「ヒマラヤの青いケシ」、
『ブルーポピー』を初めて見たのは、
箱根・仙石原にある箱根湿性花園、もう10年以上前の5月のことです。
ブルーポピー
(2015年5月 箱根湿性花園で)
しかし、ヒマラヤ山麓に咲くブルーポピーは、
植物園で見たブルーポピーとは似ても似つかない花でした。
2017年11月~’18年3月に年を跨いで、
神奈川県立美術館・葉山で開かれた
堀文子さんの「白寿展」にブルーポピーの絵が出展されていました。
ここで初めて、ブルーポピーの”正体”を知りました。
ヒマラヤの高地、
4000~5000mの厳しい環境に咲くブルーポピーは、
せいぜい10cm程度の高さにしか育たたない高山植物でした。
岸文子さんが、
ヒマラヤ山麓に咲くブルーポピーを描くために出かけたのは、
驚くことに80歳を過ぎてからのことでした。
ブルーポピー
(2001年 44.5 X 33.3cm)
人気のあったブルーポピーの絵には多くのリクエストありましたが、
「あれは、命がけのものです」と言って、
2枚目を描くことはなかった、ということです。
小品でしたが、「ヒマラヤの青いケシ」の青は気品に満ちていました。
堀 文子さん
1918年10月 東京生まれ 2019年2月没。
お~、手にしているスケッチブックは、「マルマン・スケッチブック」
これを見て、堀文子さんを一気に好きになってしまいました。
マルマン・スケッチブックは、「白寿展」にも展示されていました。
それにしても、この写真から感じられるのは、
対象物を見つめる眼差しの厳しいこと、厳しいこと。
私にとって絵は日記であり、その時々の自画像です。
1枚とて、同じ絵はありません。
「描かない」というより、「描けないのです」
だって、昨日と今日の私は違うのですから。