[追記3あり] "暗黒の世界へ" と誘う、その響きたち・・・・
既にご存知の方々も多いかもしれないが中田ヤスタカ氏が手掛けた、映画「スター・トレック イントゥ・ダークネス」の挿入曲「Into Darkness」のMVが公開されている(日本版)。
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スター・トレック』新作とコラボ。中田ヤスタカの最新トラックが公開に
本楽曲は、劇中に登場するクラブシーンで流れるトラックを世界6か国のアーティストが共同プロデュースするプロジェクトのために制作されたもので、中田はきゃりーぱみゅぱみゅをゲストボーカルに迎えて『Into Darkness』を作り上げた。このほど公開されたミュージック・トレーラーはカンヌ国際広告祭の『Perfume LIVE performance』の映像演出を手がけたTAKCOMが演出を手がけており、楽曲のレコーディング風景や、予告編にも登場しなかった映画の未公開シーンも収録。
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そうなのだ。実はカンヌ国際広告祭でのPerfumeのパフォーマンス時の映像を手掛けたTAKCOM氏が、この映像作品にも関わっているのだ。この辺も注目すべきポイントだと思う。
さて、MVの前半はなんと中田氏のプライベートスタジオの模様。
新スタジオになってから変わらずの、モニタースピーカーであるGENELEC製の "8040A"
*以前のスタジオの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2011年4月号より
*昨年の『Inter BEE 2012』にオレが出向いたときに、GENELECのブースにも立ち寄った際に撮影したもの
ラックの中のアウトボード類も以前と変更が無さそうで、相変わらずイギリスのTL AUDIO社のベストセラー・モデル "5051" を用いているようだ。
*旧スタジオの様子。ラックの一番上にマウントされているのが、TL AUDIO社の"5051" である。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2008年12月号より
ただし以前と違うのはワークデスクの方向をボーカル・ブースと対面になるように変更したようで。
*以前レイアウトとボーカル・ブース。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2011年4月号より
これでボーカリストの表情などを確認しながら、ボーカルパートの収録ができる。
デスク上の機材もほとんど変更が見られない。左からマイク・プリアンプ(マイクプリ)のSolid State Logic製の "Xlogic Mynx" に搭載された"XLogic X-Rack Mic amp Module XR621" で、その隣にはモニター・コントローラーのconisis製の"M04"。メインキーボードはYAMAHA製シンセサイザーのハイエンドモデルの "MOTIF XF7" となっている。
*左からマイクプリのSolid State Logic製の "XLogic X-Rack Mic amp Module XR621" で中央にあるのがモニター・コントローラーのconisis製の"M04"。「サウンド&レコーディング・マガジン・2012年4月号」より
*YAMAHA製シンセサイザーのハイエンドモデルの "MOTIF XF7" 。「サウンド&レコーディング・マガジン・2012年4月号」より
特筆すべきは新スタジオになって、ボーカルブースにボーカリストが入って歌唱している映像の公開は初となる。
そして使用しているマイクはおそらく・・・・・ 以前のエントリーでも取り上げたが『Magic of Love』収録時から変更されたという "ボーカル録りの名機" と呼ばれている"アレ" だろう。
*NEUMANN製の『U 87 Ai』。参考価格¥388,500 円(税込)
やはり "ボーカル録りの名機" と言えば、世界中の商業スタジオのスタンダードともいえるNEUMANN製の『U 87 Ai』がその代名詞だろう。この『U 87 Ai』でボーカル録りをすると中音域が濃厚で、キメの細かい、繊細な表現が収録できると思う。
さて肝心の楽曲の響きの傾向だが、抑制され落ち着いた雰囲気でありながらやはり中田氏らしいエッセンスが満載で、オレはかなり好みの響きだ。
今のところiTunes限定で配信らしいのだが、おそらくサウンドトラックはリリースされるだろうから、それまで楽しみに待ちたいと思う。
[オリジナル・エントリー 2013年7月10日]
<○追記・7月13日pm18:45>
あっ、そうそう。この画像からはDAWで用いているコンピューターが二台と白いギターが見える。
これらも以前から用いている機材で、このBLOGの過去のエントリーでも何回か取り上げている。
