ADHD女子の更年期はツライ
閉経「前5年」「後5年」は戦である!
今日からぼちぼち「備えて」おこう
私自身の更年期がけっこう大変(現在進行形)だ。
おどかすつもりはないのだが、ADHD女子と女性ホルモンについては、「いろいろあるから、知らないと損よ~?」ということで、“これから”組のために書いておきたい。女性ホルモンのネタは毎日ぼちぼちと数人が読んでくださるので、まとめページを作ろうと思った。一部はADHDに特化しているが、大筋は更年期の一般論だ。
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●更年期は閉経の前5年+後5年
日本人の平均閉経年齢は「およそ50歳」だと言われている。30代で迎える人もいれば60代までひっぱる人もいる。いわゆる「肉体年齢」とは関係ないし、早ければ軽いわけでも、遅いほうが優秀なわけでもない。よく言われる「初潮が早いと閉経も早い」は迷信だ。ポイントは「更年期」は閉経を基準に考えるので、実際に「閉経」しないと、いつ始まったのか、いつ終わるのかわからない、ということだ。
●何が起こるか
エストロゲン(女性ホルモンの一種)が激減する。これが穏やかにダラダラと減ってくれれば体が徐々に慣れるのだが、いきなり急降下するので体がついていけない。うつ、気力の低下、体力低下、思考力低下、疲労感、不眠、イライラ、顔のほてり(ホットフラッシュ)、大汗、いきなり敏感肌、涙腺崩壊……など、さまざまな症状が出る。
一般女子のメインは、
気力の低下+体力の低下=今までのペースでなにもできない
加えて、ADHD女子は、ADHD特有の症状が強く出る
- ポカミスが増える
- 忘れ物が多くなる
- 衝動性が強くなる などなど
婦人科のドクターは「つらい人もケロッとしている人もいる。個人差が大きい」と口を揃えていうのだが、私は今まで「本当に更年期が軽かった」人に会ったことがない。
うちの母(未診断ADHD)などは「私は軽かった」「ほとんどなかった」とか言い張っているのだが、冗談じゃない。私から見れば2階にキングギドラが住んでいるような大騒ぎだった。「人間ってこんなにあからさまにイライラするものなのか?」と思ったし、いわゆる“ヒステリー”に振り回されてウンザリした。自覚はなくても、周囲から見ると「あのオバチャン更年期じゃん?」とバレバレな状態に陥るのだ。
なかでも、衝動性について、私の友人たちはその見本市だ。婦人科のドクターには「そんなものありません!」と叱られたが、「閉経前、女性ホルモン最後の大暴走」があるように思えてしかたがない。突然アイドルの追っかけを始めたり、いきなり若作りファッションに凝ったり、年下の恋人と駆け落ち寸前とか……え? とっても楽しそう? うまく「楽しい」だけで済めばいいが、一歩踏み外すと、後始末がけっこう大変だ。
●更年期にしてはいけないこと
「ゾンビになって脳が半分溶けている」ぐらいに判断力が低下していると考えて、とにかく「大きな決断をしない」こと。
たとえば
- 離婚(婚外な恋人と駆け落ち)
- 一目惚れ結婚
- 退職(いきなり転職・独立、介護離職)
- 兄弟や友だちと絶交・絶縁
- 大きな買い物(過度の爆買い)
- 海外移住
なにか決断したくなったら、まずは女友達とおしゃべりしよう。何人でも何回でもいいから、気が済むまでぶっちゃけて相談する。話を聞いてもらうだけでだいぶ落ち着く。身近に聞いてくれる人がいなければ、カウンセリングを受けるのもいい。「カウンセリング」で検索すれば、けっこう身近なところでヒットすることがある。
●更年期に重なりやすいこと
- 親、パートナー(夫)の他界・介護の始まり
- 仕事環境の変化(離職→パートタイムなど)
- 子どもの巣立ち(空の巣症候群)
- 夫の定年退職・リストラ(夫婦の時間増、経済が変化)
●「備え」として、何ができるか
- 婦人科の主治医をみつける(PMSがあればその件で保険適用)
- 婦人科ドックを受ける(保険適用外)
- 今(更年期前)の60~80%の力でも運転できるように生活をコンパクト化、単純化する(できれば生前整理・終活も閉経前に)
- 筋トレ、有酸素運動などで、体力と運動能力を“底上げ”しておく
- 家事など、手を抜く準備(情報を集める)
- 家族が家事を分担できるように“しつけ”ておく
- ヤバいときに助けてくれる「非常ボタン」を持つ(婦人科、精神科、心療内科、カウンセラー、家事代行など)
- 天の岩戸を確保する(逃げ込んで1人になる秘密基地をもつ)
婦人科ドックは健康保険が適用されないが、相性のいいドクターを探すためにはいい方法。市の健診なども利用できるが、ドクター側に「自分の患者」という意識があまりないので一般的にサービスが悪い。そのドクターの「本当のところ」がわかりにくい。
少なくとも自分がADHDだとわかっている人は精神科(心療内科)と婦人科、2人の主治医を持つべき。
↓総力戦に備えよ