これまでの話の流れからして、好き放題しているように見える現在世界を支配している3人の独裁者の胸の裡を少し覗いてみたいと思う。

 私は彼等は常にびくびくしていると思う。

 まず、暗殺の心配だ。常に周囲の動きに神経を尖らせなければならない。

住まいを転々と変えることになる。時には、斬首作戦、バンカー爆弾を心配して光の指さない地下深くすむことになる。一瞬の油断が命執りになる。誰よりもそのことを承知している。自分がそのようにして今の地位を確立したのだから。

 周囲の人は誰一人信用してはいけない。10年来・20年来の親友であってもいつ寝首を書かれるかもしれない。信頼とか親友という言葉を消さなけならない。冷静であること、慎重であることが何よりも必要である。一人でいることは苦手である。一人でいるとつい、自分の心の裡を覗いてしまう。一瞬も心の休まる時がない。俺はなぜこれだけ怯えていきなければならないのか?情けなくなる。俺はこの国の統治者なんだぞ。俺がしゃべると、誰ん彼もこぞっつてい一言一句聞き逃すまいと緊張しきっている様子をありありと感ずる。この瞬間が俺の自己の価値を痛切に、最高に感じられる瞬間だ。政治家としての誰もが望む地位だ。この味を一度味わうともうダメだ。自分の支配の確かなが手応えの実感だ。これは麻薬だ。アヘンだ。

 この味を味わえるなら、当然、この程度の孤独も甘受せねばなるまい。リーダーの宿命なんだから。改めて、気を強くもたなければ、と自分を励ます。気休めにもならないが、他の2名のリーダーのことを考える。彼等も流儀こそ違え、同じ境遇に堪えているのだ。少し、親近感すら覚える。冷静さが戻ってきて、もう一度周りの状況に見落としや判断違いがないか点検する。

 今の所、心に引っかかる所はないようだ。一息つく。念には念をいれて、もう一度点検を繰り返す。

国内問題の憂いは今日は考えないようにしよう。

考えることが、多すぎる。思い通りに進まないことも多い。だから、3人と言えども私のように神にいのることがあるのだろうか。当然、祈るだろう。人間は皆欠陥がある故、必ず祈るに違いない。私はそう確信している。皆様のご多幸をお祈りいたします。