一目ぼれに必要なのは0.5秒
[ニューヨーク 18日 ロイター] 他人を魅力的に感じたり、仲良くなる可能性があると判断するにはわずか0.5秒しかかからないという新たな研究結果が発表された。
米フロリダ州立大学の心理学者ジョン・マナー氏の研究チームは、専門誌「Journal of Personality and Social Psychology」で、人々は興味をそそられる顔を見ると0.5秒以内に注意を集中し、仲間かライバルかを判断する傾向があると指摘した。
研究では、大学生を対象に、非常に魅力的な人と平均的な人の写真を1秒間見た後、視線をほかの物に移すよう求めた。被験者の反応のタイミングを計ったところ、人々がある人物を魅力的かどうか判断するのには0.5秒しかかからないことが分かったという。
魅力的な顔は、規定の1秒が過ぎた後でも0.5秒長く凝視されることも明らかになった。
また、独身の人は異性に関心を持つ一方、決まった相手のいる人は、自分のパートナーの不貞を警戒し同性に注意を向けたという。
excite.ニュース
より
人はウェブサイトの印象を第一印象で決める によると,0.05秒でウェブサイトの善し悪しを判断しているわけだから,恐らくもっと短い時間で人の顔を判断をしているような気がするんですけど...
あと,最後の方の文章,う~んって感じです.仮に結果がそうであったとしても,理由に関してはどうも納得がいかないんですけど(笑).
まぁ,自分でこの研究結果読んでないから,報道からだけだとどうも良く分かんないことが多くって...(笑)
女性がピンク色を好きなわけ
女性は何かとピンク色を好みますが,その根本的な思考の源をイギリスのチームが研究したとのこと.
それはまだ人類がたて穴式住居とかに住んでいた狩猟時代に培われたモノらしいです.
ニューキャッスル大学のAnya Hurlbert教授によると
「それは狩猟採集時代にまでさかのぼるかもしれません.その時の女性の主な仕事は果実の採集でした.彼女たちは赤く熟れた果実を選ぶ能力を身につけ,現在の文化はこの自然の好みと繋がるのかもしれません」
とのこと.
大学のチームは220人の学生をテストして,そのテスト内容は40個の様々な色をしている中国のモノを見せて,その中の好きなものを選んでもらうって方法.
西洋的なバービー人形などを選ぶモノに入れてしまうと意図的にそれを選んでしまうかもしれないので中国のモノを使ったみたいです.
中国の色知覚専門家のYazhu Ling博士によると,
「中国には少女のためのどんなピンク色の文化もありません」
だそうで,にもかかかわず,実際イギリス人と中国人ではこのテスト結果は同じものだったそうです.
このことから,女性がピンクが好きっていうのを確かめたということらしいんですけど,まぁ確かに好きな色っていう意味では確かめられたのかもしれませんが,その理由は,確かめられていないと思うのですが...
逆にこの記事からだけだと,「赤」が一番好きな色になりそうな気もするんですけど,どうなんでしょ?
ピンク色ってのは自然界にはほとんど存在しませんし,そういう意味では「非現実的な色」なわけで,それを太古の昔から好きだったというのはちょっと無理があるような(笑).
ANANOVA より
幼児のボキャブラリー急増メカニズムに新説――米研究
幼児が生後18カ月前後に急激にボキャブラリーを増やすメカニズムは、意外とシンプルに説明できるかも知れない――そんな研究報告が8月2日、米科学誌Scienceに発表された。アイオワ大学のボブ・マクマレイ助教授によると、子供に「ボキャブラリーの急増」が起こるのは、難易度が異なる単語を同時に繰り返し学ぶという単語習得の方法によるものだという。
「発達心理学や言語発達の分野ではこれまで、ボキャブラリーの急増を説明するのに、ある時点で子供に何らかの変化が起こるからだと仮定してきた」とマクマレイ助教授。子供が「ものには名前があることを発見」したり、「より効率的なメカニズムを使い始め」たり、「習得した単語を使って、新しい単語を発見し始め」たりすることが理由だとされてきたという。
一方、同助教授は、コンピュータシミュレーションと数学的分析を行った結果、単語はある一定数の繰り返しを行えば習得できると考える。習得が簡単な単語を小さな瓶、難しい単語を大きな瓶に例えると、その単語に接するたびに瓶の中身が増えていき、中身がいっぱいになったところでその単語を習得できるというメカニズムだ。簡単な単語(小さな瓶)よりも難しい単語(大きな瓶)の方が多いため、一定の時間が経ってから習得できる単語(いっぱいになる瓶)が急激に増えるのだという。
このメカニズムを踏まえてマクマレイ助教授は、「一度に複数の単語を学ぶこと、簡単な単語よりも、難しい単語をより多く学ぶこと」が単語習得に大きく影響するとしている。
ITmedia
より
記憶のメカニズムは,かなりいろいろと分かってきてるんですが,こういった変化(幼児の発育)に伴った記憶のメカニズムは,未だよく解明されていません...