*左が新PCで「OM FACTORY製」のもの。HDDは2TB×2台で"RAID1"を構築してある。右が旧PCで、なんと中田氏自身が作成した自作PC。こちらも"RAID1"が構成してある。『サウンド&レコーディング・マガジン』2011年4月号より
*向かって左側は中田氏のスタジオに置かれたYAMAHA製ギターの『RGX A2』(サウンド&レコーディングマガジン2011年4月号より)
向かって右側はYAMAHA製ベースの『RBX A2』(サウンド&レコーディングマガジン2010年4月号より)
ちなみにこの『RGX A2』と『RBX A2』はMAN WITH A MISSIONがLiveで用いているギターとベースでもある。一応ご参考までに(笑)。
<○追記2・8月23日pm20:23>
ナタリーにて、映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の公開に向け、監督のJ.J.エイブラムス監督と日本版の楽曲を手掛けた中田ヤスタカ氏との対談記事が公開された。
オレが興味を持った部分について少し取り上げたいと思う。
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「ライター : 今回中田さんが手がけた「Into Darkness」では、ボーカルにきゃりーぱみゅぱみゅが参加していますが、普段のきゃりーの作品におけるボーカルとはかなり歌の音処理の仕方が異なってますよね。今回、きゃりーを起用した理由、そして、いわゆる“きゃりーっぽい歌”ではない歌にした理由を教えてください。」
「中田 : まず、名義が違うというのが大きくて。「きゃりーぱみゅぱみゅ」を僕がプロデュースする音楽ではなく、「中田ヤスタカ」の名義で制作に参加する作品だということ。そして、そもそもこれは映画のための曲であってボーカルプロデュースとはまったく異なります。」
「中田 : ほかの人に入ってもらう選択肢もありましたが、そういった曲にあえてきゃりーが参加することで、音楽活動というものの面白さが立体的にいろいろ見えてくるんじゃないかなって。」
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この『Into Darkness』のトラックときゃりー氏のボーカルの響きを聴いて、"何もわざわざ、きゃりー氏に歌わせなくても、盟友のこしじまとしこ氏(CAPSULE)に歌わせれば良いのではないだろうか" という意見を多く見かけた。
まぁ、正直言えばオレもそう思わなくもないわけではなかったが(苦笑)。今回のインタビューの中田氏の発言でなんとなく納得できた。このインタビューの文面を短絡的に捉えれば、その中田氏の狙いとしては、
「今回は "CAPSULE名義" での作品ではないので、その雰囲気は薄めたい。」
「またこれまでの "中田ヤスタカ名義" の楽曲とはまた切り口を変え、自らの新しい可能性を引き出すためにきゃりー氏をゲストボーカルとして採用した。」
というところなのだろう。しかし更にこの発言でオレが感じたのは、中田氏はきゃりー氏の今後をも視野に入れて、あえてゲストボーカルに指名したのではないのだろうかということだ。
現在は飛ぶ鳥を落とす勢いのきゃりー氏。しかし客観的に見るとその消費スピードはかなり速いものにも感じられる。そういうこともあって、きゃりー氏の芸能・音楽活動のシフトチェンジする機会はそう遠くないように思える。
"その時が来る前に一度、彼女に音楽活動の多様性と多層構造を見せておきたかった" というのもあるのかもしれないと思ったが・・・・
・・・・ さてどうだろうか。
<○追記3・8月25日pm19:35>
このエントリーにコメントを頂いたYKさんが、中田氏の旧スタジオで用いられていたモニター・スピーカーのYAMAHA製『NS-10M』、通称 "テンモニ" の行方を気にされていたが・・・・
* 前スタジオの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2010年4月号より。白いコーンのウーファーが特徴的なYAMAHA製の『NS-10M』
それで実は・・・・ しばらくはここに置かれていたようだ(笑)。
*新スタジオのボーカルブースの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2011年4月号より。赤く囲ったところにYAMAHA製の『NS-10M』が鎮座しているのがわかる
しかしこの画像は2011年のものなので、2013年現在は果たして中田氏が所有しているのかどうかは不明となっている。
一応、ご参考までに。
Neumann U87Ai Nickel/Neumann
¥388,500
Amazon.co.jp
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガ.../サウンド&レコーディング・マガジン編集部
