高峻は、この時はまだ知らなかったのです。烏妃とはなんなのか?鸞王朝がなぜ烏妃を設けたのか?寿雪の皮肉な運命のことを。。。。。
その夜。鴛鴦宮から急な呼び出しがあります。大事なものが無くなり、宮女が一人行方をくらませたのです。
侍女:「盗むような者ではないのですが、最近、様子がおかしかったのです。別人のようになったような。」
寿雪がお札に宮女の髪の毛を巻いて、鳥の形にすると、林の中にいる宮女のもとへ飛んでいきます。
寿雪:「お主は誰だ?巫術士だな?」
冰月:「わたしは冰月。鸞冰月だ。烏妃よ。」
寿雪:「鸞?」
冰月:「お前と同じだ。そうだろう?烏妃。」
寿雪:「私の名は柳寿雪だ。鸞ではない。」
冰月:「偽りの名に興味はない。血が呼ぶのだ。お前は同族だ。良く生き延びたものだ。わたしは捕らわれ首を落とされた。」
そしいて冰月が持つツボには、歴州で死んだ花娘の恋人の魂が閉じ込められていたのです。
宮女からは離れたものの、冰月が姿を現します。
冰月:「烏妃よ。なぜ、後宮に閉じこもることに甘んじている?お前が望めば全てを得られるだろうに。」
寿雪:「温螢。今の言葉、聞いたか?」
鴛鴦宮に戻った寿雪は、花娘に恋人の魂を渡します。魂は、花笛を鳴らすと、楽土に消えていきました。
寿雪:「春になれば、お主の元に帰ってくる。」
後日、寿雪と高峻が話します。
寿雪:「なぜ花娘は後宮にいるのだ?」
高俊:「恋人が無くなった後、花娘には行き場がなかった。恋人が死んだ以上、花娘はよそへ嫁がなければならん。それを彼女は是としなかったので、ここを与えた。」
寿雪:「もうここへは来るな。ここは帝が来る場所ではない。烏妃と帝は相容れぬ。」
高俊:「どういう意味だ?」
高峻は、この時はまだ知らなかったのです。烏妃とはなんなのか?鸞王朝がなぜ烏妃を設けたのか?寿雪の皮肉な運命のことを。。。。。


