そういう意味では,これは結構,斬新な説になります.この理論で行くと,オトナも
『「一度に複数の単語を学ぶこと、簡単な単語よりも、難しい単語をより多く学ぶこと」
が単語習得に大きく影響するとしている。』
ってことかなぁ.
ちょっと試してみたくなりました(笑).
肥満は伝染する
ハーバード大学医学部が行った調査により太ったの友達を作ると自分も太る傾向が強くなるなど、肥満は人から人へとあたかもウィルスが伝染するように広がっていくこと26 日、同大学の研究者が学会誌「New England Journal of Medicine」に掲載した研究論文によって明らかとなった。
この研究発表を行ったのはハーバード大学医学部のNicholas Christakis教授。
Christakis教授は合計1万2067名に及ぶ人々の1971年から2003年までの32年間に及ぶ体重の遷移を、その人の配偶者、兄弟、親戚、友人関係などの社会関係と共に詳細に分析。その結果、人は友人や親類縁者などに太った人がいると太る傾向があることを突き止めた。
Christakis教授によると肥満の友人がいる人は57%の確率で太るという。また、肥満は家族間よりも友人間の方が「遺伝」する可能性が高く、特にこの傾向は特に親しい友人が肥満である場合に加速する傾向が強いという。
また、面白いことに友人が肥満の場合、自分も肥満になるというこの傾向は、太る方向でしか伝染せず、友人が痩せても自分が痩せるということはないとも述べている。
Christakis教授は、肥満の友人がいる場合は肥満が悪いことだという認識が薄れ、それは普通のことなのだとする考えが浸透してしまうことが肥満が人から人へと「伝染」する原因になっているのではないかと分析している。
Christakis教授は、近年、アメリカで肥満の人が増えているのもこの説を使えば説明できるとも述べている。
エヴァンゲリオンの中にも出てきますが,ヒトはヒト(他人)を見ることで,自分のイメージを確立していますから,医学的にだけではなく,心理学的にも十分にありうる話です.
トランスパーソナル心理学
トランスパーソナル心理学って聞いたことありますぅ?(笑)
トランスパーソナルとはどういう意味かと言うと,「トランス」は「超えた」,「パーソナル」は「自己」ということで,直訳すると「自己を超えた」となります.
即ち,自己超越という意味になるわけですが,自己超越って何??って感じですよね(笑).
ヒトの心は,自我の確立,実存の自覚,自己実現などの言葉で示される<人格=個人性=パーソナリティ>の段階で終わるのではなく,他者・共同体・人類・生態系・地球・宇宙との一体感・同一性(アイデンティティ)の確立,すなわち<自己超越>の段階に到達することができるとする考え方があり,そこから生まれたのが,このトランスパーソナル心理学.
興味深い臨床実験があったのでご紹介しておきます.
アメリカのとある病院で行われたものです.
ある一群の入院患者(実験群)に対して,看護者たちが病気の回復を神に一心に祈り,別の入院患者(統制群)には,普段通りの看護を施します.
実験群の患者には祈りを込めている看護者の存在は知らされていません.
実験としては極めて単純な実験です.
その結果,人知れず祈りを込められた患者たちの一群は,統計学的有意差を以って,そうでない患者群よりも回復が早まったという事実が示されたました.
即ち,自己を超越した他者との関わりが,数字(科学)として現れたわけです.
この心理学の研究対象は,今まで自然科学の対象とされてこなかった事象や世界(神秘体験,霊性,魂など)を対象にしています.
また研究テーマとしては,「人間とは何か」「生きる意味は何か」「死んだら心はどうなるのか」といったものを扱っています.
