幼稚園で禁止された2つのこと
20年ぐらい前にロバート・フルガムというコラムニストが書いた『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』という本を読んだことがある。私の場合、幼稚園でけっこうな“お仕置き(今なら虐待)”も受けているので、少し割り引くにしても、人生に必要となるかなりのことは幼稚園で教わったと言えるだろう。
昨日のブログに、幼稚園で「ごめんなさい」の練習をさせられたことを書いたのだが、人間の記憶とは面白いもので、書いているうちにいろいろ思い出してきた。
うちの幼稚園では「なにこれ?」と言うと、必ず「“これ、なぁに?”と言いなさい」というツッコミが入ったのだが、他にも2つ絶対にやってはいけないことがあった。
1つは「舌打ち」、もう1つは「ためいき」だ。
当時は「子どもだから」ということで、理由は深く説明してもらえなかったが、大きくなってだんだん感覚的にわかるようになってきた。どっちも不平不満の発散方法で、一緒にいる人のテンションを下げるというか、その場の「ポジティブな“気”を奪う」のだ。
通勤電車の中で朝からため息ばかりついている人が近くにいるとテンションが下がる。断続的に舌打ちしている人のそばには怖くて立てない。仕事を頼んで、返事の代わりにため息をつかれたら、次はその人に頼みたくない。何かの啓蒙本のように「全てのことをポジティブにとらえよ」とかは言わない。そもそも私が無理だ。とはいえ、少なくともゴキゲンのおすそ分けならいいけれど、不機嫌の押しつけは避けたいものだと思っている。