生み出した「ポリゴンウェイヴEP」』という記事が公開された。
今回のインタビューでは、8月に行なわれた『Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」』から今年の後半に展開される『Reframe Tour 2021』までと幅広くメンバーが語っている。
今回のエントリーでは、昨日リリースされたばかりの『ポリゴンウェイヴEP』の制作の模様についてを取り上げたいと思う。まずはこの内容からだ。
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「ライター : 今回のレコーディングはどんな感じでしたか?」
『 あ~ちゃん : 中田さんのモードが違いましたね。もともと曲を作るのは速いんですけど、何があったん?っていうぐらいめっちゃ速いんですよ。きっとイメージがはっきり見えてたんでしょうね。』
『 かしゆか : 今まではリリースとかタイアップとかが決まってからレコーディングしてたのが、今回は「自由に作って、使う使わないは考えずにどんどんレコーディングしていきましょう」というスタイルだったから、いつもよりペースが速かったのかなって感じました。レコーディングしているときも「この曲は使わないかも」みたいなことを言われたりしたんですけど、もう歌入れしちゃってるからその曲が大好きになってるんですよ(笑)。だから「なくなんないでほしいなー」って思いながら歌ってました。実際、EPに入っていない曲も録りましたし。』
「ライター : 前回のインタビューで「デモまで作ってボツにした曲はこれまで2曲くらいしかない」と話していましたし、それは大きな違いですね。 」
『 かしゆか : 今回は "プロデューサー" と "歌う人たち" という今までの関係より、もっと近い距離で一緒に作品を作ってる感じがしてうれしかったです。「あ、こういうやり方のほうが中田さんもやりやすかったんだ」って思いました。今頃になって気付くんかい、って感じですけど(笑)。』
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今までのPerfumeの楽曲制作の場合、タイアップやシングル・アルバムリリースの前提があっての、中田ヤスタカ氏への発注といった流れだったのだろうが、今回の楽曲制作ははリリースなどは関係なく、『現在進行形のPerfumeというものを素材として作品作りをしてみたい』といったメンバーのオーダーによるものだそうで。この辺の経緯は既に、『TV Bros.WEB版 2021年7月号 』 の「たちまち、語リンピックせん?」でも語られていた。
このことはメンバーの三人は、今まで以上に中田氏と共に楽曲をを作っている、楽曲作りに参加しているといった感覚を持ったようだ。
そして『ポリゴンウェイヴEP』に収録されなかった楽曲もかなりありそうだなぁ・・・・・・・・ もしかすると、既にフルアルバムを作れるほどの素材録りや楽曲制作はされているもかもしれないなぁ。そしてこの楽曲も・・・・・ その1曲だったか。
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『 かしゆか : こないだのライブの最後にやったのも、EPには収録されないけどこのときに録った曲です。あの曲が、あれで完成なのかすら私たちは知らないんですよ(笑)。でも私はレコーディングしたときからあの曲が好きすぎて、「ライブのセットリストに入れてほしいなー」って話をMIKIKOさんにしました。 』
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ボクはただ廻る鏡 キミこそが光
すべてを照らす 音を鳴らす
本当は怖いけど
「だいじょうぶ だいじょうぶ」 って言ってくれるキミの
声が背中押して
今日だって ステージに立つの
○Perfume未発表楽曲の一部(2021年・パワーわんこが聴きとったもので公式のものではない)
作詞 : 中田ヤスタカ
作曲 : 中田ヤスタカ
歌唱 : Perfume
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まぁ、『ポリゴンウェイヴEP』のコンセプチュアルで完成された世界観が展開されているので・・・・・ この楽曲は少し毛色が違うからちょっと入れられないか。しかし、この発言も気になる。
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『 のっち : でも私たちは、Perfumeとして今ファンに伝えたいメッセージが表現されたあの曲を、このライブで歌いたかったんです。リリースされるのはまだまだ先かもしれないし、もしかしたらリリースされないかもしれないけど、「このライブは映像としてずっと残っていく」という意識があったので。』
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この " ファンやオーディエンス、staffの下支えがあってこそステージに立てている " といったメッセージ性の高い楽曲をなぜこのタイミングで収録しているのか・・・・・・・
"あの日 "から1年半後に・・・・・・ 彼女たちのひさびさの有観客公演が決定していたタイミングだった。そのタイミングでの収録・制作。中田氏の脳裏にこのような感慨がよぎっていなければ・・・・・ このような楽曲が生まれてこない訳がない。
やはり中田氏は・・・・・ ずっとPerfumeに寄り添って楽曲制作をしてきたんだなぁ(笑顔)。
『もしかしたらリリースされないかもしれないけど・・・・・』
パッケージ・リリースしなくても・・・・・・ " Live会場でしか聴けない " プレミアムな楽曲。Perfumeさんのキャリアからすると、そのような楽曲が1曲ぐらいあっても良いと思う。そして "この楽曲 " こそ、それに相応しいと思う、今日この頃なのだ。
[○追記・27日pm19:50]
この『ポリゴンウェイヴEP』は、中田氏にとっては自身の作品である、『NANIMONO EP/何者 (オリジナル・サウンドトラック)[2016年]』のようなアプローチで制作したのだろうか。
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『 かしゆか : EPに収録される「∞ループ」「アンドロイド&」も、そのときにレコーディングした曲ですね。録ってるときはまだEPの話はなかったけど、「ポリゴンウェイヴ」が「ザ・マスクド・シンガー」のテーマソングに決まったからシングルを出そうかって話になって、「じゃあどれを入れますか?」って中田さんに聞いたら「『ポリゴンウェイヴ』をいっぱい入れたい!」って言われて。「新しいな」って思いました(笑)。 』
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『NANIMONO EP』という作品も、「NANIMONO (feat.米津玄師)」という楽曲で、別ver.や他のリミキサーが手掛けたリミックスver.がふんだんに収録されたわけで。
このEPの聴き所は "同じ楽曲でも、その解釈や描きたい世界観が変わると、こんなにも響きや雰囲気が違ってくるのか " といったところと、 "それでも変わらない部分がどうしても残ってしまう " といった、楽曲自体の主張やその強靭性が同時に楽しめるところだろう。『ポリゴンウェイヴEP』でも、その趣がかなり興味深いし、魅力的だもんなぁ(笑顔)。
その辺の考え方も中田氏から聞いてみたいなぁ。
