倭文麻環。しずのおだまき、と読みます。
昔々、薩摩でまとめられた、昔話や奇妙な伝説、伝聞等々を集めた書物なのですが。
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かごしま昔物語『倭文麻環』の世界
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こういう本で紹介されているのですよ。
で、眺めてたら海の怪物二種が紹介されていました。
それが、奄美の鼉龍と荒田の濱の怪物。
鼉龍(だりゅう、だりょう。駝龍とも書く)というのは、これ。
Σ(゚Д゚)
ずんぐりむっくりな体形のドラゴン!!
……ではなくワニ。
デカい。:(;゙゚''ω゚''):
二丈の大きさがあったと書かれていますが、約6メートルて。:(;゙゚''ω゚''):
体は灰黒で腹は黄色、前足が四本指、後ろ足が五本指。
ワニの指って前後で本数違うのですね。実際は前が五本で、後ろが四本らしいですが。記録を間違えたのかな。
しかし、デカい。:(;゙゚''ω゚''):
先頃、奄美の住用町でちっこいワニが捕獲されたというニュースがあり、その際、幕末に書かれた南島雑話にも載っていたよ! と紹介されていました。
まさか、こちらでも紹介されていたとは。
しかも、倭文麻環に載っているの寛政十二年二月の話なんですよね。1800年です。南島雑話が書かれたのは1850-1855年。
南島雑話に書かれたのが、この時の話を聞いて書いたのではなく、作者の体験ならば、奄美にワニが流れ着くのは珍しいと言えば珍しいけど、数十年に一度はある程度の珍しさ?
昭和にもあったようだし。
さらにビックリなのが、その前には甑島の沖でも捕らえたことがあるって話ですよ。そっちも詳しく教えてー。(;゚Д゚)
甑島って、ここです。
こんなところまで来るのか。:(;゙゚''ω゚''):
奄美から、さらに300kmは離れてますが。
もう一つの怪物、荒田の濱の怪物。
荒田の濱は与次郎ヶ浜。
いまは埋め立てられ浜辺はありませんが、昔は塩田があり、その塩田を始めたのが与次郎と言う人だったので、与次郎ヶ浜と呼ばれるようになったとかとか。
で、その浜の脇を流れる田毛川(甲突川? と注釈あり)の河口付近に、ぷかりと浮かぶ怪物の頭。
それが、こちら。
(; ・`д・´)
頭の大きさは獒犬より太く、目の周り六、七寸(約20cm)。眼光鋭く、人を射るよう。薄黒い髪毛があり、耳はなし。
獒犬。原書には”オホイヌ”と振り仮名が振ってあり、上記の紹介本では「大犬」とわかり易くなってます。
獒犬は中国語で……マスティフ?(;゚Д゚)
日本では大型犬の意味合いでいいんだろうか。当時の大型犬て、どんな子がいたのか。土佐? 秋田? 外国の犬種も入ってきてそうかな。
漁夫曰く「人魚だと思うけど、全身見てないから何ともなぁ。目が大きく、耳がないからアシカではないだろうし、毛もあるからカメやワニの類でもないよなー」「身の丈が一丈あまりで鱗がなくて毛が生えてて、手があったって言う人もいるよ」
アシカ知られてたんだ、って思ったらニホンアシカがいて九州沿岸も生息域だったのか。Σ(゚Д゚)
そりゃ、見分けつくだろうなぁ。
こんな感じでたまちゃんと呼ばれていた子を思い出しましたが、でも鹿児島じゃなぁ……なんか宮崎にすわちゃんって子がいるらしいデスネ。(;・∀・)
ずいぶん南下してくるんだなぁ。
でも、ゴマちゃん眼光鋭くないし、オスでも2メートルないぐらいなんですね。
……ググってたら、やたら眼光鋭い南極の王者とか見かけました。:(;゙゚''ω゚''):
大きさも個体によっては4メートルいくとか。手もおっきい。
絵の怪物、デカすぎでしょw って、言えない。:(;゙゚''ω゚''):
http://karapaia.com/archives/52156654.html
でも、まさかなぁ。(;´Д`)
江戸時代はミニ氷河期だったと言われますが(怪物の記録は文化10年。隅田川が凍ったのは文化9年)、南極辺りに生息する生き物が日本まで北上してくるということはあるんだろうか……。
それとも、少し小柄になるけどゼニガタの方かな。
それかキタゾウかな。大きさもあるし、現代でも保護例があるくらいだから、こっちの方が可能性は高いか。
謎だ。(-ω-;)ウーン
国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/899887 96コマ~