でも、杏奈は寝たふりしてたのでした。
杏奈:「ねえ?ゴムある?忘れちゃって。洗面台に置いてない?」
京太郎:「ああ。髪のゴム。」
杏奈が風呂の扉を開けて、手を伸ばしてきます。
京太郎は心の中で叫びます。
京太郎:「(助けてくれ!)」
11時過ぎ。
杏奈はお腹を空かせながら、台本を読んでいました。
京太郎:「甘酒やる。肉、2枚しか食べてないだろう?」
杏奈:「えーー。よく見てるなあ。」
京太郎:「台本?やっぱり、忙しかったんじゃないのか?」
杏奈に抱きかかえられて、京太郎は思います。
京太郎:「(なぜだろう?ドキドキするのに、安心する。不思議だなあ。山田は。)」
二人で話しているうちに杏奈は寝てしまいます。
京太郎:「おやすみ。」
でも、杏奈は寝たふりしてたのでした。