ADHDはIQに影響する? | ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

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「なまいき」で「なまけもの」な「ぽてたろう」のノートです。
日常のあれこれや、その日考えたこと、そしてADHDや発達障害についての「あるある」などを書いてこうと思います。

ADHDはIQに影響する?

明らかな相関性は認められていない

「ADHDは高IQ」も「ADHDは低IQ」も

ただの思い込み

 

「Medical NEWS Today」というWEBの英文ニュースサイトに7月10日づけで「Does ADHD affect IQ?(ADHDはIQに影響するの?」という記事が載った。

 

最初は「今さら」感を持ちながら読んでいたのだが、ひょっとするとこれって日本でもカン違いしている人が多いのかもしれないと思い始めた。記事はいろいろな研究報告の結果を引いていて長いので、ポイントだけ。

 

ADHD族は、普通の人に比べて「IQが低い」ということはない。逆に

ADHD族は、普通の人に比べて「IQが高い」ということもない。

IQ(知能指数)の分布は普通の人のパターンとあまり差がなく、ADHDと知能の間に明らかな相関関係はない、というのが今のところの定説だ。

 

それなのに、なぜ誤解が生じるのか?

 

ADHD族の子供が学校で「うまくやれない」のはIQが低いからではない。だが、1つの価値観しかない人は「うまくやれない=知能が低い」と思い込んでしまう。私は子供の頃、大人に何回も「本当は頭悪くないんじゃないの!」と言われた。

 

逆のパターンはどうだろうか? ADHD族は自分が「好きなこと」「興味があること」には没頭する。たとえばその没頭の対象がたまたま勉強がらみだったりすると、慣れない人からは「IQが高そうに」見える可能性がある。趣味の分野でも、大人も知らないような専門用語を駆使して喋り出せば「賢そう」に見える。

 

 

損得の問題ではないが、ADHDで「IQが低め」の子は、抱えている問題が見える化しやすく、周囲の大人もどうリードすればいいのかわかりやすい。逆に、「IQが高い」もしくは「高そう」に見える子どもは「困っている」実態が見えにくく、ADHDの診断や続くケアが遅れがちになる。親も障害を認めたがらない。

 

もう1つ、誤解を招きかねないと感じているのは「ADHDはバカじゃない」ということを説明するのに便利なため、エジソンやダ・ヴィンチなど「ADHD的逸話のある天才」を引き合いに出すことだ。これが意外と一般の人に「変わった子だけど天才ならしょうがない」といった誤解を植えつける。説明するまでもないが「ADHD=天才」ではない。ADHDだからといって「何か特別に秀でた才能がなければダメ」なわけではない。

 

私は当事者なので、「世界に1つだけの花」とか「その子を丸ごと受け止める」とかキレイなことは言わない。ただ、子どもを回転鮨に連れて行ったら、その子が「お腹いっぱい食べたい!」と思うネタが回ってくるまで待ってやってほしい。

 

「ほらマグロが好きでしょう?」「とってあげようか?」ではダメだ。ADHD族は「自分で勝手に選んだ感」がないと、没頭するほど興味が持てない。とりあえず、親がくれたエサは「食欲そそるコンテスト」で最下位になると思ったほうがいい。