悪循環の始まり② | 誕生日お祝い専門レストラン デラセラのブログ

悪循環の始まり②

当店が以前安売りをして悪循環にはまり廃業寸前までに到った経緯を紹介していきます。
小さな個人店が大手に対抗して価格勝負し負のスパイラルでもがいていく様子です。



● 2003年2月

夜の12:00以降のお客さんが殆ど来なくなったので、思い切ってランチを始めることにしました。当然ランチも安売りしました。安売りをはじめてからどうなったかというと

一時的にお客さんは増えましたが、単価は落ちるし、売る上げも思ったように伸びませんでした。それで、何を考えたかというともっと安く売ろう!!



こう考えました。そうすればきっとお客さんは来る。この頃の僕は、お客さんに楽しんでもらおうとか、満足してもらおうとか全く考えていませんでした。

とにかく、売り上げが落ちるし歯止めがきかないので安売りをして売り上げを上げることしか考えていませんでした。


● 2004年3月

安売りをしても一向に売り上げが上がらない状態が続いていました。この時期、もう何をやっていいかわからない状態に陥っていました。友達の店と話しても出るのは愚痴ばかり・・・それに、利益があがらない赤字の月がでてくるようになりました。



月末の支払いや、従業員の給料を支払うのが苦しくなってきました。なけなしの貯蓄を崩しながらの営業です。夜に眠れない日があり、精神的にもかなり苦しくなってきました。



今思うと、悪循環にはまっていたと思います。でも、どうする事もできない!

安売りをしたら、お客さんがはいると思ったのに逆に悪くなっていく・・・



もう、なにがなんだかわからない。

錯乱しそうでした・・・



● 2004年4月

中京テレビのニュースプラス1で、デラセラが取り上げられる事になりました。

『ラッキ~~やっぱり頑張っていればいい事あるじゃん!!』

この番組では、ランチがお値打ちなので紹介されました。

これが、キッカケになって絶対繁盛させるぞ!!そう思い、気合い入りまくりました。

でも、世の中そんなに甘くありませんでした。

結論からいうと、更に悪化してデラセラを愛してくれていた方を見殺しにしてしまいました。



この時の取材理由は、料理のコストパフォーマンスが非常に高いからという事でした。
取材の話が来たときは、本当に?だまされてない?と真剣に思いました。

とりあえず、取材を受けて夕方に放映されました。
だいたい、18:20分くらいだったと思います。

その5分程の放送が終了したとたんお店の電話が鳴りました!!

それから、1時間以上も鳴りっ放しです・・・正直、びびりました。

テレビの反響はこんなに、すごいのかと・・ 

翌日からは、さらなる反響がありました。

すごい人数のお客さんが、次々と来店されるんです。 
それも、知立、豊明、岐阜と今までは考えられない遠方からきてくださいました。

その時の僕は、るんるんでした。

なぜかって、これほど一気にお客さんが来てくれるなんて、
初めてでしたから!!それに、こんなに遠くから来てくれるし・・・

その後、訪れる悲劇を知らずに・・
そういう状態が約2ヶ月続きました。
もう、スタッフもぼくもヘトヘトです。

ようやく、お店も落ち着いてふと冷静にデラセラを見たときなにか、
違和感を感じました。

その時は、はっきりと分からなかったのですがどうも、おかしいんです。

まっ、疲れてるんでしょうがないよなと、言い訳したりして、その時は、あまり気にしませんでした。

これが、悲劇のはじまりです。じゃ~ん

さっきも言いましたがテレビの効果は、恐ろしいほど強力です。
すさまじい数のお客さんが来店されます。

その人数をこなさなければならず、 正直その時のぼくは時間に追われて、
自分のイメージよりもクォリティーの低い料理をお客様にだしていたのです!!

要は、自分のできる能力の限界をこえていたのです。
恥ずかしながら、有頂天になって気が付かなかったのです。

今おもうと、なんて馬鹿なことをしてしまったのだろう。 後悔の一念です・・・

しかも、テレビにでる前に来てくれていた上客の方が来なくなってしまい明らかに、僕の意図とは違うお客さんが増えてしまいました。 かなりショックでした。

この時こう思いました。
『俺はお客さんを見殺しにした・・・』

僕の大好きなお客さんにも、見放されていったい、自分は何をやってるんだろう・・・

なんの為に頑張ってきたのだろう。