追記2・変化を恐れず "Evolution Dance Music"の扉を開き、航海に挑む彼女達 | 音楽三昧 ・・・ Perfumeとcapsuleの世界

追記2・変化を恐れず "Evolution Dance Music"の扉を開き、航海に挑む彼女達

○今日の感慨


*『ただひたすら・・・ 目的地に向かって』(Copyright © 2015 パワーわんこ All Rights Reserved.)








仕事を早めに片付けて、今朝入手したPerfumeのニューアルバム『COSMIC EXPLORER』をクルマ搭載のオーディオシステムで集中して聴くために「東京ゲートブリッジ」を経由して、臨海副都心や豊洲、築地を周って帰ってきた。







ファースト・インプレッションとしては・・・・・ いゃ・・・・ 正直ビックリした。一言で表現すれば "Perfumeはこれまでの殻を破り、変化と変性の扉を力強く開いた" という言葉に尽きる。ここまで変化を打ち出してくるとは・・・・ 本当に驚いた。それで未だ2循環程度しか聴いていないが、簡単な全体のインプレッションを書きたいと思う。







さて、まず音響的には "コンセプト・アルバム" というのを意識したためなのか、楽曲全体に響きの統一感が高く、圧巻の世界観を我々に提示する。したがってシングル楽曲も丁寧に、徹底して響きの統一化が施されているのだが・・・ 中田氏のその心意気が伝わってきて、感動さえ覚えるのだ。


例えば「FLASH」や「STAR TRAIN」などのシングルを意識したVer.では、映画主題歌ということもあって映画館での視聴も考慮し、大口径Sub-Wの持ち味である "余韻のあるバスドラ" を感じさせるような傾向にEQされている。しかし「FLASH (Album-mix)」や「STAR TRAIN (Album-mix)」では、その低音域の余韻を抑制し、歯切れの良いバスドラの響きの方向性でmixされており、フロアで鳴らすといかにも気持ち良さそうな傾向だ。他の楽曲もそのような傾向に仕上げ、統一感を構築しているところが印象的だった。





もともと中田ヤスタカ氏の生み出すサウンドは100Hz前後を整理し、しかしながら50Hz前後の超低音域は強調するEQの傾向で、スッキリとしながらも凶暴な低音域の響きを演出している。

今回のアルバムはさらにその傾向が強く、耳に聴こえる低音域はスッキリさせながらも、身体の中心を貫くような凶暴な超低音域が非常に気持ち良い。そして100Hz前後は整理され、12kHz前後はフィルターなどで緩やかに減衰させていることもあってか、ボーカルの響きが非常に厳かなテイストを感じさせるのが印象的だった。








そして楽曲的には、もちろん「FLASH (Album-mix)」や「Cling Cling (Album-mix)」にも驚いたのだが、やはり、なんといってもタイトル楽曲の「Cosmic Explorer」のテイストの変化には驚かされ、本当に圧倒された。やはりこのアルバムを象徴しているのは「Cosmic Explorer」と言っても過言ではないだろう。この楽曲は一番最後のレコーディングだったらしいのだが "今のPerfumeのモード" を最も体現しているということからも、頷けるところか。






1曲目の「Navigate」の無機質な雰囲気でありながら、浮遊感のあるテイスト。しかしながら、胸が締め付けられるほど切なくなる気持ちが襲ってくるのは、なぜなんだろうか? そして突然響きが消えて、2曲目の「Cosmic Explorer」へと続く。



「Cosmic Explorer」は壮大なシンセ音色のコードワークのバッキングが象徴的で、荒々しさを演出するドラムのフィルインが、これから大海へと漕ぎ出す船出のようなイメージを髣髴させる。そして厳かなメンバー三人のコーラスが続く。

このイントロだけで・・・・ それだけで圧倒され、鳥肌が立った。そしてこのアルバムの持っている使命やこれからPerfumeが取り組もうとしている "開拓者・探究者としての行く先" を体現しているように思えてくる。








-------------------------------------------------------------------------------------------------


あ~ちゃん : (「Cosmic Explorer」のイントロの響きを聴いたときに) 『ヤバい・・・・・ 中田さんまじ本気! きた! 』 みたいな。それで歌詞見たら、『なんてこった・・・・ !』みたいな(笑)」




//////////////





あ~ちゃん : (「Cosmic Explorer」という楽曲は) このアルバムの顔と言ってもいいほど、この楽曲に突き動かされてこの世界に吸い込まれたっていうか。で、中田さんの本気が見えたからこっちも熱くなっちゃって。『これが自分のアルバム! 最高っ! 』 みたいな。『こういう壮大な歌も歌えるようになったのね! 』。



あ~ちゃん : なんか売れているロックミュージシャンが歌っているような熱いやつじゃないですか。だから私たち、火とか、風とか、旗とか見えたんですよ。『そういうのとかやれるようになってきたってことかな? 中田さん、許してくれたってこと? 』みたいな。ここにもいろんなメッセージが含まれている感じがして。なんか、(アルバムを)このタイトルに決めた時腹括った感じはありましたね。」


                                               ○『ROCKIN'ON JAPAN』2016年5月号

-------------------------------------------------------------------------------------------------