かなり,宗教と紙一重のような学問で,他の科学者からの風当たりもそれなりにはあるみたいです.
得てして,この手のものは,オカルトめいたものとなるわけですが,現在,日本にもこれの学会もあり,一概にオカルトっぽいと言うことだけで全否定することも難しいようです.
正直,私個人としては宗教との明確な線引きはできてません.
しかしながら宗教の存在自体を重要と考えておりますので,こういった今まで宗教で扱っていた領域を科学的な視点を持って解明して行くことは,意義のあるものと考えております.
子供は予想以上に早くから「嘘」をつく
「子供は純粋無垢である」 なんてのは最早,都市伝説ですかね(笑).
人間,誰だって嘘をつかずに生活なんかできないわけでですが,そのような行動というのは,今までは行動学的見地からすると,4歳頃から始まるとされていたそうなんですが,今回の調査ではもっと早い段階の生後6ヶ月頃から確認されたようです.
生後6ヶ月って,おもいっきり子供です.というより,赤ちゃんですよね(笑).
子供は,例えばモノを壊しちゃったときとか,お菓子を勝手に食べてしまったときなどに嘘をつくわけですが,そのような高度な嘘の前段階として,生後6ヶ月頃から嘘をつき始めるんだそうです.
「嘘をつく」ってのは言葉がちょっと悪いような気もするのですが,もっと簡単に言うとお母さんの気を引きたい時にウソ泣きなどをすることをここでは指しているようです.そのような行動が,より高度な嘘への練習と言うか,訓練となっているそうです.
今回の調査ではポーツマス大学の心理学者である Vasudevi Reddy 博士が50人以上の親にインタビューをし,その結果生後6ヶ月から3歳までの間で子供がつく嘘の7つのカテゴリーを確認したそうです.
赤ちゃんは一番早い段階としては「嘘泣き」「愛想笑い」などで親の気をひくことを知り,生後8ヶ月になるともっと高度な偽装行為をするようになり,2歳になる頃には,例えばやってはいけないことをしてしまったときに,それを隠すようにごまかす仕草をするといった,高度な行動を取るようです.
Reddy 博士によると,赤ちゃんが「泣く」真似をすることが一番最初の偽装と言うか嘘であり,別に何も間違ったことなどがなかたっとしても赤ちゃんは親の注意をひくために,そのテクニックを使うそうです.
赤ちゃんってのは「自分が泣く」という行為に対して周囲にどのような影響をもたらすことが出来るか?ってのをちゃんと認識しているそうです.
「嘘をつく」なんてのは多分人間が高度な知能を持ってる証なんでしょうけど,そんなにちっちゃい頃から嘘泣きとかしてるってのは意外でしたね(笑).
オーロラを宇宙から見ると
オーロラを宇宙から見ると
これは2005年9月にNASAの衛星が撮影したもので,南極大陸をすっぽり包む感じでオーロラが緑色に輝いて見えます.
オーロラってもっと部分的に出てるものかと思ってましたけど,こうやって見るとメッチャ広範囲に出現してるんですね(笑).
血液型性格診断と心理
血液型性格診断と心理
なんとなく,ホロスコープ(星座占い)に比べると,ちょっと科学的に見えてしまう血液型による性格診断.
でも,これもまた,ホロスコープと同様,一切の統計的事実は検証されてきていません.
何故検証されていないのか?
答えは簡単で,検証するに値しないというのが今の科学です.
既に様々なメディアに取り上げられている様なので,既にご存知の方も多いとは思いますが,それを体感できるサイトをご紹介しておきます.
ここに出てくるバーナム効果という単語の補足説明をしておくと,この効果の研究からは,「肯定的な表現(情報)は信じられやすいが、否定的表現(情報)は好まれない」ことが分かっています.
Amazon のレビューを見ていると,肯定的なレビューの方が「参考になった!」の評価が圧倒的に多いのですが,これもバーナム効果として見て取れます.
結局のところ人は自分の見たい情報を見,信じたい情報を信じるということになります.
逆に見たくない情報は見ない(見ても直ぐ忘れる)という形で,自分に都合の良い様に事実を変えてしまうこともあります.
ちなみに,バーナム効果のバーナムとは人の名前で,巧みな言葉を操る興行師で,それなりに成功(蓄財と名声を手に入れた)した人です.
悪く言うとペテン師に近いです(笑).
