アメリカ車で見受けられる不具合 | パワカンのブログ(輸入車個人輸入代行)

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いつもご覧頂きありがとうございます。


ブログを見つけて下さる方は、アメリカ車を購入するにあたって、色んな問題や諸事情に頭を悩ませた結果と言うケースが多いようです。アメリカ車に興味のある方は、雑誌や聞いたことのある所で購入されるのが大半で、SEO対策などしていないパワーカウンティを見付けるのは簡単ではないかも知れませんが


来られるお客様から、

インターネットで探す

すぐに見つかるお店を見ているうちに疑問に気付く

更に慎重に探す

そうした努力なしに満足のいく購入にたどり着けないと言うのが大半の意見のようです。


こうして見付けて下さった事に感謝です。

ありがとうございます。


購入するとか、しないとか、に関わらず、友達感覚でちょっと立ち寄って行って頂ければと思います。


国内で販売している車は距離の戻しは今さら当たり前のように常態化していますが、それ以上に修理や不具合の追いかけっこは苦痛です。


かと言って、壊れない車はありません。

弊社でアメリカから輸入しても、故障します。


ただ、頻度、金額、内容の問題が焦点になります。

これは国産車でも同じですね。


勿論、アメリカからきちんとした車両を輸入すれば、一般的に言われる頻度では故障しないのは当然ですが、それでも、よくある不具合やよく質問頂く事を記事にしてみたいと思います。



バッテリーが引き起こす症状


これは想像以上に大きい。

特にコンピューターの制御が多くを占める最近の車では、常に念頭に置く必要があります。

バッテリーが電圧降下や不安定になりだすと下記を発症することがあります。


①エンジン マルファンクション警告灯 いわゆるエンジンチェックランプ

②ABS警告灯

③スリープモードに入らない バッテリー上がり

④スタビリティコントロール警告灯

⑤オーディオ機器の動作不良


①は診断してコードを取り出しても、電源供給の問題と出ない事が多く、スロットルポジションセンサー不良や予期しないコードが出て来る事があります。

一つ一つを交換して行くと、されなりの金額になってしまいますので、当然ながら安価に済むものから試す必要があります。

例えば、ABSセンサー不良と出た場合、左右を交換して再度コードを取り出すなどすれば、車によってはジャッキアップなどせずに簡単に交換できる車種(例えばチャージャー)が結構あります。


では、バッテリーをチェックすれば良いのか、と言うと、なかなかそう簡単ではありません。

バッテリーの診断が良好と出たからと言って、必ずしもその車の不具合を引き起こしていないとは限りません。もしバッテリーを交換して5年を経過していれば取り換えて損はありません。

それがまだ純正品の1年生で、診断結果も良好と出たらバッテリーは候補から外してしまうものです。

そういう時の為に、容量の大きなバッテリーを用意しておく必要があります。


③のバッテリー上がり スリープモードに入らず、と言うケースはバッテリーを疑わず、

漏電 短絡 と何かしらの放電が原因、原因が見つからない場合は、BCM(コンピューター)の問題が疑われるのが一般的です。バッテリーを繋げたままコネクターを抜き差しした、とか電装品を追加した際に、信号の取り出し先を誤ったとか。FORDはVCM(Ⅱ)、GMはTECH2(Ⅲ)、CHRYSLERはSTARテスターなど、コンピューターを交換するとユニット自体は高価でなくとも、再プログラムをするコストが掛かります。このコストはテスターの使用を維持するために支払っている年間のライセンス料や機材代がベースなので、作業自体は簡単そうに見えても高いものです。

ウン十万円まで掛からなくとも、4~5万円で、と言うレベルでもありません。

そして、一緒にバッテリーを交換する事を考えるのですが

ならば、まずはバッテリーを疑ってみてはいかがでしょうか。

極端な言い方ですが、新車についてくるバッテリー自体が個体差で問題を持っているものがあるかも知れません。

まだ新しいし診断結果も良好だけどバッテリーを交換したら、ドアをロックして消えなかったメーターの液晶などが消えるようになった、と言うこともあります。

そういえば、昔のFORDにバッテリー上がりをステップのコーテシーライトの点滅で知らされる車種がありました。電圧が低下して何か点灯する、と言うケースもある、と言う例です。