¥980
Amazon.co.jp
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガ.../リットーミュージック
¥1,100
Amazon.co.jp
SSL XLogic X-Rack Mic Amp Module/Solid State Logic
¥価格不明
Amazon.co.jp
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スター・トレック』新作とコラボ。中田ヤスタカの最新トラックが公開に
本楽曲は、劇中に登場するクラブシーンで流れるトラックを世界6か国のアーティストが共同プロデュースするプロジェクトのために制作されたもので、中田はきゃりーぱみゅぱみゅをゲストボーカルに迎えて『Into Darkness』を作り上げた。このほど公開されたミュージック・トレーラーはカンヌ国際広告祭の『Perfume LIVE performance』の映像演出を手がけたTAKCOMが演出を手がけており、楽曲のレコーディング風景や、予告編にも登場しなかった映画の未公開シーンも収録。
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そうなのだ。実はカンヌ国際広告祭でのPerfumeのパフォーマンス時の映像を手掛けたTAKCOM氏が、この映像作品にも関わっているのだ。この辺も注目すべきポイントだと思う。
さて、MVの前半はなんと中田氏のプライベートスタジオの模様。
新スタジオになってから変わらずの、モニタースピーカーであるGENELEC製の "8040A"
*以前のスタジオの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2011年4月号より
*昨年の『Inter BEE 2012』にオレが出向いたときに、GENELECのブースにも立ち寄った際に撮影したもの
ラックの中のアウトボード類も以前と変更が無さそうで、相変わらずイギリスのTL AUDIO社のベストセラー・モデル "5051" を用いているようだ。
*旧スタジオの様子。ラックの一番上にマウントされているのが、TL AUDIO社の"5051" である。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2008年12月号より
ただし以前と違うのはワークデスクの方向をボーカル・ブースと対面になるように変更したようで。
*以前レイアウトとボーカル・ブース。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2011年4月号より
これでボーカリストの表情などを確認しながら、ボーカルパートの収録ができる。
デスク上の機材もほとんど変更が見られない。左からマイク・プリアンプ(マイクプリ)のSolid State Logic製の "Xlogic Mynx" に搭載された"XLogic X-Rack Mic amp Module XR621" で、その隣にはモニター・コントローラーのconisis製の"M04"。メインキーボードはYAMAHA製シンセサイザーのハイエンドモデルの "MOTIF XF7" となっている。
*左からマイクプリのSolid State Logic製の "XLogic X-Rack Mic amp Module XR621" で中央にあるのがモニター・コントローラーのconisis製の"M04"。「サウンド&レコーディング・マガジン・2012年4月号」より
*YAMAHA製シンセサイザーのハイエンドモデルの "MOTIF XF7" 。「サウンド&レコーディング・マガジン・2012年4月号」より
特筆すべきは新スタジオになって、ボーカルブースにボーカリストが入って歌唱している映像の公開は初となる。
そして使用しているマイクはおそらく・・・・・ 以前のエントリーでも取り上げたが『Magic of Love』収録時から変更されたという "ボーカル録りの名機" と呼ばれている"アレ" だろう。
*NEUMANN製の『U 87 Ai』。参考価格¥388,500 円(税込)
やはり "ボーカル録りの名機" と言えば、世界中の商業スタジオのスタンダードともいえるNEUMANN製の『U 87 Ai』がその代名詞だろう。この『U 87 Ai』でボーカル録りをすると中音域が濃厚で、キメの細かい、繊細な表現が収録できると思う。
さて肝心の楽曲の響きの傾向だが、抑制され落ち着いた雰囲気でありながらやはり中田氏らしいエッセンスが満載で、オレはかなり好みの響きだ。
今のところiTunes限定で配信らしいのだが、おそらくサウンドトラックはリリースされるだろうから、それまで楽しみに待ちたいと思う。
[オリジナル・エントリー 2013年7月10日]
<○追記・7月13日pm18:45>