というわけで,血液型云々で騒いでいるくらいは,特に大きな被害も出ないのでしょうけど,コールド・リーディングと呼ばれるテクニックを使う人には要注意です.
↑のアンチ?記事 (でも,効力の凄さは認めてるみたいです)
心理学
ほぼ,2年ぶりの更新です(笑).
本当は,民俗学系の話題を中心に,民話・説話などに出てくる妖怪,魑魅魍魎の類の解析記事をエントリーしていきたいのですが,ちょっと時間が無くて,十分に調べることができておりません.
で,代わりというわけではないのですが,現在,学位取得のためお勉強中で,それに関連している心理学について猛勉強中なので,そちらの記事をエントリーして行くつもりです.
正直,心理学って本格的に勉強するまで文系の学問だと思ってたんですよね.
実際,多くの大学
は心理学の講座や研究室を文学部や教育学部の中においています.
実は,心理学って一言でいっても,本当にいろいろあって,一概に文系とは言えないんですけどね.
大別して,
・観察,実験によって探求を推し進める 実験心理学
・心を脳という情報処理装置として考える 認知心理学
・精神分析を中心に研究する 臨床心理学
・人文科学/哲学からアプローチする 人間性心理学
といったところでしょうか.ホントはもっと一杯あります(笑).
(最近は,漢字2文字を頭に付けて,○○心理学といえば適当に通じてしまうくらい,多いです;笑)
で,上の二つ(実験心理学,認知心理学)は,統計処理とかをしなければならないので,かなり数学に精通していないと大変ですが,下の二つは,比較的文系そのものです.
一般的に心理学というイメージで受け取られているのは,下の二つ(臨床心理学,人間性心理学)のことが多そうです.
この中でよく誤解されているのが,フロイトの精神分析やユングの理論.
フロイトの精神分析やユングの理論などは,心理学アカデミズムの外側で生まれ育ったものであり,また半世紀にわたって科学的心理学の立場から多くの批判がなされてきました.
それにも関わらず,「フロイトが心理学の祖である」,「精神分析こそが心理学の基礎であり、本流である」というような、時代錯誤的な誤解が存在します.
フロイトは別に心理学の祖ではありません(笑).
また,「心理テスト,カウンセリング,サイコセラピーといった臨床領域が心理学研究の中心的課題である」とか,「カウンセラーや精神科医は皆,心理学の専門家である」といった,事実とは異なる認識が広く流布しているのも事実です.
ちなみに私の場合,認知心理学って言うのを勉強しております.
とは言っても,結局他の領域も大凡は知らないとまずいので,当然勉強しなければならず,かなりシンドイです(マジ辛い・・・).
で,認知心理学の場合,心は,どこにあるのかという問いから始まります.
一昔前の人なら,胸に手を当てた人もいるかもしれませんが,今の人は間違いなく,頭(脳)にあると答えるでしょう.
というわけで,心を考えるには脳を知らなければならず,大脳生理学もやらなければなりません.そういう意味では,ちょっと医学系っぽいところもあって,理科系要素満載のフィールドです(笑).
挙句の果てに,実際の専門研究フィールドは,バーチャルリアリティ(VR)という環境下での人の心理(距離や時間などの感じ方)を研究していますので,実験,研究を行うためには,VRシステムの構築(ネットワークや,ハードウェアの構築)から始まり,その制御(プログラミング),データ解析(統計学)が絡んでくるので,バリバリの理科系分野となります.
で,今後は,「心理学ノート」という書庫を設け,メモ代わりに記事に上げていこうかと思いまして,その宣言的にこの記事をエントリーしました.
できるだけ,専門用語を使わず,高校生クラスで理解できるものにすることで,自分の理解も深めて行きたいというのが,趣旨です.
ただ,宣言しておいて,いきなり言い訳になりますが,かなり多忙なため,どのくらいの頻度で更新できるかは,かなり未定です(笑).