バッテリーを交換したら上記①~⑤の警告が消えた、と言う例は珍しくありません。



ミスファイアー(失火)


どこかシリンダーで火花が飛んでいない、または圧縮が出来ていない、爆発していない所がある、と言うことです。プラグの問題が大いにあり、熱価の違いからすぐに消耗していたり、プラグが緩んでいたせいで圧縮が出なかった、プラグワイヤー(ハイテンション コード)が通電しきれていない、インジェクションの不具合、バルブと様々ですが、プラグとワイヤーの問題が多々見受けられます。

一度直したんだけれど、と言う場合、他のプラグの締め付けがあまくて緩んだ結果、圧縮が出ていない。そんな時は、エンジンチェックランプと同時に、吹け上がらない、停車時のタペット音が気になる、など至って分かりやすいものが多いものです。



ガスキャップの締め損ね


ガソリンタンク内の内圧の変化により、エンジンチェックランプが点灯するケースですが、とても多い代表例です。何も変化は感じられないレベルのものです。点灯した場合はガスキャップの緩みを確認してみると良いでしょう。一度開けて、また閉める。出来たら、ガソリン入れに行くついでに試してみて下さい。


尚、一度読みこんだら消えないエンジンチェックランプもあるので、その時はバッテリーのマイナス端子を外して戻す。そうして警告灯をリセット、様子を見ます。



O2センサー(オーツーセンサー)


英語ではオキシジェン(OXYGEN)センサー。これも不具合を感じず、チェックランプだけ点灯するパターンがあります。排気ガスの濃度を読み取るためのセンサーなので、不具合があればアイドリングの安定性を欠く事にも繋がります。

O2センサーは大抵複数取り付けられていて、V型の場合はエキゾーストパイプの分岐側でBANK1、BANK2と区別されます。同じ形状を偶数で使うケースが殆どなので、不良と思われる部位が特定出来たら、正常と思われる部位と位置替えをしてみて試す事が可能です。電圧測定にて確認する事もできるので、明らかに低い場合は交換となります。平均的に1万円位の部品でしょうか。

注意事項としては、センサーなので、排ガスで汚れているからとパーツクリーナーなどで洗浄したり拭いたりしないように注意してください。



スタビリティ コントロール


排気ガスの濃度で併発する可能性があります。例えば、ミスファイアーすることで、エンジンチェックランプと共に点灯するなど。一度に2つの不具合が発生したように思えますが、慌てず、まずミスファイアーを解消してください。一緒に解決されることがあります。

ABS警告灯


マニュアル車の場合は、ブレーキオイルのリザーバータンクにクラッチ用のオイルが同居しています。

エアーが混入した場合、ABSに影響を与えるので、ブレーキのエア抜きをする際、ミッションを外す際は、タンク内を空にしないように注意する必要があります。


単にABSセンサーの不良と言うこともあります。1万円もしない程度のものですが、先に書いたように、左右を交換して、エラーコード上で右-左が入れ替われば交換、と考えて良いでしょう。停めたままボンネットも開けずに交換できるケースがあるレベルの作業です。



DODGEに報告されているダッジ チャレンジャーのマニュアル トランスミッションの不具合


例えば、ダッジ チャレンジャーの6MT。

クライスラーのブレティンでも報告されているものがあります。

米国のチャレンジャーのフォーラム でも探す事ができます)
シフトチェンジする際に、ギアが入らない、抜けない、と言う症状です。

2008年モデルからで約10万キロ程度で現れるようですが、弊社でお客様が輸入した際に、似た症状が確認できたので整備をしました。弊社では納車前の無料整備でしたが、参考までにアメリカでは8万円程度の整備となるようです。

使用されている6速トランスミッションはトレメックのTR6060で、カマロやマスタングにも使用されていますが、プレッシャープレート寄りのディスクとの相性によるものなので、チャレンジャーに特定されます。

修理方法としては、マフラー、エキゾーストマニフォールド、ドライブシャフト、シフトノブ、シフターの順に外すことで、トランスミッションをエンジンから切り離す事ができます。