あっ、そうそう。この画像からはDAWで用いているコンピューターが二台と白いギターが見える。
これらも以前から用いている機材で、このBLOGの過去のエントリーでも何回か取り上げている。
*左が新PCで「OM FACTORY製」のもの。HDDは2TB×2台で"RAID1"を構築してある。右が旧PCで、なんと中田氏自身が作成した自作PC。こちらも"RAID1"が構成してある。『サウンド&レコーディング・マガジン』2011年4月号より
*向かって左側は中田氏のスタジオに置かれたYAMAHA製ギターの『RGX A2』(サウンド&レコーディングマガジン2011年4月号より)
向かって右側はYAMAHA製ベースの『RBX A2』(サウンド&レコーディングマガジン2010年4月号より)
ちなみにこの『RGX A2』と『RBX A2』はMAN WITH A MISSIONがLiveで用いているギターとベースでもある。一応ご参考までに(笑)。
<○追記2・8月23日pm20:23>
ナタリーにて、映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の公開に向け、監督のJ.J.エイブラムス監督と日本版の楽曲を手掛けた中田ヤスタカ氏との対談記事が公開された。
オレが興味を持った部分について少し取り上げたいと思う。
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「ライター : 今回中田さんが手がけた「Into Darkness」では、ボーカルにきゃりーぱみゅぱみゅが参加していますが、普段のきゃりーの作品におけるボーカルとはかなり歌の音処理の仕方が異なってますよね。今回、きゃりーを起用した理由、そして、いわゆる“きゃりーっぽい歌”ではない歌にした理由を教えてください。」
「中田 : まず、名義が違うというのが大きくて。「きゃりーぱみゅぱみゅ」を僕がプロデュースする音楽ではなく、「中田ヤスタカ」の名義で制作に参加する作品だということ。そして、そもそもこれは映画のための曲であってボーカルプロデュースとはまったく異なります。」
「中田 : ほかの人に入ってもらう選択肢もありましたが、そういった曲にあえてきゃりーが参加することで、音楽活動というものの面白さが立体的にいろいろ見えてくるんじゃないかなって。」
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この『Into Darkness』のトラックときゃりー氏のボーカルの響きを聴いて、"何もわざわざ、きゃりー氏に歌わせなくても、盟友のこしじまとしこ氏(CAPSULE)に歌わせれば良いのではないだろうか" という意見を多く見かけた。
まぁ、正直言えばオレもそう思わなくもないわけではなかったが(苦笑)。今回のインタビューの中田氏の発言でなんとなく納得できた。このインタビューの文面を短絡的に捉えれば、その中田氏の狙いとしては、
「今回は "CAPSULE名義" での作品ではないので、その雰囲気は薄めたい。」
「またこれまでの "中田ヤスタカ名義" の楽曲とはまた切り口を変え、自らの新しい可能性を引き出すためにきゃりー氏をゲストボーカルとして採用した。」
というところなのだろう。しかし更にこの発言でオレが感じたのは、中田氏はきゃりー氏の今後をも視野に入れて、あえてゲストボーカルに指名したのではないのだろうかということだ。
現在は飛ぶ鳥を落とす勢いのきゃりー氏。しかし客観的に見るとその消費スピードはかなり速いものにも感じられる。そういうこともあって、きゃりー氏の芸能・音楽活動のシフトチェンジする機会はそう遠くないように思える。
"その時が来る前に一度、彼女に音楽活動の多様性と多層構造を見せておきたかった" というのもあるのかもしれないと思ったが・・・・
・・・・ さてどうだろうか。
<○追記3・8月25日pm19:35>
このエントリーにコメントを頂いたYKさんが、中田氏の旧スタジオで用いられていたモニター・スピーカーのYAMAHA製『NS-10M』、通称 "テンモニ" の行方を気にされていたが・・・・
* 前スタジオの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2010年4月号より。白いコーンのウーファーが特徴的なYAMAHA製の『NS-10M』
それで実は・・・・ しばらくはここに置かれていたようだ(笑)。
*新スタジオのボーカルブースの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2011年4月号より。赤く囲ったところにYAMAHA製の『NS-10M』が鎮座しているのがわかる
しかしこの画像は2011年のものなので、2013年現在は果たして中田氏が所有しているのかどうかは不明となっている。
一応、ご参考までに。
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