本当かウソか、妄想かはわからないですよ。
なので、物語みたいな感じで読むのが一番健全ですよ。
要は鵜呑みにしてはならないのですよ。
屋敷には猫が沢山いた。
外に出るようになった頃、街中を歩いていると時たま目にした
捨てられたらしい子猫。何故か放っておけずに拾ってきていた。
「若旦那ぁ…猫、増えましたねぇ。」
その時点で十匹近くはいたんじゃないんだろうか。
屋敷の者にも流石に呆れられていた。
何匹かはもらわれていったりもしていたが。
ある日、中でも一番小さい仔猫を連れて、廓へと遊びにいった。
懐に入れていた仔猫を見せると、相手はとても驚いていた。
「触ってもいいの?」
そう言いながら恐る恐ると仔猫へ手を伸ばす。
まだ足元もおぼつかないような、やっと離乳したばかりぐらいの仔猫だ。
掌に乗っかってしまうような小さな仔猫。
余りにもおっかなびっくりだったので、手を開いてと指示すると、
その上へと仔猫を乗せてやった。
緊張の余り硬直してしまった彼女は、手を動かさずにじっと仔猫を見つめていた。
仕事で忙しい日々を送っていた俺は、こんなやり取りがとても好きだった。
何となく人に慣れてきた、そんな頃だったからなのだろう。