楽曲として重心は低く、どっしりとした安定感と重厚感が印象的だ。その重心の低さはCAPSULEの「MUSiXXX(2007年)」を連想させる。しかしここまで雄大で重厚、且つ、反骨的でエモーショナルな楽曲は、これまでのPerfumeやCAPSULEの中には存在していないように思う。だからこそ、あ~ちゃんが上記のように語ったのだ。








そして後半のメンバー三人のハミングによるテーマ部の歌唱は "未開の地を向かい風の中、三人横に並んで手を取り合い、アンセムを歌いながら突き進んでいく" といった光景を髣髴させ、目頭が熱くなる。





-------------------------------------------------------------------------------------------------

*「Perfumeの一番好きなところはどこか?」という問いに対して



かしゆか : お互いのことをすごく見てて大切にしているけど、いざという時はみんな同じ方向を向いて闘える、ところかな。




//////////////





かしゆか : ここぞっていう勝負の時とか、ライヴの時とかは、お互いを見るんじゃなくて、横で感じて、こう一緒に前を向いてる。っていうところですかね。」


                                               ○『ROCKIN'ON JAPAN』2016年5月号

-------------------------------------------------------------------------------------------------






しかし「Cosmic Explorer」という楽曲は、これまでのPerfumeの楽曲にはなかったような、エモーショナルで生命力の強さを感じる。







「この楽曲は・・・・ 本当にあの中田氏が作り上げたものなのか?」







それぐらい真っ直ぐでエモーショナルな、ある意味、かなり意外な作風であり、そのことに衝撃を受けるほど驚いた。それと同時に中田氏の引出しの多さと、懐の深さを改めて思い知らされたのだ。「中田氏はこのような楽曲も作れるのか・・・・」

そしてこのようなエモーショナルな楽曲をPerfumeとして新たに取り組める日が来るとは思いもしなかった。そしてやはり「Cosmic Explorer」という楽曲は "Perfumeの新たな船出と更なる可能性を提示する" といったような使命を有しているのだろう。



確かにこのアルバムのストラクチャルな部分を担っているのは「STORY」だ。しかし「Cosmic Explorer」は今後のPerfumeの行く先を指し示す羅針盤のような意味合いを担っているように思えてくるのだ。



そして久しぶりにバンド組んで演奏してみたい・・・・・ 「Cosmic Explorer」はオレの演奏に対する欲求を沸々と復活させる、久々の楽曲だと思った。








さて今回のアルバムはロックやプログレッシブ・ロック、フュージョン、ファンクなどの要素をを取り入れつつ、J-POPというカテゴリーでリリースされてはいるものの、やはりアルバム全体としては紛れもなくフロア志向のダンス・ミュージックだ。しかしいわゆる典型的な Electronic Dance Music (EDM) とは一線を画すことに成功したように思える。

それと同時に、今やPerfumeはJ-POPや歌謡、EDM といった概念や呪縛から解き放たれ、新しいPOPカルチャーと新しいダンスミュージックを、我々の前に提示しているように思えてくる。だからこそ、オレはこのアルバムの楽曲群を安易に "Electronic Dance Music (EDM)" とは呼びたくない。






中田氏や彼女たちが提示しようとしているダンスミュージックはまた新たな概念であり、オレはこの楽曲群を "Evolution Dance Music" と呼びたい・・・・ 





・・・・心の底からそう思った。





そう、このアルバムを引っ提げて、彼女たちは "Evolution Dance Music " への扉を開き、その航海へと、今旅立ったのだ・・・・・・。













<○追記>


「Baby Face」は春のリリースを考慮しての、あえてのセレクトなのだろうか。サウンド的に "桜並木" が似合うような気がする。


「Baby Face」を聴きながら、桜の花びらが舞い散る中・・・・ 桜並木をゆっくりと歩きたい。そんな衝動に駆られるのはオレだけだろうか(笑顔)。












<○追記2・6日pm20:10>



今朝の『めざましテレビ(CX系)』に、Perfumeが『Cosmic Explorer』のプロモーションで出演した。










今現在のPerfumeの "凛とした立ち姿" が、中田氏に「Cosmic Explorer」のような楽曲を作らせるのか・・・・ 

それともこの楽曲が、彼女たちに"凛とした立ち姿" を作らせ、こんなにもパワフルに、且つエモーショナルな雰囲気を身にまとわせることにつながっているのだろうか・・・・






いづれにしても「Cosmic Explorer」が、Perfumeのターニング・ポイントとなる楽曲になりそうだ。本当に良い楽曲をもらったなぁ・・・・(笑顔)。









【早期購入特典あり】COSMIC EXPLORER(初回限定盤A)(2CD+Bu-ray)【特.../Perfume

¥4,644
Amazon.co.jp

【早期購入特典あり】COSMIC EXPLORER(初回限定盤B)(2CD+DVD)【特典:未定】/Perfume

¥4,212
Amazon.co.jp

【早期購入特典あり】COSMIC EXPLORER【特典:未定】/Perfume

¥3,240
Amazon.co.jp

FLASH BACK/capsule

¥2,310
Amazon.co.jp

ロッキング・オン・ジャパン 2016年 05 月号 [雑誌]/ロッキングオン

¥710
Amazon.co.jp