圧巻!圧巻!リオのカーニバル | ちょこっとブラジル!{海外駐在生活記}

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ビジネスマンの夫の海外赴任でやってきた南米ブラジル。リオデジャネイロ駐在を経て、現在はサンパウロで暮らしています。地球の反対側から、海外駐在の毎日をちょこっと発信。

ブラジルと言えば、やっぱり一番有名なのは

『リオのカーニバル』

だろう。


POUCO BRASIL

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でも、リオの治安の悪さと重なって、

「みんなが騒ぎすぎて“シニン”が出る」
とか
「犯罪が多発して危険」
さらには
「女性が裸同然で踊ったりして“ミダラ”?」
などと、


“危ない”イメージで語られることも多い。




しかし!


実際に目にした『リオのカーニバル』は、そんなイメージを完全に取り払ってくれた!


それはまさに、ブラジル人のパワーが結集した一大スペクタクルだった。ビックリ


POUCO BRASIL




私たちが一般に『リオのカーニバル』と言ってイメージしているのは、カーニバル期間中に行われるパレードのことだ。


そしてこのパレードは専用会場で行われるコンテスト形式になっていて、出場チームがプライドをかけて本気で順位を競うものなのだ。

1つのチームの人数は2000~4000人とものすごい大所帯で、それが列になって65分から80分をかけて会場を行進していく。
踊りの上手さだけでなく、山車や衣装の装飾、演目全体のストーリー性、歌(オリジナル)や演奏の出来など、10項目もの採点基準から、シビアに審査員に採点される。


POUCO BRASIL

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ちなみにパレードは計3日間行われる。
そのうちコンテスト本番なのは、最初の2日間。計14チームが7チームずつに分かれて出場し、最後に全ての審査結果が発表され、順位が決まる。
(今年は2月22日(日)・23日(月))
次の週末に、上位6チームのみが再びパレード(チャンピオンパレード)を行うのだ。
(今年は2月28日(土))



私たちが観に行ったのは、3日目のチャンピオンパレード

これが、夜9時から始まって、翌日の朝まで続く長丁場。
※1チーム65~80分×6チーム+休憩で、約9時間はかかる!がびーん

一晩中寝ないで外にいるなんて大丈夫だろうかと不安になりながら、数日前から体調を整え、当日も緊張して会場へ向かった。



会場は、旧市街近くの治安の良くない地域にある。
会場の目の前までタクシーで行ったが、タクシーを降りた瞬間から、ダフ屋らしき怪しげなおじさんが大きな声で「チケットあるよチケットあるよ」と言いながら代わる代わる寄ってきた。
どこの国でもあることだが、場所が場所なだけに、いちいちビクビク。タタ


でも、なんとか会場の中に入ると、ファーストフード店やレストランのブースが立ち並んでいて、係員も多く清潔でホッとした。
日本のどこかの球場みたい。
これのどこで“シニン”が出たり“ミダラ”なことが起きる?というほどの設備だ。



確かにこの時期は、街中でも小規模のパレードやお祭り騒ぎは毎晩のようにあちこちで催されているので、街警備の警官を大幅増員して犯罪銃を取り締まらないといけなかったり愛や恋やロマンス恋の矢もたくさん生まれ(てしまっ)たりするそうだが、


誰も彼もがどこでもここでも乱痴気騒ぎをしているわけではないのだ。
(あたりまえか…。)






POUCO BRASIL

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そして初めて観たパレードの第一印象は、「圧巻!」の一言。びっくりビリー


顔も埋もれるくらいの全身デコレーション衣裳をつけた2000人~4000人ものダンサーの大群が、踊りながら行進してくる!
そしてその間に、ビル5階建てほどもある巨大でド派手な山車が何台もやってくる!
あの「東京ディ○ニーランド」のパレードを5倍にも10倍にしたようなスケールで繰り広げられる、色と光とエネルギーの大ウェーブだ。


おおおーーーひゃ~・・・


と、素で口が半開きになる迫力。
さすが、世界に『リオのカーニバル』の名を轟かせるだけのことはある!


POUCO BRASIL
*↑こんなリアルな山車も!

POUCO BRASIL
*↑びっしり並んだダンサーたち


でも意外だったのは、ちゃんとパートごとに揃った振り付けがされていて、ダンサーたちがそれにほぼ忠実に踊っていたこと。
もちろん、観光客が飛び入り参加できるパートもあるし、全員が一糸乱れず踊っていたわけではない。


それにしても、だ。
コツコツした努力はあまり好きではなさそうな彼らが、半年から1年近くもの準備期間をかけてこの人数と規模の出し物をまとめ上げてきたのか、…と勝手に感動してしまった。


そして、上手いからといってそれぞれが勝手に踊ってアピールしてしまいそうなブラジル人たちなのに、溢れ出るリズム感とダンスセンスをみんなと合わせながら発揮しているところもすごい


ブラジル人には、そういう天才肌なところがある。
いい加減で怠け者に見えるところもある一方、野生のカンのようなものや要領の良さで物事をバランスよくやってのけてしまう
それに天性の明るさが加わるから、それが楽しく華やかなものになり、人々を惹きつけるのだ。
ブラジルのサッカーサッカーなどもまさにそうだろう。




POUCO BRASIL

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そしてもう一つ、実際に観て初めて分かったのは、セクシーな衣装と豪華な羽飾りをつけてサンバの華麗なステップを見せてくれるグラマーなお姉さんは、1チームにほんの数えるほどしかいないということ。
そういうお姉さんの大群がメインで踊りまくっているものかと思っていたが、数千人の大行列の中でその姿を見つけるのは大変なほどだった。


*↓一人発見!真ん中でこちらを向いて踊っているお姉さん
POUCO BRASIL

ちなみに、数年前からあまりセクシーすぎるコスチュームは自粛するようになったそうで、“点”しかないようなビキニや“上はナシ”の女性はほとんどいなかった。
(でも数名は、いた…。)


それでも、やはり彼女たちはパレード一番の見どころ。
本場のプロの彼女たちのサンバは、もう神業的。
華麗に“あの”ステップを踏んで見せるのはもちろん、それに妖艶な舞いを織り交ぜながら魅せていくのだ。
それにあのボディ!
遠目でも迫力を感じるほどの美しい凹凸もまた、「圧巻!」だった。


POUCO BRASIL
*ソロで踊るお姉さんは1チームに数名のみ。つまり選りすぐりのトップダンサー!
POUCO BRASIL
*お姉さんだらけのパートも発見!きれい♪



結局、「徹夜で観るなんて…」と心配していたのはどこへやら、最初から最後までほとんど立ちっぱなし&写真を撮りまくりのハイテンションでパレードを満喫。
(一緒に行った夫の方が、途中で休んだほどだ…。)


最高のカーニバルの思い出になった!!グー










…という興奮もまだまだ続いていた2日後の夜、悲劇は突然やってきた。



当日はパレードに夢中で全く気付かなかったが、一晩中立ちっぱなしだった脚の太ももが、翌々日になって、じっとしていられないほどの筋肉痛という悲鳴を上げたのだ。

マッサージをしてなんとか眠りについても、痛みで何度も目が覚める。
どうにも我慢できなくなって這うように起きだし、人生で初めて湿布薬というもののお世話になったえーん。




来年は、もう少しクールに、休憩をとりながらパレード鑑賞することを、固く固く誓った。