先輩駐在員のご家族、ご夫婦は、みなさんとても仲がいい。
平日は旦那様もできる限り早く家に帰って一緒に夕食をとるし、
週末は揃って車で郊外まで日用品の買い物に出かけたり、
小旅行や観光に出掛けるなど、
夫婦、家族が一緒に行動するのが当たり前。
「共通の敵に立ち向かう」というとおおげさだが、慣れない環境の中で生活するには、
いつでもお互いを気にかけ、思いやり、大切にしなけらばならない
ということを、身をもって理解しているからだと思う。
だから、そんな中で旦那様が泊まりの出張などに出掛けてしまうと、
「寂しいですよー。」と奥様方は心から言う。
そしてその気持ちを痛いほど知っているから、
「夫が出張中で留守」の奥様をランチやイベントに誘ったり、こまめに連絡を取ったりして、
女同士、助け合うのだ。
この度、私にもそんなお留守番の時がきた。
夫が10日間以上になる長めの出張に出かけたのだ。
唯一の日本のTV(NHKワールド)が観れる衛星放送の端末もまだ設置できていない上に、
(引っ越してきて1か月以上も工事を待っているのだが…)
知り合いも数少なく、出掛けられるところもない私には、
壁に向かって三角座りして過ごす、長い長ーい10日間になると覚悟していた。
(まるで、♪テレビもねぇ、ラジオもねぇ、・・・ねぇ♪
の世界だ。(T_T) )
*もの淋しくなる夕暮れ時、ベランダの手すりにとまる小鳥に癒されたり…
ところが。
そのお留守番4日目の日、たまたまある奥様からお誘いを受けてお宅にお邪魔することになった。
何時間も長居して、同じ境遇の奥様と楽しくおしゃべりをし、夕食までごちそうになった帰りがけのこと。
「何日もお一人で退屈でしょう。日本から送ってもらったDVD、たくさんあるのでお貸ししますよ。
私も夫の出張中、これを観て、気を紛らわしていましたから。」
と言って、ドラマやバラエティーなど日本のTV番組を録画したDVDを、大量に貸してくださったのだ!
どうしよう!嬉しい!嬉しすぎるっ!!
彼女のやさしい心遣いに、心から感謝した。
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ちなみに、後日その奥様へのお返しに、私が唯一持っていたドラマ『すいか』のDVDをお貸しした。
これは、日本を発つ時に親友が持たせてくれたもので、
これまでの2か月間、何度も何度も何度も…、繰り返し観てきたものだ。
ほのぼのしたストーリーに、どれだけ癒されたか…。 (゚ーÅ)
そして、台詞が言えるほど繰り返し観た後には、
音量を落として画面だけにしてそばで本を読んだり
キッチン(画面は見えない)での料理中には音だけ聞こえるようにして
…と、一人きりの家でも“ひと気”を感じられる演出に毎日使っていたものだ。
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そして早速、その夜からお借りしたDVD鑑賞を開始
ただし、TVゲームを制限されている子供ではないが、「1日に2時間まで」と決めている。
限りある楽しみが早く終わってしまわないように…だ。
それでも、『ガリレオ(全10話)』と『東京タワー(半分まで)』を1週間で観終えてしまった。
それにしても、
面白いっ
日本のドラマ、最高~!ヾ(@^▽^@)ノ
思いっきり感情移入して、ドキドキして、笑って、泣いて、堪能した。
それに、家の中で日本語が聞こえてくるというのは本当に安心する。
近くに誰かがいるような、“一人じゃない”感じがするのだ。
CMを飛ばすのも惜しいから、早送りは、絶対にしない。
ブラジルのドラマを見たこともあるが、
激しく罵り合った次の瞬間には泣きながら抱擁したりしていて、
感情の機微が、…そもそもあるのかどうかすら、
全く理解できなかった。ヽ((◎д◎ ))ゝ
「ブラジル人て、こうやって感情表現するのねー」
と、異文化を学ぶにはいいが、どうしても白けてしまって楽しめないのだ。
そんな訳で、日本にいた時はほとんどできなかった、
ゆっくりドラマを観るという “主婦の特権”
を、いま、ここで、フル活用している!