手術の2日前に入院し、前日に執刀医から手術の説明を受けました。


主治医ではない執刀医からの説明に、最初は少し戸惑いながらも、話を聞きながら必死にメモを取りました。


腫瘍は短期間で大きくなり、約10cm。


最悪の場合、開腹してもそのまま閉じる可能性があること。

手術時間は約8時間。

そして、考えられるあらゆるリスクの説明が続きました。


その話を聞きながら、


「もしそのまま閉じることになったら、あとどのくらい生きられるんだろう」


そのことばかりが頭の中を巡り、涙が込み上げてきました。


隣で同じ説明を聞いていた親は、驚くほど冷静に見えました。


説明が終わったあと、親とは別に執刀医と話す時間をもらい、もし手術ができずに閉じた場合の寿命は、1〜2か月程度。腫瘍が取り切れたとしても、長くて2年程度。


そう聞いた瞬間、涙が止まりませんでした。明日の結果次第で、2ヶ月程度しか一緒に過ごせないのかと…。


普段は医療職として説明をする側ですが、

この日は家族として説明を受ける立場でした。


最悪の状況を伝えることの意味は理解しているつもりでしたが、

それが自分の親のことになると、冷静に受け止めることはできませんでした。


説明が終わったあと、泣いている自分を見て、親が「大丈夫?」と声をかけてくれました。


本来は、自分がかけるべき言葉なのに。


それでも、ここで泣いたままではいけないと思い、笑顔で帰ろうと決めました。


当時はコロナの影響で、説明後にゆっくり話す時間もなく、すぐに帰らなければなりませんでした。


「また夜に連絡するね」


そう伝えてエレベーターホールに向かうと、見送りに来てくれた親も涙を流していました。

「泣いているのが心配」

そう言われて、思わず抱きしめました。


夜に連絡することを約束して、病院をあとにしました。


その後、一緒に来ていた家族と、

「もう明日の手術の成功を祈るしかないね」と話しました。


その日の夜は、食事も喉を通らず。


消灯前に親に電話をして、「明日は頑張って」と伝え、10分ほど話しました。


翌朝は8時に病院へ。


自宅から病院までは1時間半かかるため、朝6時に家を出て向かいました。