根岸森林公園のドーナツ広場から見る富士山さんの眺めは素晴らしいです。
特に晩秋から冬にかけての落陽の数分間の色彩の移ろいは、
例えようもない美しさです。
2019年11月
暮れなずんでいく富士山と丹沢山塊の夕景(右端は大山)
2021年3月
空気が厳しく冷え込んだ快晴の早春、
富士山も丹沢山塊も稜線をくっきりと見せて美しさが際立ちます。
この頃は未だ、無人の米軍住宅が残されていました。(緑の木々の上側の家々)
が、しかし、
富士山の前に立ちはだかって、
この美しい風景を台無しにしている一本の鉄塔があります。
私は、NTTのマイクロ波の中継用の鉄塔だとばかり思っていました。
2024年5月
すでに逗子市の池子に移って無人になっていた米軍住宅は、
そのほとんどが次々と撤去されて行きました。
5月になって、丘の上にクレーンが立ち上がり、
マイクロ波の鉄塔には覆いが組み上げられ始めていました。
2024年6月
6月になって、マイクロ波の鉄塔はすっぽりと覆いに隠れてしまいました。
私は、マイクロ波の鉄塔の補修や塗装をやり直すものとばかり思っていました。
そんな思いで眺めていると、
隣りに地元の人が来られたので鉄塔のことを聞いてみました。
「私も聞いた話ですが、
マイクロ波の鉄塔も米軍が使用していたので撤去されるようですよ」
「えっ!」、思わず声を上げてしまいました。
何と、この鉄塔も米軍が使用したのでした。
「嬉しい…」 声に出してそう思いました。
富士山の前に立ちはだかる
”邪魔者”以外の何物でもなかったマイクロ波の鉄塔が撤去されれば、
いつでも美しい富士山、美しい風景が見られるようになります。
鉄塔が消えたら、と思うとワクワクしてきます。
根岸の米軍住宅跡地は返還は決まっていますが、
返還時期については確定した時期は未だに決まっていません。
跡地の再開発についても病院建設の計画がありましたが、
立ち消えになったようで迷走が続いています。
好んで富士山を描くことはありませんが、
過去に描いた富士山は2枚だけありました。
『菜の花と早春の富士山』
(横須賀・ソレイユの丘から:アクリル絵の具)
銭湯の壁画のようではありますが、
菜の花を前景に際立つ美しさを見せていたソレイユの丘から見た富士山は、
ちょっと気に入っています。