杏奈はもっとギュッと抱きしめました。
なんと、京太郎は、杏奈が南條先輩をけん制するために、自分を利用したのか?と思っていました。
京太郎:「そうか、利用したんだ。しつこい男をけん制するために、好きでもない男を利用した。」
今まで、あれだけ距離が近かったのに、そんな考えに及んでしまうのは・・・悲しいですが、自信がない奴にはあり得ますね。
でも、そおう思い込んだ京太郎は、翌日から杏奈を避けるようになりました。図書室へも行かなくなりました。そして杏奈と話もしなくなりました。
強硬手段にでる杏奈。
杏奈:「怒ってるの?なんで??わたしが近いから?」
京太郎:「違う。」
杏奈:「ごめんね。」
泣き出します。
京太郎は思います。
京太郎:「(ああ。そうだよな。山田がそんな奴じゃないって、最初から判ってたよな。嫌いになる理由が欲しかっただけなんだ。本当は欲しくてたまらないのに、どうせ、手に入らないから。一緒にいてどんどん好きになっていくのが怖いから。)」
京太郎:「用事があっただけだから。」
杏奈:「ほんと?怒ってない??」
京太郎:「ああ。」
その瞬間、杏奈に抱き着かれたのです。
杏奈:「近いの嫌だったね。」
京太郎:「嫌だなんて、言ってない。」
杏奈はもっとギュッと抱きしめました。誤解が解けて良かった良かった。(^_^)