河童
ところで、尻子玉とはなんであろうか?尻子玉を抜かれると、腑抜けになるとか、力が出なくなるとかい われているが、実際のところこれに相当する臓器は生物学的に存在しない。おそらくは、昔の人々が水死 体を見て、想像力を働かせたのではないだろうか。というのも、水死体というのは、内部にガスが発生す るために腹が膨れ、肛門が広がってしまう。そのような姿を見た昔の人が「これは、きっと河童が尻から 手を入れて何かを抜き取ったに違いない」と判断したのであろう。その何かが「尻子玉」となったのであ る。
その昔、中国の黄河に棲んでいてた河童の大群が海を渡って移住してきたという伝説が九州にはある。九千匹にものぼったその河童軍団の長(おさ)は、九千坊と呼ばれ、熊本の川を追われた後、筑後川に大挙して棲み付いたという。
北九州市門司の天疫神社に祀られる海御前(あまごぜん)は壇の浦で水死した平教経(たいらののりつね)の妻が神になったものだという。この海御前がなんと九州の河童たちの総元締めだと伝えられてもいる。海御前は尼御前に通じ、安徳天皇と共に入水した二位尼御前のことだともいう。
さらに怪奇な話としては、平清盛その人の霊までもが、河童となり、筑後川の支流、巨勢川(こせがわ)に棲んで、巨勢入道と称したという。
かくして筑後川は、九千坊、海御前、巨勢入道のひしめき合う、河童の一大王国となった。
福岡県久留米市の筑後川のほとりに 水天宮がある。ここが全国水天宮の総本宮になる。 祭神には安徳天皇、平二位(たいらのにい)時子らが並んでいる。安徳天皇は、壇の浦ので二位尼御前(にいのあまごぜん)に抱かれて入水した幼い天皇である。
平安時代の末期、力の衰えた貴族政権に代わって台頭してきた 平氏(へいし) は、平清盛が関白にまで登りつめ、栄華の絶頂を極めた。朝廷の中枢を一族で独占し宋との貿易で築いた巨万の富を背景に、平氏にあらずんば、人にあらずとまで豪語する一族独裁体制をしいたのである。
しかし、源頼朝の源氏勢が関東で挙兵すると、平家の天下は短い夢となった。都を追われ、瀬戸内海に敗走した平氏軍は、源義経らの追撃を受けて、ついに壇の浦の開戦で全滅。一族ことごとく海に消え去る。このとき、清盛の孫であるわずか8歳の安徳天皇も関門海峡近くの海底に沈んだ。
壇の浦から落ち延びた按察使局伊勢(あぜちのつぼねいせ)という宮女が、このあたりに住み着いて、安徳天皇らの霊を祀ったのが、水天宮の始まりとなっている。
―― 入道相国のはかりことに十四五六の童部(わらんべ)を三百人揃へて髪を禿髪(かぶろ:おかっぱ頭)にきりまはし、赤き直垂(ひきたれ)を着せてめしつかはれけるに、京中にみちみちて、応反(おうへん)しけり ――
栄華を極めた平清盛は、十代の童子三百人に、おかっぱ頭に赤い着物という格好をさせ、都を往来させた。平家に反感を持ち、陰口を叩くものがいれば、大挙して乱入し、引っ立てていく。この異様な親衛隊の姿に都の人々は目を見張った。
そして、彼ら落ち武者が山奥に隠れ住むためには、水の確保も必要なため、闇に紛れて、川に沿って、上流を目指さなければならない。まさに、この人目を避けた夜の移動において、月明かり、星明りの下で川沿いにそって歩く彼らの姿は、河童そのものといるのではないだろうか。
さらに、九州北部は平家の領地であり、九州中部においても、同情的な地元民が見て見ぬ振りをして、源氏の追っ手に口を閉ざしたと考えることもできる。九州では、河童(カッパ)のことをそもそも「ガワッパ」と呼び、「カワノトノ」「タビノヒト」とも呼ぶ地方もある。山を越え、川を渡って落ちてくる武者たちの姿をひそかにそう呼んだのかもしれない。
そして、カワノトノ、タビノヒトという異名で呼ばれた平家の落人たちが、世代が変わり、時代が移って、本来の事情は忘れられ、川辺に住む謎めいた人々(河原者) の呼び名だけが一人歩きをし始めたのかもしれない。「カワントン」「ガラッパ」「カッパ」と。。。
九州の例を用いて、九州限定の考察をするつもりでいたのですが、調べていくうちに、実は、全国にある平家の落ち武者伝説の残る地と、河童の棲息地とが、意外なほど繋がるという事実もあり(もちろん全てではありません)、このことから、この考察は九州に留まらず、広く全国に伝承されている河童伝説の起源解明の糸口になるかもしれないという、非常に興味深い結果となりました。
