[追記あり] Live空間全体の熱量と"動と静" を封じ込めたい・・・・  | 音楽三昧 ・・・ Perfumeとcapsuleの世界

[追記あり] Live空間全体の熱量と"動と静" を封じ込めたい・・・・ 

昨日は帰宅後、「Perfume Second Tour 2009『直角二等辺三角形TOUR』」のBD版を鑑賞する。本編は "2009年10月15日の横浜アリーナ" での模様を収録したものだが、これもオレは現場で観ていると思うと感慨深い。





さて、この作品の画質はBD版とDVD版との差が「Perfume 『BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!』」ほどではなく、DVD版が健闘しているのが印象的でもあった。それでもBD版の画質には感嘆の声が出てしまう。


特に1曲目の「Take off(extended mix)」では画質向上により臨場感が高まり、収録当日の観客席にいるような錯覚に陥る。それだけでも感涙。続く「NIGHT FLIGHT」では白い衣装とレーザーやライティングとのコントラストが鮮やかで、衣装とメンバーの肌の白さが引き立っている。


「edge(⊿-mix)」では数多のレーザーがDVD版よりも鮮明で、鋭く向かってくるように感じられ圧倒される。凄い・・・・。






さてこのLive映像作品はPefumeのMVを数多く手掛ける関和亮氏がディレクションを担当している。意外にも関氏がディレクションするLive映像作品は少なく、この作品の他には「ファン・サーヴィス[bitter](2007年)」ぐらいだ。



それでこの『直角二等辺三角形TOUR』の映像作品はCS波の "MUSIC ON! TV" での放映が先行し、その後のDVD版がリリースという時系列であった。そういうこともあってかDVD版がリリースされた当時は、両作品間における作風のかなりの違いからDVD版に対する賛否両論が渦巻いた。





DVD版に否定的な意見を述べる方々のその理由は、







○観客席から撮影し、オーディエンスの上肢や頭が入って、メンバー自体が隠れている映像が多くインサートされている

○カメラ・スイッチングが多く、メンバーのダンスパフォーマンスのフォーメーションや振付が把握できない

○メンバーに対する極端な "寄り" の映像も多く、やはりフォーメーションや振付が把握できない








といったものだと思う。オレ自身はDVD版がリリースされた当時は、これらのような否定的な意見も理解できるものの、しかしながら「そこまで批判するような作品の仕上がりだろうか」と感じていた。




オレ自身はCS放送版のほうがオーソドックスな "ステージングの記録映像作品" 的な手法に徹しすぎるあまり、逆に平坦な印象に感じられた。むしろDVD版のほうが奥行きが深く、立体感を持った"Live感" を感じさせてくれると感じていた。

さらに言うならば当時は、DVD版はステージングは当然のことながら、メンバーやこのLiveを支えるstaff、更に会場に足を運んだオーディエンスの熱量を一挙に封入するために、関氏はこのような手法をとったのではないかと考えていた。










それで昨日にBD版を鑑賞し、精細な映像を見つめているとある言葉が頭の片隅をよぎった。







「身体運動とは、時系列的な静止姿勢の変化の連続体である」






この言葉は誰が発したものなのかは割愛するとして(苦笑)、そのときにようやく気づいたことがあった。それは、






「この作品はスチール画像(静止画)を撮影・編集するような視点でアプローチし、その "スチール画像を繋げるような感性" を用いることで、Live空間における "静と動" を表現しようとしたのではないか





ということだった。



関氏のバックボーンはあくまでも "スチール・カメラ" 的な要素だとオレは常々感じていた。それが影響してか、動画をバックボーンとしたディレクター達とは、そのアプローチが一線を画すように感じられるのだ。そしてオレ自身がスチール画像を多少嗜むということもあってか、関氏の動画作品に圧倒的なシンパシーを感じる(スチール画像を嗜む方々には、この感覚は共感頂けると思う)。




さてオレはPerfume関連の動画を用いて静止画のキャプチャを頻繁に行うが、その理由の一つに、






「 "静止姿勢の変化の連続性" の中では気づけないような、"その瞬間" を切り取りたい・・・」






というものが挙げられる。このことはそれと同時に、






「静止姿勢の中に潜む "動" を永遠のものにしたい・・・」






という欲求もあるからなのだ。





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その一方で関氏は静止画を繋げるような感性を用いつつ、動画を生み出し、






「その "動" を表現しつつも、更に 動画の中に潜む "静" にもフォーカスを当てるということをある意味逆説的にアプローチすることで、Live空間全体における "動と静" を表現する






というような狙いがあるように、BD版を鑑賞しながらそこはかとなく思えてきた。





皆さんからすると "ステージングの記録映像作品" としては、この作品は褒められるものではないのかもしれない。しかし「Live空間全体の熱量と"動と静" を封じ込め、それを表現した映像作品」としては、なかなか稀有で秀逸なものだと改めて昨日感じさせられたが・・・・ 









さてどうだろうか。














<○追記・17日am11:49>




オレが「静止姿勢の中に潜む "動" を永遠のものにしたい・・・」と思う瞬間の例を挙げてみた。



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