[追記あり]"余白"を作ることで受け手の想像力に委ねる。"余白"に彼女たちの人間性を滑り込ませる

本当は昨日のエントリーの追記として書こうと思っていたが・・・・　長くなったので別エントリーということで(笑)。

昨日に引き続き、Perfumeが初主演するドラマスペシャル『パンセ(TX系)』の脚本を担当している木皿泉氏の対談記事の話だ。この対談記事は2013年3月に行われた舞台公演・『君ほほえめば』の演出を担当した末満健一氏とのもので、その舞台公演の脚本も木皿氏が担当している。

この対談を読むと、どうも『パンセ』の基本のプロットなどは、舞台公演・『君ほほえめば』がベースとなっていることが伺える。

そのような視点で捉えると、この話も非常に興味深いと思う。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

「末満 :　今回の原作の脚本 (『君ほほえめば』) を読ませていただいたら、結構“余白”って感じの箇所があるんですよ。」

「木皿 :　だって、自分で全部考えるのって面倒でしょ？（一同笑）余白を残しておくと、見ている人が勝手にそこを考えてくれるんですよ。想像力で埋める楽しみが生まれる。」

「末満 :　演出する側も、その空白をどう膨らませるのか？というのが試される作業になると思います。」

-------------------------------------------------------------------------------------------------

『パンセ』が舞台公演・『君ほほえめば』のプロットをベースに構成されているとするならば、余白を残し、視聴者の想像力に委ねる部分もあるようなドラマに仕上がっていることが想像される。

しかし・・・・　同じようなことを過去に誰かも語っていたような・・・・　あっ、たしか "我らのネ申(?!・笑)" だったっけ。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

*『Dream Fighter(2008年)』の歌詞制作について問われて、「深く考えて書いていない。メッセージ性は込めていない」と語った話の展開で

「中田ヤスタカ : 聴いた人が "それ以上" のことを考えるのが・・・　"感動" だと思う部分もあるので・・・　なにか、こうピンポイントじゃなくてもいいかなというのがあるんですね。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○『関ジャム　完全燃SHOW(EX系)』・中田ヤスタカ特集(2016年10月23日)より

-------------------------------------------------------------------------------------------------

制作された脚本も楽曲も、そして披露されるパフォーマンスも、"余白" をあえて作ることで、受け取る側の想像力に委ねる部分がある。そしてそのことは受け取る側にとってもクリエイティビティな刺激となりうるということだろうか。

そして受け取った以上のことを考えていくことが、各々の "感動のクリエーション" を高めていくのだろう。

オレは、この "感動のクリエーション" を促すような楽曲やパフォーマンスが、Perfumeには良く似合うと常々考えていたのだった。そういった意味でも、木皿氏が脚本を手がけたドラマは、Perfumeに良く似合うのだろうと想像できる。

しかしそれと同時に作品自体に "余白" があるということは、否応なくとも、演者側の人間性がその余白の部分に滑り込んでくるということでもあると思う。そう、これまで歩んできた "Perfume歴史" は、歌唱やダンス・パフォーマンス、そしてLiveステージングの "余白" の部分に、彼女たちの人間性を滑り込ませてきた歴史でもあると思うのだ。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

*木皿氏が『Perfume 6th Tour 2016「COSMIC EXPLORER」』京セラドーム大阪公演を観に来たという話の展開で

「あ～ちゃん :　いつも会場でグループ分けしてみんなで声出しをするんですけど、その日のグループ分けが [ なんでやねん ] ・ [ どないやねん ] ・ [ しらんがな ] 、それが大阪 ! イェーッ ! だったんですね。それを木皿さんは最初グループ分けしたときに言った言葉と、最後に言ったときの言葉の表情が違うっておっしゃられてて。」

「のっち :　『最初あんなに楽しかった [ なんでやねん ] ・ [ どないやねん ]が、ライブの終盤では感動的な言葉になっていました』って。」

「あ～ちゃん :　『だからいけるとと思いました、書けます』みたいなことをおっしゃられて。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○『TV Bros.』2017年3月11日号より

-------------------------------------------------------------------------------------------------

『この3人だから出せる雰囲気があるんだよ・・・　』

余白の部分に "今を生きる彼女たちのリアル" が滑り込んでくる・・・・　それをこぼれ落とさないように見届けたいと思う(笑顔)。

[追記・30日・pm19:15]

木皿氏の語ったことを考えていると・・・・　やはり彼女の言葉がふと脳裏に浮かんできた。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

○"良い振付" とは何かと聞かれて

「MIKIKO :　きちんと"引き算ができている" というか盛り過ぎていない。」

「MIKIKO :　それこそ自分が踊っていたときは、全部『自分が踊っていて気持ち良くて・・・』みたいな方を優先してたんですけど。一歩引いて『曲がきちんと聴こえてくるかな?』とか、その踊っている人が『魅力的に見えているかな?』みたいなところに必要が無いものは引いていく・・・・　っていう。」

「MIKIKO :　いつも難しいなって思うんですけど、『どうやって客観的な目を持とう』って考えながらやっていて。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○『ザ少年倶楽部プレミアム(BSプレミアム)』・2014年1月放映より

-------------------------------------------------------------------------------------------------

彼女も・・・　"引き算" をすることで余白を残し、オーディエンスの想像力に委ねているのだ(笑顔)。

TV Bros. (テレビブロス) 関東版 2017年 3月 11日号 / TV Bros.編...