インプットシャフトとディスクの清掃整備で解決するものとされています。つまり、ディスクがシャフトにへばり付く事が原因ですが、元来そうなる影響を及ぼしているであろう部位は全て整備する必要があると思われますので、重作業なだけに一通りのメンテナンスをして組み直さないと大変面倒なことになりかねません。更に、また数年後にクラッチディスクの交換とならないように、整備の際は同じタイミングでプレッシャープレートやディスク、ベアリング、スレーブシリンダー(スローアウトベアリング等)の交換もおすすめします。
エンジンが回っていない状態ではギアは抜けるが、アイドリング時、走行時には抜けにくくなる頻度が上がると、インプットシャフト側の歯を痛め続け、シャフトの交換が必要となる可能性が十分に考えられるので、早期の整備が求められます。



エンジン掛け始め、モーターオイルの粘度が引き起こすエンジントラブル


昨今の省エネ時代では、0W-20 や 5W20など、燃費を考慮してサラサラのオイルを指定する傾向にありますが、最初の数字(0や5)が高ければオイルの粘度も増します(硬くなります)。高回転用に数字は高くしたくなりますが、その場合は、後ろの数字を高くします。例えば5W20を5W30や5W40にするなどです。

そうすることで、オイルが熱くなっても温度に耐えられるようにする訳です。

しかし、最初の数字は指定を守ったほうが良さそうです。

エンジン内にはオイルの通り道があり、細い通路があります。オイルが硬いことで十分にエンジンに行き渡らないことで、エンジン内を破損する事も考えられるからです。オイルが行き渡らないうちに、叩かれたバルブやスプリングが折れるケースがある、と言う話を耳にしましたが、ここから考えられるのは、オイルの粘度とかけ始めたばかりのエンジンへのストレスの大きさです。

暖機をする、というのはそういう意味があります。オイルが暖かくなることで、流動的にエンジン内を保護してくれるのを待つと言う訳です。暖機をしている暇がない時は、回転を上げずに慎重に走る事が重要です。

冬の時期にありがちな、早く暖かくしたいがために回転を上げる、などは寿命を縮める以前に致命的なトラブルを引き起こす可能性を高めてしまいます。特に重い車にとってはストレスです。

普段からあまり飛ばさないから大丈夫、と安心している方、くれぐれもご注意ください。


それと、減速比を変えた方は、高くてもオイル粘度の後ろの数字も上げて下さい。



一見どれも国産車にもありがちな症状ばかりで特別な作業ではありません。


でもこうした原因と結果に至るまでに長い道のりを歩かされた方がいるのも事実です。


至ってシンプルで初歩的な問題でも、大袈裟になるとコストも増えるばかりです。



電装品の不具合


車に使用される電装品は様々ですが、12ボルトの電気で動くものは、全てプラスとマイナスがあります。

その中で気になるのが、プラスの電気を流して動かない=機械の故障 と言う結論です。部品を手配してしまうと、そこじゃなかったとは言えないので、修理費が積み重なります。問題が治されるまで工賃と部品代が積み上げられます。こうしたケースに初歩的な見逃しが多いのは、マイナス(アース、グランド)の確認をし忘れている事です。単に接点が腐食していたり、ちぎれそうになっていると、起動したりしなかったりします。

シフトロックが解除されない時がある。これも電装品の一部です。

出先だったので近隣でブレーキのスイッチだなんだのと診てもらったものの結局解決せず、ロックだけ解除しておいてもらい、後で弊社で診たら単にアースが千切れかけていただけ、と言う結論です。工賃が発生するレベルでもありませんでした。


遠方の車屋さんから連絡があり、電装品の不具合がどうしても治らない、と言う連絡がありました。

あれ、これ、と確認をしてもらって、問題ないという返答から、マイナスは確認したか?と言う問いに対し「え?」と言う答え。確認してみると言って、それきりです。その作業に幾ら請求したのかわかりません。


こうした作業は往々にしてあるものですから、難しくとらえず基本を見直してみる事が大切です。


それでは、今後ともパワーカウンティをよろしくお願い申し上げます。